ロイス ジャズ タンノイ

タンノイによるホイジンガ的ジャズの考察でございます。

弁論大会優勝者

2006年05月13日 | レコードのお話

「無口だが、弁論大会優勝者」
このような川柳を読むと、人間の奥深さがあなどれない。
無口であるが雄弁なもの...を自然界に探すと平泉の枝垂れ桜や、夏の夜の流れ星。そして、電源が入って待ちかまえている「沈黙のタンノイ」などが浮かぶ。
MS氏が特注のフィールドスピーカーの写真をくださった。だんだんユニットの数が増えて、ついに片チャンネル4個となったところに拍手をおくる。すさまじい情熱だ。なぜなら、このユニットは旧東ドイツの時代のものを探し出して8個も特性を揃えてあつらえているからで、そこまでさせる音の秘密を聴きたい。
ところでタンノイもそうだが、個室で一人で聴くのに、どうして「ウエストミンスターロイヤル」のようなおおげさなスピーカーがいるのだろうか。受け止める人間の耳の穴は1センチもないのに、である。いったいそこまでして、何を聴こうとするのか。
ちょうどそのとき登場された2万枚長者殿が、前回のことを、家に帰ってラス・フリー・マンの『YOU NAME IT』をきいて「ロイヤルとくらべて自宅のJBLの音がブリキの音に聞こえてガックリきました」とか、まさかのジョークを申されて、再び満を持して、川向うの某喫茶と当方に遠征された。ここに1センチの耳の穴についてのカギがあるのか。
「ほほ、おまえ、英語が読めるのか」少年の頃、晩飯を食べながらもジャズの英文カタログから眼を離さないこのお客に、その父親がかけた言葉だそうである。「英語を勉強せずともジャズのカタログはなぜか読めたんですヨ」と申されるが、父親はクラシックのコンサートに連れていく愛好者ながら、たまたまカウントベイシー・ライブを息子と一緒に聴いてからは、よく息子の部屋にジャズを聴きにきて気持ちよさそうに眠っておられたそうであった。
MS氏の写真の右下についに写ったのはまぼろしの是枝プリアンプ2ユニットで1台。
外にはめずらしくルノー・アルピーヌとロメオが並んだ。

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