後手番升田先生の手を考えます。
第1問
54角69角の打ち合いは後手の得です。攻めるのはここから。
A 86歩 B 75歩 C 65歩
第2問
成立しているかどうかは微妙なところですが、攻め続けるにはこれしかないか。
A 97同桂成 B 76角 C 95香
第3問
即詰みです。
後手番升田先生の手を考えます。
第1問
54角69角の打ち合いは後手の得です。攻めるのはここから。
A 86歩 B 75歩 C 65歩
第2問
成立しているかどうかは微妙なところですが、攻め続けるにはこれしかないか。
A 97同桂成 B 76角 C 95香
第3問
即詰みです。
今日の棋譜20221225
1953年3月、花村元司先生と順位戦、最終局です。ここまで5勝2敗で、勝てば名人挑戦の可能性があるところ。
花村先生の先手で相掛りです。互いに引き飛車で
腰掛け銀に進もうというところで、花村先生は24歩の合わせ。
24同歩同飛14歩。64飛には28があるので、この横歩f取りは受かるのです。
63銀~23歩と進めば、1手損しただけ。終盤型の棋士は、序盤がおろそかになることも多いのです。
さらに自分から角を交換したので2手損です。
角換わり腰掛け銀のように進みますが、互いに持ち歩があるので展開は変わります。
升田先生は84飛と浮いたので、1手得だけですが、先に入城して後は攻めるだけ。
花村先生は75歩。75同歩には74歩同飛82角ですね。でも65歩と攻められたら怪しかったと思いますが。63銀と受けさせたので
76銀と立ってちょっと成功です。手損は消えて(というか1手得)いますし。升田先生は95歩同歩54角。良さそうな自陣角ですが、先手が2歩持っているので、1筋から攻められたら怪しかったか。
69角を打たせたならば大威張りです。86歩の合わせ、85同歩同飛87銀81飛86歩75歩と進めばまずまず。
なので77金寄の受けですが、この35歩とは何でしょうか。35同歩と取られたときのねらいが見えません。後手玉が薄くなっただけでは。
86歩36角となれば悪くはないでしょうか。このあたり、花村先生は弱気です。
36同角同歩はまずいので、47銀54角。
74歩同銀75歩63銀56銀と進めば、まだ先手玉の形が良いのですが、85歩と合わせられてどうするか。手抜いて端攻めは決行しやすかったのですが、
85同歩同桂87金寄98歩、受けに回るのは棋風とは違うと思います。
98同香97歩同桂95香。96歩は同香が利くので意味なし。よって
85銀と取るわけですが、97香成。ここは飛を取る一手に見えますが、84銀87成香同金同角成同角77金がどうなっていたか。難しい勝負だったと思います。
97同香85飛86歩81飛。これは銀香交換で駒損、右の桂香をさばいた後手有利です。
駒損なので花村先生が攻める番です。88玉71飛を入れてから34歩
34同銀26桂43銀、端攻めにしておいた方が良いような気はしますが、34香を打ち。33桂と受けられたら・・・
でも升田先生は受けずに83桂で攻め合いを選びます。32香成同玉の図は金銀交換だけですし、攻め駒は全部数えれば5枚あります。先手は飛角が使えていないからとりあえずの攻め駒は2枚で、これでも後手有利でした。
33歩同玉82金73飛
34歩42玉83金同飛
33歩成同玉55桂。花村先生は攻めを迷っているような、後手に間違えてほしいと願っているような。升田先生は96歩、持ち歩が多いので96同香95歩同香96歩のような利かしから入るのでしょう。
43桂成同金55銀、これは怖い攻めではなくて、
97歩成同金76角67銀
96歩87金寄同角成
87同金85歩。85同歩にも86歩が厳しいです。なので花村先生は25角と出て寄せ合いです。詰めろにもならないですが、
86歩に43角成同玉61角で王手飛車。
32玉33歩同桂83角成87歩成同玉まで進んで、金桂香と飛の交換は駒損、玉の堅さは同等として、攻め駒は3対7、やはり後手優勢でしょうか。
59角は詰めろだったので、92飛72歩68金と受けますが、
85銀を打たれて受けはないです。34歩を打って下駄を預けました。先手玉は詰みます。
86金78玉77金打69玉68金
清算して48飛58角(金でも詰みます)76桂。59玉は49金同角68飛成の筋。
76同銀78金まで。
