Blog of SAKATE

“燐光群”主宰・坂手洋二が150字ブログを始めました。

第22回劇作家協会新人戯曲賞、応募受付期間は7月1日(金)~8月1日(月)

2016-06-03 | Weblog
第22回劇作家協会新人戯曲賞は、まもなく募集開始。
応募受付期間は、7月1日(金)~8月1日(月・消印有効) です。出そうとお考えだった方は、お出し忘れのないよう、願います。

ちょうど今、一昨年の最終候補作『龍とオイル』を書いた八鍬健之介さんの『キダリダ』が俳優座劇場で上演中。
最近、いろいろな劇を見てはいるのだが、若い人の作品は特に、どうも印象がぼんやりしていて、演劇の体裁をとってはいるが、何をしたかったのだろう、と思わせてしまう作品さえ見受けられることが多いと思うのだが、八鍬さんの『キダリダ』は、そんな気配は微塵も感じさせず、描きたいことをちゃんと持っている者が作ったことを感じさせる、ごりっとした手応えで、こういう作品は嬉しい。
劇作家協会新人戯曲賞がなければ八鍬さんの作品に触れることもなかったわけで、やはりこの賞の存在意義は大きいと思った。



第22回劇作家協会新人戯曲賞 協会広報は以下の通り

……………………

日本劇作家協会では、演劇界の未来を担う才能の道を拓くべく、1995年より劇作家協会新人戯曲賞を主催しています。第1回受賞者の長谷川孝治氏から第21回の象千誠氏まで、常に新しい才能を輩出し続けているこの賞は、まさに新人劇作家の登竜門と言えるでしょう。

一次審査と二次審査を経て最終候補作を選出したのちに、受賞作を決めるための最終選考会が公開で行なわれることが、劇作家協会新人戯曲賞の大きな特色です。その審査員たちが応募者の希望により選ばれること、受賞作がその場で発表されることも含め、非常に公正な賞です。

今年度の公開審査会は、12月11日(日)に座・高円寺で開催の予定です。また、例年5~6本の最終候補作は、単行本にまとめて出版しています。過去21回の最終候補作も、それぞれ『優秀新人戯曲集』(ブロンズ新社)として刊行されています。

下記の要項をご確認のうえ、ぜひご応募ください。
http://www.jpwa.org/main/drama-award/guidance

応募受付期間
  2016年7月1日(金)~8月1日(月・消印有効)

応募資格
  不問(自らを新人と思う者)

応募規定
 1人1作品
 2015年8月1日から2016年7月31日までに、日本語で書かれた作品で、
   書籍あるいは雑誌に未発表のもの(上演していても可)
 同作品の、同時期の他の賞との重複応募は不可
   また、過去に他の賞の佳作以上を受賞した作品は、手直しをしていても不可
 原作のあるものの脚色は不可
   また、他の戯曲・小説・映画などの一部を使用する場合は、作品名を
   明記し、著作権処理が必要な場合は応募者の責任で行なうこと


原稿形式・必要記載事項・応募上の注意
 1.表紙(2部)
   ・作品タイトルと作者名を記載
 2.あらすじ(2部)
   ・800字~2000字程度 (*あらすじにも作品タイトルと作者名を記載すること)
 3.戯曲(2部)
   ・ワープロの場合は、片面印刷でA4に800~1600字詰め(原稿用紙への印刷は避ける)
   ・手書きの場合は、400字詰め原稿用紙使用
   ・枚数は、400字詰め原稿用紙に換算して250枚程度を上限とする
   ・ページ番号をつける
 4.別紙(1部)
   ・住所・氏名(ペンネームの場合は本名も)・電話番号・メールアドレスを記載
   ・希望する審査員(劇作家協会員に限る)3名を記す。協会会員名簿はこちら

 上記を1~3を1部ずつ順に重ね、ダブルクリップまたは紐でとめたものを、
   必ず2部送付
 別紙は1部のみ
 応募書類(原稿を含む)の返却には応じかねるので注意のこと


最終審査員
  劇作家協会会員7名  ⇒ 会員一覧

 応募者の希望を集計し、上位7名を最終選考会の審査員とする
  **審査員の記載は、最終審査員を決めるためのものであり、
   希望する劇作家が応募作を読むという意味ではありません。


  劇作家協会新人戯曲賞1編
  正賞=時計 副賞=賞金50万円
  (他の最終候補作者にも記念品贈呈)

著作権
  応募者に帰属


よくある質問
  ⇒新人戯曲賞Q&A

ご応募・お問合せ
  日本劇作家協会 事務局 
  〒166-0002 東京都杉並区高円寺北2-29-14-501
  TEL:03-5373-6923
 *応募の際は「新人戯曲賞応募作品」と封筒に明記のこと

