兵庫ピッコロシアターへ移動。久しぶりにお世話になる。「せりふの時代」誌の関係者アンケートで最高評価を得た劇場。創立三十周年、付属劇団結成十五年ということで、演劇専用の公立劇場としては先見の明があったわけである。全日空のマイルで手に入れたキャリーバッグをデビューさせる。転がして移動するのは確かに楽だ。
新国立劇場に芸術監督問題の情報開示を求める会見。井上ひさしさん、蜷川幸雄さんらも出席。心がすっきりしないのには諸々の理由がある。原則論に立ち最低限のことを求めているだけだということは理解してほしいものだ。鵜山さんと話す。最後の一時間は雑事を忘れ、演劇そのものについてだけ。そういう時間は最高に楽しい。
久々再会のお客さんは、日本で初めて会うグルノーブルのK.Oさん。昨年レギュラーだったテレ朝「スーパーモーニング」のプロデューサー氏。夜は俳優座戯曲執筆のため「緩和ケア」追加取材。専門家ではないので大前提での勘違いも多々。新国立劇場芸術監督問題での声明文に国際演劇評論家協会日本センターも連名が決まる。
昼公演には休団中の尾形可耶子が来る。いま中学生の子供が手が掛からなくなったら復帰予定。長い時間を共有しているなあと思う。夜公演のお客には懐かしい顔がいっぱい。でも新宿へ移動、演出者協会緊急理事会で明け方まで新国立劇場芸術監督問題をめぐって議論。永井愛さんと進めてきた声明文に演出者協会も連名が決まる。
あいにくの雨模様。八幡山に自転車を停め、京王線で仙川へ。地人会と燐光群で仕事をした文学座の佐古真弓らと飲む。大鷹明良さんと飲むと最後まで一緒にいる。どうも飲みすぎではないか、お互いに。制作チームと、地方公演の交通費について話す。ほんとうに細かいことも話し、未来の大局も語り合う。それが劇団というもの。
朝から電話・FAX・メールの嵐、出かける時間ぎりぎりまで。夏のフィリピンとの合作のマニラ側俳優ようやく決まる。今週中に片づけるべきことがたくさん。もちろんその先にもするべきことは山積み。せんがわ劇場までは自転車通勤だが、スピード新記録。偶然だが、愛車は、やはり自転車通勤の大鷹明良さんと全く同型・同色。(写真は、遅ればせながらアップしました『ローゼ・ベルント』舞台より)
『ローゼ』昼夜公演。トークゲストは鵜山仁新国立劇場演劇部門芸術監督。私は来夏、同劇場に新作『現代能楽集 鵺』を書き下ろす。芸術監督問題について、来場の関係者ともいろいろ話す。饒舌になった鵜山さんは穏やかそうで意外に乱暴なことを言うので、誤解されやすい面があるかもしれない。まあ、人のことは言えないが。
竹内一郎さんから燐光群+フィリピン国際交流プロジェクトの一編『虎の杖』が届く。ミステリ解明の過程にさすがの展開。ハヤカワ演劇文庫「沖縄三部作」校正も進める。せんがわ劇場でいろいろ雑事の後、本番を観ずに移動。劇団一跡二跳解散公演のアフタートークに出演。聞けば制作体制が変化するだけで、「偽装」解散かも。
休演日。午前中から劇作家協会劇場部会議、理事会。杉並の劇場に協会から提出する企画案について。理事会では新国立劇場芸術監督問題に時間が割かれる。この件についてこの日朝刊で朝日新聞社説が言及。論説委員山口宏子さんの大英断。劇団民芸『プライス』。一緒に観た劇団若手たちとラーメン。言われてみれば今夜は七夕。
午前中から演出者協会の理事会、総会。新国立劇場芸術監督問題で紛糾する中、鵜山さんも宮田さんも参加。演出家の団体としての意見は出せるか否か。『ローゼ』はもうワンステップ成長している。リヨンの演出家ブルーノさん、来る。グルノーブルの『屋根裏』リーディングに来てくれた人だ。終演後、鰯料理屋で幸福な飲み会。
静岡で緩和ケア学会に取材。5千人を超える盛況。ホスピスのみでなく、一般病院へも義務づけられる方針が決まり、「終末治療」への関心は高まっている。会場はグランシップ。隣が静岡芸術劇場。先月末のオデオン座来日公演は見たかったのだが。ともあれ私は十月俳優座公演に向けて『スペース・ターミナル・ケア』を書く。
『ローゼ』宣伝のため名古屋・大阪で記者会見。ちなみに名古屋の夏は日本一暑いと思う。盆地で湿度が高く道路が広すぎるからだ。大阪はさらに小劇場が減ってしまうかもしれない。この先どうなるのだ。9月に行う伊丹AI HALL『パーマネント・ウェイ』リーディング打合わせ。関西演劇界騒然の豪華キャストになるはず。
マチネ・ソアレ二回公演のしんどさを、皆、初めて味わう。昼公演が終わった後が疲労感のピーク。夜の部の芝居は、宿題になっていたところの中で、ようやくピントが合ってきた部分がいくつもある。もう一息だ! トークゲストは別役実さん。この人の存在感に勝てる演劇がどれほどあるのだろうとあらためて思う。心から感謝。
準備前、前世田谷パブリック技術監督真野純氏来場、いろいろ話す。劇団小ミーティング。『ローゼ』は俳優陣が確実にピントを合わせてくる。トークゲストは永井愛さん。息子は今日から修学旅行。旅行中ペットボトルは禁止。エコかゴミ対策か。わが劇団は個人ゴミ持ち帰り制。似ている。というか、演劇人生は毎日が修学旅行。
『ローゼ』2日目。前半快調だったが、まだ後半の芝居が安定しない。せんがわ劇場芸術監督ペーター・ゲスナーとアフタートーク。かなり久しぶりにPANTAが観に来てくれる。新国立劇場芸術監督を巡る騒動について、いろいろな人から連絡がある。聞けば聞くほど呆れるが、現状をそのまま見過ごしていてはいけないだろう。