Blog of SAKATE

“燐光群”主宰・坂手洋二が150字ブログを始めました。

戯曲集第2巻『星の息子/推進派』、出ました。

2017-11-03 | Weblog
彩流社さんから、半月もしない間に、戯曲集の続刊が出ることになりました。
というか、気持ちとしては、第1巻・第2巻、同時刊行です。

第一期第2巻は『星の息子/推進派』です。

第1巻『バートルビーズ/たった一人の戦争』に続く配本です。

第一期は、全7巻、14作品を収録予定で、3回配本以降は順次刊行します。

これから続々と、お届けします。


編集担当・林田こずえさんの言葉。
「一回性の芸術である演劇作品を、戯曲集というかたちで後世に残していきたい。そのためには、より資料性の高い本にして、刊行したい。観劇された方には新たな発見を、戯曲集で初めて作品を読んだ方にはより具体的なイメージを、提供したいと思い、こうした構成にしました。」

この本気に、どこまで応えられたか。とにかく、手にとっていただければ幸いです。

そして、一冊の本を作るために、どれだけ多くの人たちに支えられ、導かれたか。

装丁は坂川栄治事務所。
ワイルドです。素敵です。坂川栄治さん直筆のタイトル文字。大胆な、というより、迷いのない、色使い。
タランティーノがわざとB級映画を作ったみたいな勢いのあるテイストでもあるし、同時にヨーロッパ的に整然と完璧なバランスで作られているのも、間違いない。
坂川さんの「本の顔」(そういう題名の「ブックデザインの教科書」的な本を出版されています)による分類では、「文字で装う」部門の「書き文字」ジャンル。そしてどうやら確信を持って「こんな派手な」カテゴリーにポジショニング、のようです。 
きっと書店の皆さんは、平積みせずにはいられない! と、思います。

ふつうの戯曲集と、かなり違います。
「解説・作品ノート付き」なのですが、つまり「あとがき」も入れると戯曲以外の文が、たっぷりあります。
どうもたいへんだったなあと思ったら、一度に二冊分進行だったので、100ページ+αの短い本ならほとんど一冊分に近い「書き下ろし」状態であったわけです。


彩流社さんががんばってくださって、価格は抑えています。どう考えても安いです。
これからの時代、手にとっていただける本とはどのようなものなのか考え、チームで粘り強く作り上げました。


戯曲はなるべくまっさらな状態で自由に読んでほしいし、もしも新たな上演を考えていただく場合も独自の発想でやっていただきたいのですが、この、情報が一人歩きする時代、一種の「スターター」のような感覚で初演時のことを受け止めていただくのも「あり」だというふうに、考えを変えました。
上演を観てくださった方にも、そうでない方にも、読んでいただければと思います。


濃いです。


写真に加え、舞台図面、関連図表、なども豊富です。

書店に並び始めていますが、ネット販売も開始しています。

………………………………

坂手洋二戯曲集
星の息子/推進派

坂手 洋二 著
彩流社 四六判 / 371ページ / 並製
定価:2,200円 + 税
ISBN978-4-7791-2343-6 C0074
奥付の初版発行年月:2017年11月25日 / 書店発売日:2017年11月08日
http://www.sairyusha.co.jp/bd/isbn978-4-7791-2343-6.html


内容紹介

【坂手洋二戯曲集】第一期 全7巻 14作品 刊行スタート!

★ 1冊に2作品収録
★ 各作品に作家自身による作品解説・創作ノート付き!

「「3.11後」を生きる私たちのための戯曲集」
 原発問題に対峙する2作品収録


『星の息子』
震災被災地から官邸前、そしてオスプレイ配備決定の沖縄へ。
ネット上に現れた亡き息子の名を騙る人物を探す母の旅。
米軍基地建設反対闘争の現場で、幻の再会が果たされる。

『推進派』
米軍普天間基地を「最低でも県外」に移設する政策が出された。
基地誘致で島興しを考えるサチノ島の「推進派」と「反対派」
の対立。そこに島への移住を求める震災被災者たちが現れる。

(写真 古元道広)

著者プロフィール
坂手 洋二
さかて・ようじ
1962年生まれ。劇作家、演出家。
劇団「燐光群」主宰。
1991年 『ブレスレス ゴミ袋を呼吸する夜の物語』
岸田國士戯曲賞、
2005年 『だるまさんがころんだ』鶴屋南北戯曲賞
……など受賞作品多数。
コメント
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