後手番大山先生の手を考えます。
第1問
昨日の将棋と同じで、とりあえず損の無い手です。
A 36銀 B 96歩 C 66歩
第2問
ずっと悪かったのですが、チャンスがやって来ました。先手のねらいを避けつつ・・・
A 73桂 B 54歩 C 64歩
第3問
ここが急所です。
A 65歩 B 56歩 C 39角
第4問
詰まない受けはこれだけです。
A 42銀 B 22玉 C 41玉
後手番大山先生の手を考えます。
第1問
昨日の将棋と同じで、とりあえず損の無い手です。
A 36銀 B 96歩 C 66歩
第2問
ずっと悪かったのですが、チャンスがやって来ました。先手のねらいを避けつつ・・・
A 73桂 B 54歩 C 64歩
第3問
ここが急所です。
A 65歩 B 56歩 C 39角
第4問
詰まない受けはこれだけです。
A 42銀 B 22玉 C 41玉
今日の棋譜20221228
1953年4月、大山康晴先生と名人戦第1局です。
升田先生の先手で、76歩84歩26歩85歩25歩32金に77角ではなくて78金としたので、
角換わりではなくて相掛りです。互いに浮き飛車
端の位を取り合います。相掛りでは38銀~36歩~37桂~25桂と攻めるのが有力なので、後手は端を受ける場合がほとんどなのですが。
端は関係なくて相腰掛け銀に進みます。
大山先生は6筋の位取り。
昨日並べた将棋(対塚田戦)とほぼ同じで、35歩同歩45銀「ガッチャン銀」がうまくいかないので、また升田先生は47金の手待ちです。
大山先生はそれを知っていたでしょうから、63金48金に73桂と跳ねずに62金と追従します。45歩73桂ならば駅馬車定跡類似形ですが、
升田先生は単に45銀同銀同歩。
75歩35歩同歩75歩。この手順も昨日並べましたね。違いは後手陣が63金73桂の形ではないということ(と端の位)です。
後手の36銀はだいたい有効手になります。38歩と受けさせれば少し得でしょう。
24歩(25歩と突きたい)に升田先生は22角成同銀74歩。74同飛には83角から馬を作れます。
大山先生の33角は先手に何か受けさせて74飛と払いたいということだったでしょう。88銀、88角同角成同銀も74飛が先手になります。升田先生は77から角を合わせて
77同角成同金33角88銀。形は悪いですが、角銀を持っているので我慢です。
76歩78金23銀。後手陣の形が良さそうですが、
75銀85飛86銀、千日手もできますが、
84飛に46角は好打。香取りが受けにくいですし、35歩を取れば銀取り(桂銀交換になる)です。
93香には91角成のほう。
63金に75銀85飛86銀84飛75銀85飛、ちょっと千日手をにおわせてから
64銀74金
75歩64金同馬。これは74馬が詰めろ飛取りになります。好点の馬で、升田先生ははっきり有利でしょう。
31玉53馬22玉
25歩同歩同桂で好調子。55角には13桂成同桂24歩の筋と35馬もあります。
25同銀同飛24歩
35飛34歩36飛、これで万全でしょうか。大山先生は一度83飛と引いて
54馬に86歩。86同歩同飛87歩77歩成同銀36飛というねらいです。升田先生としてはこれをうまく逃れれば優勢です。
44歩同角55金、角筋を止めれば87歩成が怖くないと。
35角44歩同歩65馬、ここまでは順調です。
でも84飛に66飛というのは、うまそうでうまくなかったのでした。ねらいは32馬同銀62飛成で優勢のはずなのでしたが。攻めるならば43銀、受けるならば76馬(85銀77馬76桂は気になりますが)、他にもありそうです。
54歩同馬(くらいしかないけど)同飛
54同金56歩同飛45銀。これで困っているのです。55金56銀同金29飛は長いけどちょっと悪いでしょうから、
76飛56桂同飛、これは77玉の脱出ルートを作って
56銀52飛で寄せ合い勝負です。
57銀成(77玉と逃げたいけれど85角が飛取り詰めろなので)同金59角
59同玉57角成は金を持っていないので、とりあえずは受けなしでした。ただ後手玉も詰みかねないし、王手で57馬を抜ければよいのですが。まず31銀から
31同玉53角41玉(好手)32飛成。これで即詰みでもおかしくないのですが。
