昨年の総選挙で民主党政権が終焉を迎えた後、自公の連立政権が始動し、現在では順調な政権運営を行っているようである。「佐渡も、甲斐さんではこれ以上良くならないと見限った市議の何人かが翼君と密かに接触しているらしい」と、嘘八百を書き込む人々がいるかもしれないが、それは嘘では無く、ひょっとすると彼らの願望かもしれない。翼君がパクリで名を馳せた頃は、あれほど彼を忌み嫌っていた佐渡の飲食店主達が、今度は手の平を返すように、翼君にラブコールを送り続けている。佐渡にはポピュリズム(大衆迎合)的な政治家ならぬ政治屋が必要なのだ。誠に、理念も信念もない、ご都合主義、日和見主義の奇妙な島、それが佐渡島かもしれない。かと思えば、「いや、へたに市長選に出馬して佐渡を掻き回さないで欲しい、そっとしておいてくれ、誰も君には期待しちゃいないから」と書き込みたがる人もいるだろう。
さて、そんな喧騒をよそに、昨年8月下旬のとある日、筆者は六本木ヒルズ内にあるこのホテルの日本料理屋「旬房」を訪ねてみた。6階でエレベーターを降りると、かき氷ののぼりをぶら下げた、高級外資系ホテルらしからぬ、まるで夏祭りかと思うような外観の料理屋があった。午前11時半丁度にお店にお邪魔した。筆者は、仲居さんに案内され、カウンター席の末席に着席した。カウンターには昔懐かしい、手動式のかき氷製造機が置かれていた。高級外資系ホテルの日本料理屋でかき氷か?それをデザートに出す積もりのようだが、ホテルグランドハイアット東京は縁日の屋台ではあるまいに。まあよい、料理が美味けりゃ文句はない。筆者は、お昼御膳(3800円)を注文した。カウンターの内側には、二人の女性板さんがいて、彼女らは焼き物と野菜切りを担当していた。焼き物担当の女性板さんは、二本の秋刀魚に金串を扇状に5本刺してから、魚の尾を手でしごいて真っ直ぐに伸ばした。次いで塩壺に右手を入れ、塩をつまみ出し、そのこぶしを頭の高さに振り上げた後、パラパラと魚の表面に塩を振り、その作業を4~5回繰り返した。まるで、「魚の塩焼きとはこういう風にやるのよ」と、そのお手本を示すかのように。。
10分ほどでお昼御膳が運ばれてきた(画像はコンデジ使用です)。水菜の煮びたし、京野菜のサラダ、風船卵、鮪丼、豆腐とあらめの味噌汁がお盆の上に乗っていた。風船に竹串を刺せと言う仲居の指示に従うと、中からお豆腐が飛び出してきた。何故、こんな細かい芸当をするのかよく分からなかったが、とにかく美味しかった。丼の鮪の赤身はほどよい温度に戻されており、厚さが4ミリほどの切り身がご飯の上にびっしりと敷き詰められていた。山葵を鮪の上に適当にちりばめてから醤油を適量かけた後、この丼を一気に掻き込んでみた。美味しいなあ~!思わず夏休みの小学生のように年甲斐もなくがっついてしまった。デザートには梨が二切れ出てきた。最後に抹茶で喉を潤し、完食!旬の食材の旨さを見事に昇華調理してみせた「旬房」であった。
7月9日の日記:人間と言う者は、「季節限定販売」「期間限定販売」などと言う言葉に弱い!それは、クリスマス、正月、バレンタイン、雛祭り、母の日、父の日、七夕、中秋の名月、ハロウイーン、などの季節イベント時に合わせ、販売促進を目的に百貨店がしかける常套手段だ。その期間を逃したら、来年まで買えぬとなると、途端にそれが欲しくなるのが人間心理。特に、何点限りなどと数量まで限定されると、絶対に買い逃すものかと必死にすらなる。そういう心理状態に追い込まれるのは、人間の持つ希少価値崇拝心理による。筆者は凡人ゆえ、特にその傾向が強く、「季節限定品」に弱い者の一人だ。だが、筆者の長年の経験に立脚すると、事、食料品に限っては、「季節限定販売品」に大した物は無いと言うのが経験則に成りつつある。筆者は読者への自慢用にと、そうした品を買い求めて来たが、この頃は次第にそれが馬鹿臭くなって来ているのが実情である。
秋刀魚に塩を振る板さん
デザートの梨