[主催] 一般社団法人 日本劇作家協会
[後援] 公益財団法人 一ツ橋綜合財団


応募受付期間=2016年7月1日(金)~8月1日(月)
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日本劇作家協会 会長退任にあたってのご挨拶

2016-06-01 | Weblog
一般社団法人日本劇作家協会 会長退任にあたってのご挨拶を協会ホームページに掲載している(http://www.jpwa.org/main/)。以下に転載。

2006年からだから、本当に十年になる。

杉並区と劇作家協会は「座高円寺」オープン準備中、その運営についてパートナーシップ協定を結んだ。私は会長名でその契約を締結したさい、座高円寺の指定管理者であるNPO「劇場創造ネットワーク」の副理事長を退任した。上部組織と実行管理者の両方の責任者を兼ねることは、矛盾するからである。
このたびの劇作家協会会長退任により、昨日、「劇場創造ネットワーク」理事会・総会で、理事に復帰した。表立って変わることはさほどないと思うが、斎藤憐さんと共に立ち上げてきた二つの動きである。今後ともできる限りのことをさせていただこうと思っている。

ブログに付けたのは一昨年、前回の劇作家大会で採用されて以来、劇作家協会会員証などにも使用されてきた、三田晴代さんによる、ロゴ。コウノトリを模しています。協会としては新ロゴ採用の動きとなっているので、もうすぐ見られなくなると思います。

……………………

二十三年と、十年

 結果的に10年も会長をやることになってしまった。
 劇作家協会では、会長任期について、任意団体時代は2期4年まで、社団法人になってからは6年まで(定款では「「会長の再選については連続6期6年を限度とする」となっている)、と定めていた。6年前はちょうど組織変更が私の任意団体時代の任期終了のタイミングだった。社団法人となっての新たな代議員会議で、団体が変わっても「新組織であるから継続とは解釈せず」ということになり、引き続き私が会長に就任することになった。それから6年、のべ満期10年に至り、ようやく退任ということになったわけである。もちろん長すぎるとも思うが、あっという間の10年間ではあった。

 というより、私自身が協会設立のために動き出したのが、1993年の3月である。劇作家協会設立の必要について私たち若手側は変革の一端として言い出していたが、新劇世代の先達たちの間でも声が出ていることを知った。私が斎藤憐氏に連絡し、「劇作家協会」設立のために、会おうということになった。それがすべての始まりだった。1ヶ月後に設立準備の会議が開催された。井上ひさしさん、別役実さんや清水邦夫さんといった先輩たちと毎週のように会うことになるというのは、今考えても夢のような日々だった。
 あれから23年の歳月が重ねられてきているわけだが、なにもかもが「あっという間」の中の出来事であったと思う。多くの方がお亡くなりになり、また、ご病気になられ、ミーティング時などでも、協会立ち上げ期を知る者が少なくなってしまった。というか、小松幹生さんを除いては、ほぼいなくなってしまった。

 役職に関係なく、私はずっと、協会のためにできる仕事はしてきたつもりである。協会事業の数々を立ち上げ、継続してきた体験は、私自身の財産でもある。
 もともと自分で「お祭り担当」と言ってきたように、劇作家大会、新人戯曲賞、戯曲セミナーといった協会のメイン事業の立ち上げを担当した。それらはほとんど初期には「企画事業部」の仕事として動き出し、軌道に乗ったら独立した部署を作って任せるという過程を経て、定着していった。
 協会としては、劇作家の地位と権利の確立のための法的な手続も含めた動き、出版事業、全国の劇作家を中心とする演劇人とのネットワークも広げた。国際交流については、まだまだできるはずのことができていない、と思う。協会の立場で、表現者として社会に向けて声を発する行動も重ねてきた。
 座・高円寺という劇場の立ち上げにも深く関わった。私と斎藤憐のつきあいの最後の三分の一は、そのことに費やされた。個人的に関わりのあった「ニューヨーク・シアター・ワークショップ」のノウハウを借りて始めた「月いちリーディング」が定着したことも、嬉しいことだ。

 会長として人事権を持ったときに私のしたことは、社団法人化した段階で特に、多忙のため会議に出てこられない委員の方々にご遠慮いただき、その当時はまだ「若手」と呼ばれる方々に、参加をお願いしたことである。その時の「若手」の皆さんもあっという間に演劇界の主流を担う立場になり、多忙のため会議に出てこられなくなっている。才能を発揮する人を見極める目はあったということでもあるだろうが、協会としては新たな世代交代の必要を感じている。

 在任中は、ありがとうございました。あらためて、御礼申し上げます。劇作家協会と共に過ごすことのできる演劇人生に、感謝しています。今後も、できればのびのびと、自分のやれることをやっていく所存です。
 鴻上新会長を中心とする新体制になりましても、引き続きよろしくお願いいたします。
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