A PIECE OF FUTURE

美術・展覧会紹介、雑感などなど。未来のカケラを忘れないために書き記します。

未読日記502 「PLATFORM 2011」

2011-05-18 23:18:18 | 書物
タイトル:PLATFORM 2011 浜田涼/小林耕平/鮫島大輔―距離をはかる―
編集:真子みほ
翻訳:株式会社アーバン・コネクションズ
写真クレジット:奥村基 pp.22~23、大谷一郎 pp.24~33
写真提供:浜田涼
デザイン/印刷:株式会社山田写真製版所
発行:練馬区立美術館
発行日:2011年
定価:800円
内容:
東京・練馬区立美術館にて開催された「PLATFORM 2011 浜田涼/小林耕平/鮫島大輔―距離をはかる―」(2011年4月16日~5月29日)の展覧会図録3分冊のうちの「浜田涼」編。
A4判、ソフトカバー、カラー、40p

ごあいさつ/Foreword
謝辞/Acknowledgement
「イメージと物質の間で」近藤幸夫(美術評論家・慶應義塾大学准教授)
"In Between Image and Material" Yukio KONDO(Art Critic/Associate Professor, Keio University)
「よく思っていること」浜田涼
"What I Often Think About" Ryo Hamada
「浜田涼の距離―私と世界との間にあるもの―」真子みほ(練馬区立美術館学芸員)
"The Distance according to Ryo HAMADA -What Lies between Myself and the World-" Miho MANAKO(Curator, Nerima Art Museum)
図版/Plates
出品作品リスト/List of Works
略歴/Biography
参考文献/Bibliography

購入日:2011年5月5日
購入店:練馬区立美術館
購入理由:
 昨年度は見れなかった練馬区美の現代美術展シリーズ「PLATFORM」。今年は浜田涼・小林耕平が参加と知り、何が何でも見に行こうとGWに時間を取って東京遠征。浜田涼さんの作品は、今から10年ほど前に藍画廊で作品を見たのが最初だろうか。その後、2002年に開催されたTAMA VIVANT展の時にお仕事をさせて頂いたことが懐かしい(当時は学生だったため、世間知らずもの知らずで迷惑ばかりをお掛けしてしまったが、浜田作品の展示の裏側を見ることができたのは貴重な経験となった)。
 今展では、2階展示室に過去から最新作までが展示され、不透明なイメージが、窓のように空間に反響し合い、光ある不透明な世界を作り出していた。藍画廊の個展では展示スペースが限られるため、その時の展示作品を見ることに集中してしまうが、美術館の展示では過去の作品との関係のなかで作品を見ることができて新鮮だ。あらためていい仕事をしていることを再確認。

 カタログは、グループ展ではあるが1冊ではなく作家ごとに分冊で編集・刊行されている。同様の試みは、国立新美術館の「アーティスト・ファイル展」のカタログも同じだが、こちらはバラ売りをしておらず、希望の作家分のみを単冊で買うことができず残念に思うことがあった。対して、練馬区美はバラ売りの販売をしてくれて助かる。ちなみに、小林耕平編の図録も欲しかったが、手持ちの予算がなく断念。こういう時は分冊だとまったく資料が手に入らないので悔しい・・。
 小林耕平の展示は、淡々とした映像の提示が分析を要請しやすく、アカデミシャン向けな印象を与えるかもしれない。だが、今展の新作インスタレーションを見ると、真面目なバカバカしさがとても魅力的だった。おそらく不適切なのだろうが、小林耕平の作品はエンタテインメントだと思う。この人が劇映画を作ったらと想像すると、楽しくなる。