A PIECE OF FUTURE

美術・展覧会紹介、雑感などなど。未来のカケラを忘れないために書き記します。

未読日記215 「セカンド・ネイチャー」

2008-12-24 22:49:53 | 書物
タイトル:セカンド・ネイチャー
監修:吉岡徳仁
編者:21_21 DESIGN SIGHT
印刷・製本:凸版印刷株式会社
プリンティングディレクション:田中一也(凸版印刷株式会社)
発行:株式会社求龍堂
定価:本体1,714円+税
内容:
21_21 DESIGN SIGHT 第4回企画展 吉岡徳仁ディレクション「セカンド・ネイチャー」展(2008年10月17日-2009年1月18日)の展覧会カタログ。

出品作家:安部典子、東信、カンパナ・ブラザーズ、片桐飛鳥、ロス・ラブグローブ、森山開次×串田壮史、中川幸夫、吉岡徳仁

ディレクター・メッセージ「セカンド・ネイチャー -記憶から生み出される第2の自然、デザインの未来を考える」吉岡徳仁
「セカンド・ネイチャーを考える」橋場一男
作品紹介
スペシャルメッセージ:三宅一生、佐藤卓、深澤直人
作品リスト
参加作家およびディレクタープロフィール
インフォメーション
(本書目次より)

購入日:2008年12月20日
購入店:21_21 DESIGN SIGHT
購入理由:
記憶から生み出される第2の自然から、デザインの未来を考える「セカンド・ネイチャー」展のカタログ。
自然を語るとき、自身が経験した自然現象をもとにしか語りえない。デザインを語るときも、自身が感じたことからしか語りえない。自然とデザインの経験の「記憶」が混じりあう場所で生まれる「セカンド・ネイチャー」というキーワードは、曖昧な点があるのもたしかだが、展覧会として見るとうまく芯が通っている。また、橋場一男氏による引用を集めた「セカンド・ネイチャー」論によってその概念を補強し、カタログと展覧会の関係を絶妙な距離感で保っている。これぐらいのレベルの展覧会+カタログがもっと増えてほしいものだと思う。ちなみに、会場の21_21は美術館というより大きめのギャラリーといった規模なので、これぐらいの小規模な出品数の方が見やすい。

中川幸夫は花の作品(の写真?)かと思っていたら、予想外の作品で衝撃を受けた。私がこの展覧会を見ようと思ったのも、中川幸夫の名前があったから来たようなものなのだが、予想以上に展示がビシッと決まって、電気が通い始めた感覚を憶える。次のロス・ラブグローブがまた奇妙な建築模型のような立体作品で、側に置かれた液晶テレビから流れる制作風景の映像に度肝をぬかれ、完全にスイッチが入り始める。その後は、科学的精密さを発揮した作品が続くのだが、結晶がきれいで、ついカタログを衝動買いしてしまう。

余談だが、東信氏の松を氷に入れて冷凍した作品を見て、以前私も葉っぱを水の中に入れて、冷凍した作品を作ったことを思い出した。別に私の方が先だと言うわけではない。その作品はチャックがついた小さな透明のビニール袋に葉っぱを封じ込めた作品だった。その冷凍葉っぱはもう存在していないが、今回の東信氏の作品を見て、思い出した。自分はあの時、なぜ葉っぱを冷凍になんかしたんだろうか‥。