真野に飛鳥路と呼ばれる道がある。奈良の飛鳥路によく似ている事からそう名付けられたという。この飛鳥路の沿線で大膳神社と妙宣寺との間に位置するのが世尊寺である。山門をくぐると両脇に様々な樹木が植え込まれているのに気付く。その中の右手に緑が映える長屋門の白い壁が見えてくる。素晴らしいコントラストである。突き当たりの右手には、左右から五輪塔に挟まれた朱塗りの中門がある。ここをくぐると、芝生の前庭が開け、突き当たりに本堂が見えた。裏から蓮池と共に眺める長屋門もまた美しい。
このお寺の開基は、順徳上皇と共に来島した北面の武士が上皇崩御後も島にとどまり、後に配流されてきた日蓮と知り合い彼に帰依して入信した事に始まる。境内はあくまでも清楚な佇まいであり、四季折々の小鳥の声が絶えない。初夏の今頃に訪ねたが、紅葉の時期、あるいは冬に雪の降り積もる頃に訪ねるのも面白かろう。
中門
中門から見た本堂
苔蒸した石塔
本堂
世尊寺の額
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