32同玉43銀22玉44角成33桂14桂同歩、33馬同玉45桂22玉33金12玉、も詰みません。ここまで。
升田先生有利から優勢というところで、107手目66飛1手でだめにしてしまいました。不幸な事故という感じです。勝ちを急ぐと危ないというのが教訓です。
#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.60 棋譜ファイル ----
開始日時:1953/04/13(月) 00:00:00
終了日時:1953/04/14(火) 00:00:00
棋戦:名人戦
戦型:相掛かり
手合割:平手
先手:升田幸三
後手:大山康晴
手数----指手--
1 7六歩(77)
2 8四歩(83)
3 2六歩(27)
4 8五歩(84)
5 2五歩(26)
6 3二金(41)
7 7八金(69)
8 8六歩(85)
9 同 歩(87)
10 同 飛(82)
11 2四歩(25)
12 同 歩(23)
13 同 飛(28)
14 2三歩打
15 2六飛(24)
16 8四飛(86)
17 8七歩打
18 3四歩(33)
19 1六歩(17)
20 9四歩(93)
21 1五歩(16)
22 9五歩(94)
23 4八銀(39)
24 6二銀(71)
25 4六歩(47)
26 6四歩(63)
27 4七銀(48)
28 6三銀(62)
29 5六銀(47)
30 5四銀(63)
31 4八金(49)
32 5二金(61)
33 3六歩(37)
34 4二玉(51)
35 3七桂(29)
36 6五歩(64)
37 6八玉(59)
38 7四歩(73)
39 4七金(48)
40 6三金(52)
41 4八金(47)
42 6二金(63)
43 4五銀(56)
44 同 銀(54)
45 同 歩(46)
46 7五歩(74)
47 3五歩(36)
48 同 歩(34)
49 7五歩(76)
50 3六銀打
51 3八歩打
52 2四歩(23)
53 2二角成(88)
54 同 銀(31)
55 7四歩(75)
56 3三角打
57 7七角打
58 同 角成(33)
59 同 金(78)
60 3三角打
61 8八銀(79)
62 7六歩打
63 7八金(77)
64 2三銀(22)
65 7五銀打
66 8五飛(84)
67 8六銀(75)
68 8四飛(85)
69 4六角打
70 9三香(91)
71 9一角成(46)
72 6三金(62)
73 7五銀(86)
74 8五飛(84)
75 8六銀(75)
76 8四飛(85)
77 7五銀(86)
78 8五飛(84)
79 6四銀(75)
80 7四金(63)
81 7五歩打
82 6四金(74)
83 同 馬(91)
84 3一玉(42)
85 5三馬(64)
86 2二玉(31)
87 2五歩打
88 同 歩(24)
89 同 桂(37)
90 同 銀(36)
91 同 飛(26)
92 2四歩打
93 3五飛(25)
94 3四歩打
95 3六飛(35)
96 8三飛(85)
97 5四馬(53)
98 8六歩打
99 4四歩(45)
100 同 角(33)
101 5五金打
102 3五角(44)
103 4四歩打
104 同 歩(43)
105 6五馬(54)
106 8四飛(83)
107 6六飛(36)
108 5四歩打
109 同 馬(65)
110 同 飛(84)
111 同 金(55)
112 5六歩打
113 同 飛(66)
114 4五銀打
115 7六飛(56)
116 5六桂打
117 同 飛(76)
118 同 銀(45)
119 5二飛打
120 5七銀成(56)
121 同 金(48)
122 5九角打
123 同 玉(68)
124 5七角成(35)
125 3一銀打
126 同 玉(22)
127 5三角打
128 4一玉(31)
129 3二飛成(52)
130 同 玉(41)
131 4三銀打
132 2二玉(32)
133 4四角成(53)
134 3三桂(21)
135 1四桂打
136 同 歩(13)
137 投了
まで136手で後手の勝ち