A PIECE OF FUTURE

美術・展覧会紹介、雑感などなど。未来のカケラを忘れないために書き記します。

未読日記1148 『場所の現象学』

2016-03-14 23:18:25 | 書物
タイトル:場所の現象学―没場所性を越えて (ちくま学芸文庫)
タイトル別名:Place and placelessness
シリーズ名:ちくま学芸文庫
著者:エドワード・レルフ
訳者:高野岳彦, 阿部隆, 石山美也子
カバーデザイン・装画:渡辺千尋
発行:東京 : 筑摩書房
発行日:1999.3
形態:341p ; 15cm
注記:引用文献: p311-324
    エドワード・レルフの著作目録: p325-327
    原著(Pion, c1976)の翻訳
    底本: 「場所の現象学 : 没場所性を越えて」(筑摩書房, 1991年9月刊)
内容:
人間が生きるということは、身の回りの空間や環境に自分なりの様々な意味を与えることと同値である。自らの直接経験による意味づけによって分節した空間が、すなわち「場所」である。場所は、大量生産と商業主義が深化した現代においては、多様だったはずの意味や環境適合性を欠落させ、お仕着せのものとなり、「偽物の場所」のはびこる〈没場所性〉に支配される。本書は、ディズニー化、博物館化、未来化などの現代の没場所性の特徴を暴き出し、キルケゴールやカミュやリフトンらの文学や哲学の成果も動員しつつ、場所に対する人間の姿勢と経験のあり方を問う、現象学的地理学の果敢な挑戦である。

目次
日本語版への序文
はじめに
謝辞
第1章 場所および地理学の現象学的基礎
第2章 空間と場所
第3章 場所の本質
第4章 場所のアイデンティティ
第5章 場所のセンスと本物の場所づくり
第6章 没場所性
第7章 現代の景観経験
第8章 場所のゆくえ
原註
引用文献
エドワード・レルフの著作目録
訳者あとがき――人間主義地理学とエドワード・レルフ

購入日:2016年3月14日
購入店:Amazon.co.jp
購入理由:
 つくるビルゼミ最終講義の参考文献として購入。今回は「失われた場を求めて」として、「場所」をとりあげることにした。その時に思い浮かんだのが「没場所性」という言葉であった。この言葉をキーワードに展覧会ができないかという案はあるのだが、今回はそれぞれの土地や場所にあった固有の場は「没場所性」に支配されていってはいないか、あらためて考える機会としたい。