A PIECE OF FUTURE

美術・展覧会紹介、雑感などなど。未来のカケラを忘れないために書き記します。

memorandum 271 気分

2016-03-30 23:06:52 | ことば
寒さに抵抗する方法はただ一つしかない。寒さをいいものだと考えることだ。よろこびの達人スピノザが言ったように、「からだが暖まったからよろこぶのではなく、私がよろこんでいるからからだが暖まるのだ」。したがって同じような考え方で、「うまく行ったからうれしいのではなく、自分がうれしいからうまく行ったのだ」といつも考えねばならない。どうしてもよろこびが欲しいというならば、まずよろこびを蓄えておきたまえ。いただく前に感謝したまえ。なぜなら、希望から求める理由が生まれ、吉兆から事が成就するのだから。だから、すべてのことがいい予感であり、吉兆である。「君がそれを欲するならば、カラスが君に告げているのはしあわせなのだ」とエピクテトスは言っている。そこから彼が言わんとするのは、何でもよろこびなさいというのではなく、とりわけ、ほんとうの希望はいっさいをリアルなよろこびとするということだ。ほんとうの希望は出来事を変えるからである。もし君が退屈な人に出会ったら、必ず彼は自分でも退屈しているのだが、まずほほ笑む必要がある。眠りたいと思ったら、眠りを信じたまえ。要するに、どんな人でもこの世の中に自分よりもおそろしい敵は見つからないのである。
アラン『幸福論 (岩波文庫)』神谷幹夫訳、岩波書店、1998、74-75頁.

今日もいい予感がする!