A PIECE OF FUTURE

美術・展覧会紹介、雑感などなど。未来のカケラを忘れないために書き記します。

memorandum 263 人類のために

2016-03-11 23:18:49 | ことば
 人類のために、国家社会のために、階級のために……。そんなことはみんな嘘っぱちだ。人のためにということが偽りなのだ。自分自身のために……それに徹することこそ、ほんとうの生き方だ。そこから生まれた人類・社会・階級でない限り、根なし草でしかあり得ない。必ずいつか挫折するしかないであろう。
野口三千三『原初生命体としての人間 ― 野口体操の理論(岩波現代文庫)』岩波書店、2003年、232頁。

極端な言葉なので違和感もあるし、すべてに同意できるわけでもないが、「自分」がないと、人のためにもならないということだと思うのだ。とくに芸術の世界では、いくら「人類のために、国家社会のために、階級のために」と言っても、最後は個人であろう。