佐渡の翼

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フランクフルト空港の手荷物検査場でテロリスト扱い   投稿者:佐渡の翼

2015年01月10日 07時11分22秒 | ドイツ・イタリア・フランス旅行2014年

入国審査場(3階にある)には午前5時41分に到着した。見ると画像のように長蛇の列が出来ていた。フランクフルト国際空港はルフトハンザのハブ空港なので早朝から深夜まで世界各国から様々な便が飛来する。だから早朝の時間帯でも入国審査場は混雑する。加えて、米国に寄る、シリア領内の過激派組織「イスラム国」拠点への空爆が検討され始めていたせいか、入国審査は厳しさを増していた。パスポートが日本の運転免許証と同じサイズで同じ厚さでしかないようなアフリカやバルカン半島辺りの小国から来た移民などは徹底的な審査を受けており、これが行列の長さに拍車をかけた。日本人はたくさんいたが、全員、この空港で乗り継いでヨーロッパ各国へと向かう個人旅行客でツアー客などは皆無だった。全員何某かの質問を受けていたが全て数秒で通過していた。ベルリン行きの搭乗券を一瞥した係官は筆者に対し「ベルリンには何泊するんだ?」と問うて来たので「One night stay」と答えたら「What time berlin?」と尋ねて来た。「Departure is 7:45 and boarding time is 7:15」と答えたらすんなりと通してくれた。だがpassport controlを通過するまでに既に30分近くが経過していた。そして一旦1階まで降ろされ、6時15分頃にSecurity check(手荷物検査場)のレーンに到達すると、ここにも再び長蛇の列が出来ていて、これがなかなか進まない。ANA便の30分早目の到着のお蔭で、ベルリン行きの便の出発時間まで1時間30分ほどの余裕があったので、焦りはしなかったが嫌な予感はあった。嫌な予感ほど得てして当たると何度もブログに書いて来たが、果たせるかなその予感は的中した。

羽田空港の出国審査場でのSecurity checkの杜撰さに慣れ切っていた筆者は欧州の空港のSecurity checkを甘く見ていた。欧州の空港のほとんどでは、身に着けている金属製の物は、時計、ベルトの金具、ネックレス、イアリング、指輪、ブレスレット、眼鏡、財布、ボールペン、スニーカーの金具に至るまで全て体から取り外した後に、それらを全て荷物籠の中に収納し、検査レーンに乗せた上で金属探知機ゲートを通過せねばならない。だが、筆者は、時計、ベルト、財布、磁石、スニーカーに付属した金具(ペリーエリスアメリカと言うブランドの履きなれたスニーカーの一部にも金具が付いていた)を体から取り外さずにゲートを通過したため、赤ランプが点滅した。慌てて、磁石を体から取り除いて再検査を受けたが再び赤ランプが点滅してしまった。そして、自爆目的で爆発物を隠し持って飛行機に搭乗しようとするテロリストと判別するために、半畳ほどの広さのブースへ連行されて徹底的なbody checkを受けねばならない羽目に陥った。筆者は「7:45分の便に間に合うだろうね?」と英語で問いかけたら、女性係官は極めて事務的な口調で「I’ts not late(遅くはならないわよ)」と答えながらブースへ移動するよう促したが、「It won’t take long(検査は短時間で済みます)」と答えるのが正しい英語だろうと、筆者は心の中でつぶやいてやった。

ブース内の椅子に腰をかけて待っていると男性係官がブースにやって来て、立ち上がるように命じた後、先端が輪の形をしたhandy typeの検知器で筆者の全身をスキャンし始めた。すると靴に何かを検知したらしく靴を脱げと命じた。係官は無言で筆者のスニーカーを持ち去ると、何も言わずに姿を消した。無罪放免なのかどうか分からぬまま、筆者は反射的に靴下姿のままブースを飛び出し「Where is my shoes?」と叫んだ。すると、可愛いハッピーソックスのハート柄のネービー色の靴下をめざとく見つけた、やや小太りの女性係官が「Your socks is nice!」と言った。この一言で筆者はテロリストとしての嫌疑が晴れたのを確信した。テロリストに対し「あなたのその靴下可愛いわね」とは決して言わないからだ。筆者は「靴下を褒められたのはうれしいが、肝心の俺の靴はどこにあるのかね?」と英語で捲し立てたら、一部始終を見ていた、検査をパスしてお連れ様をお待ちのドイツ人のおばさんが大笑いをしながら「あなたの靴はここにあるわよ」とレーンの上の白いスニーカーを目で示した。

筆者には、どこで誰に見られるか分からないので、丈の長いパンツを履く時でも、厳選した素敵な靴下を身に着ける習慣がある。「お洒落は足元から」と良く言われるが、「靴だけではなく靴下にまで拘る」のが真の洒落者であり、筆者はこの一件ですっかり可愛い靴下に助けられてしまった。「芸は身を助く」と言うが筆者の場合は「靴下が身を助く」であった。一足1500円程度の安い靴下だが、縁起を担ぎ、以後国際線に搭乗する時は必ずこの靴下を履く事を筆者は堅く心に決めた。



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