ロイス ジャズ タンノイ

タンノイによるホイジンガ的ジャズの考察でございます。

新潟市の客

2009年07月19日 | 巡礼者の記帳
ながき日を さえずりたらぬ 雲雀かな 

新潟市は人口80万人の、対岸に佐渡の見える港から広がる街である。芭蕉は、奥の細道の帰路、七月に新潟にいた。
奥の細道を返走して一関に入った客は、以前にも男女4人で登場し、車のトランクに酒のケースをそなえて地酒の蒐集にいそしんでいた記憶があるが、音の旅にフロントガラスに過ぎる風景とジャズの蜃気楼をみて、鳥肌の浮き立つ体験を求め、ハンドルを握る季節になった。
新しく加わった『オリンパス』をマッキントッシュで鳴らしているもう一方の人は、タンノイの予想と違う音に、「わたしの鳴らすオリンパスのおよぶところではありません、当地のことがわかりました」などもらして道場の帰り口に茫然自失、『雪月花音』の旅に、だれも無上の音を探している。
『ビバルデイの冬』が聴きたいというロイヤル所有の人のためにイ・ムジチを鳴らすと、堅い音も柔らかな音も鳴っているのが不思議です、と新潟市の客達は刀を納め、地酒を小脇に「さあ、今夜はホテルで酒盛り」と申されたので、当地にはまだほかにジャズ喫茶がある、というとサッと身構えた。
酒はそれからでも遅くないのか、それとも。






コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする