A PIECE OF FUTURE

美術・展覧会紹介、雑感などなど。未来のカケラを忘れないために書き記します。

TOUCHING WORD 073

2008-12-17 00:48:18 | ことば
私にはつねに、目前の混乱を目にすると、当座それを片付けてしまうよりも、今後も恒常的に襲ってくるだろう混乱を恒常的に整理するための、コンセプチュアルな器や構造やシステムを考案することの方へ考えが向う、という性向があるらしい。いいかえれば、目の前のものの整理は、所詮とりあえずのことにすぎない、というふうに考える性質らしい。これは、またも大袈裟になるが、いわば、世界の渾沌に向き合おうというときの、ひとつの理性的判断といっていいかと思われる。
(p.5 平出隆『遊歩のグラフィスム』新潮社 2007年)

自分に襲ってくる混乱を迎えていながら、いまだズルズルとコンセプチュアルな器や構造やシステムを考案してしまうこの私は、この一文に強く共感してしまう。「とりあえず」という言葉を頻発するわりに、それら混乱をどうやったらまとめることができるのか考え続けてしまう。周囲の混乱、注意、警告、心配をよそに、あまり焦燥感がない。もう終りが見えているというのに。20代最後の年が始まった今、困ったものだと思う。