受けに回る花村先生は「らしくない」です。降級の危機でもなかったのですが。ちょうど前局で手痛い反撃を受けたので、今日は受けてみようという気分だったのでしょうか。受け止めたけど、形勢が悪くなってから攻めるのでは思わしくないです。
#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.60 棋譜ファイル ----
開始日時:1953/03/05(木) 00:00:00
棋戦:順位戦
戦型:相掛かり
手合割:平手
先手:花村元司
後手:升田幸三
手数----指手--
1 2六歩(27)
2 8四歩(83)
3 2五歩(26)
4 8五歩(84)
5 7八金(69)
6 3二金(41)
7 2四歩(25)
8 同 歩(23)
9 同 飛(28)
10 2三歩打
11 2八飛(24)
12 8六歩(85)
13 同 歩(87)
14 同 飛(82)
15 8七歩打
16 8二飛(86)
17 4八銀(39)
18 7二銀(71)
19 7六歩(77)
20 6四歩(63)
21 2四歩打
22 同 歩(23)
23 同 飛(28)
24 1四歩(13)
25 9六歩(97)
26 9四歩(93)
27 1六歩(17)
28 6三銀(72)
29 6八銀(79)
30 2三歩打
31 2八飛(24)
32 3四歩(33)
33 2二角成(88)
34 同 銀(31)
35 7七銀(68)
36 5二金(61)
37 5八金(49)
38 4二玉(51)
39 4六歩(47)
40 7四歩(73)
41 4七銀(48)
42 7三桂(81)
43 6六歩(67)
44 3三銀(22)
45 5六銀(47)
46 3一玉(42)
47 3六歩(37)
48 8四飛(82)
49 6八玉(59)
50 5四銀(63)
51 7九玉(68)
52 4四歩(43)
53 6七金(58)
54 2二玉(31)
55 7五歩(76)
56 6三銀(54)
57 7六銀(77)
58 9五歩(94)
59 同 歩(96)
60 5四角打
61 6九角打
62 8六歩打
63 7七金(67)
64 3五歩(34)
65 8六歩(87)
66 3六角(54)
67 4七銀(56)
68 5四角(36)
69 7四歩(75)
70 同 銀(63)
71 7五歩打
72 6三銀(74)
73 5六銀(47)
74 8五歩打
75 同 歩(86)
76 同 桂(73)
77 8七金(77)
78 9八歩打
79 同 香(99)
80 9七歩打
81 同 桂(89)
82 9五香(91)
83 8五銀(76)
84 9七香成(95)
85 同 香(98)
86 8五飛(84)
87 8六歩打
88 8一飛(85)
89 8八玉(79)
90 7一飛(81)
91 3四歩打
92 同 銀(33)
93 2六桂打
94 4三銀(34)
95 3四香打
96 8三桂打
97 3二香成(34)
98 同 玉(22)
99 3三歩打
100 同 玉(32)
101 8二金打
102 7三飛(71)
103 3四歩打
104 4二玉(33)
105 8三金(82)
106 同 飛(73)
107 3三歩成(34)
108 同 玉(42)
109 5五桂打
110 9六歩打
111 4三桂成(55)
112 同 金(52)
113 5五銀(56)
114 9七歩成(96)
115 同 金(87)
116 7六角(54)
117 6七銀打
118 9六歩打
119 8七金(97)
120 同 角成(76)
121 同 金(78)
122 8五歩打
123 2五角(69)
124 8六歩(85)
125 4三角成(25)
126 同 玉(33)
127 6一角打
128 3二玉(43)
129 3三歩打
130 同 桂(21)
131 8三角成(61)
132 8七歩成(86)
133 同 玉(88)
134 5九角打
135 9二飛打
136 7二歩打
137 6八金打
138 8五銀打
139 3四歩打
140 8六金打
141 7八玉(87)
142 7七金打
143 6九玉(78)
144 6八金(77)
145 同 飛(28)
146 同 角成(59)
147 同 玉(69)
148 4八飛打
149 5八角打
150 7六桂打
151 同 銀(67)
152 7八金打
153 投了
まで152手で後手の勝ち