我輩は凛太郎である/そしてその母紗夢猫(しゃむねこ)である+ワン!

凛太郎♂(18歳)ミニチュアダックスとハク♂(13歳)和犬雑種+その飼い主ニンゲンの皮を被ったネコ婆♀が繰り広げる日常

死都日本

2018-02-15 23:14:08 | そしてその母紗夢猫である

死都日本(しとにっぽん)は、石黒 曜(いしぐろあきら)著、2002年9月に刊行された いわゆる災害パニック小説、クライシスノベルという分類にはいる本です。
Amazonの分類ではミステリー・サスペンス・ハードボイルドになっています。

昨年10月に中古本を購入した後、凛太郎の抜歯手術から始まり、急性膵炎とかいろいろあって、先週やっと読了。1冊読み終わるのに4ヶ月?

紹介文(「BOOK」データベース)
西暦二〇XX年、有史以来初めての、しかし地球誕生以降、幾たびも繰り返されてきた“破局噴火”が日本に襲いかかる。噴火は霧島火山帯で始まり、南九州は壊滅、さらに噴煙は国境を越え北半球を覆う。日本は死の都となってしまうのか?火山学者をも震撼、熱狂させたメフィスト賞、宮沢賢治賞奨励賞受賞作。

あらすじ(備える.jpから拝借)
国家や文明を滅ぼすほどの大災害、「破局噴火(VEI・火山爆発指数7以上のウルトラプリニー式噴火)」が現代の九州で発生したと仮定した世界で繰り広げられる、詳細な噴火災害シミュレーション小説です。主人公である火山学者と友人の新聞記者による、噴火の爆心地からの避難紀行を中心に、未曾有の大災害に立ち向かう日本国政府や、各種の登場人物達によるグランドホテル(群衆劇)形式で描かれた作品です。(あらすじここまで)

テーマは火山の噴火です。怖かったです。
コワイものは地震、雷、火事オヤジで育ちましたので、地震が一番怖いと思っていました。TVニュースで火山の噴火を聞いても、怖いな~地元の人大変やな~と他人事のように思っていましたが、これを読んで火山の噴火もよっぽど怖いとゾッとしました。
火山灰というのも恐ろしいものです。灰のイメージは軽い、アルカリ性くらいにしか思っていませんでしたけど、世界中に飛んでいって「火山の冬」を作ってしまうそうです。

日本は火山列島ですから、火山の大噴火はあり得ない話ではありません。この本に書かれているような破局的噴火は数万年に1回だそうで、私達が生きている「現代」には起こらないかもしれません。でも絶対起こらないということではないのです。そんな火山列島に、また東南海地震もそのうち来ると予想されているのに、原発どうするんでしょうね、日本政府は命より経済なんだな、この国はどこを向いて政策してるんだろうなと、今更ながらに思いました。
みんな薄々知ってはいながら、知らないふりをしているのかもしれませんね。何か言うても、考えてもどうにもならん。

Amazonの内容紹介のところに次のようにありました。

本書を読まずして、我らが大地に無自覚に佇むことなかれ…。
東京大学理学部松井孝典教授大絶賛!

国民のほとんどは無自覚に佇んでいるのではないでしょうか?
国民が無自覚というのは政府が無自覚ということなのか、あるいは国民を無自覚にする政策をしているのか。後者のような気がします。

この本の中では、新しく総理大臣になった人がこれまでの政策をボロカスに言っているところがあり、そこはその通りだとつくづく思いました。

東海地震が近い将来来るという予想がされていますが、津波が来る場所に原発や工場や、人が暮らしを営む場所が作ってありますよね。
利権の関係で、そういう危険な場所への注意喚起もなされないまま土地が売られていき、町が形成されていく。

わが町滋賀県でも、嘉田前知事が、確か川の氾濫の可能性のある地域について危険箇所ということをはっきりと市民に知らせるべきというような発言があり、ハザードマップに書くべきという提案だったかどうかは忘れましたが、土地の値段が下がるとか売る時に高く売れないとか、人命無視の横槍が入り、結局実現しなかったような記憶があります(うろ覚えです)。

そういう利権で、人命を疎かにした都市づくりがされているのが日本です(他国もそうかもしれません)。

本の中で、アメリカが「日本人は税金や年金を納めて、国はそのお金を吸い上げて勝手に使っている、よく日本人は平気だ、我が国なら暴動がおこっている」というようなことも書いてあり、「ほんまや」と思いながら読みました。

本の中で、火山の破局的爆発以外にも東海地震がまもなく起きる、富士山も、もうすぐ爆発するという中、日本の首相が世界に向かって語る内容は、とてもとても良かったです。
今まで繁栄していた場所が土石流で埋まってしまい、人々が絶望の縁に陥っている時、世界が日本はもう終わりかと思っている時に、再興に向けて、命を大事にするまちづくりに熱弁を振るう、それは作者の理想とする街づくりかもと、ちょっと思いました。
そういう環境(危険地域に町や工場を作らない)を考えた街づくりは、日本でされているところがあるのでしょうか?

電気は大事ですけど、原発に頼らない、身近な町単位の発電ができる日本になればいいのにとつくづく思いました。

本の最後は、東海地震発生探知「来るぞ、しがみつけ」で終わっていたのが、私的には救われない・・・。

きっと多くの命が失われます。

とりとめのない文章でわかりにくいとも思いますが、これから読まれる方がおられたらあまりに具体的に書くのはNGですもんね。

とにもかくにも久々にどっぷりハマった本です。
読書も個人個人好き好きなジャンルがあると思いますが、この本は好みのジャンルを越えて、多くの方に是非読んでいただきたいと思いました。

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