量子コンピューターで化学はどう変わる、期待されるアルゴリズムの実像
量子コンピューターのビジネス応用が期待されているのは、化学、金融、数理最適化などの分野だ。本連載はこれらの分野で量子コンピューターについてどんなPoC(概念検証)が実施されているか、今後PoCを始めるなら何を考慮すべきかを解説する。今回は化学の分野について紹介しよう。
化学分野では、電池や医薬品、素材・繊維などの開発に量子コンピューターの応用が検討されている。現在は電池などの新しい材料を開発する際、技術者がまずは経験的に材料の候補をいくつか作ってみて、各候補の特性を実験で検証したうえで、良い候補があればそれを製品化するのが基本的なセオリーだ。