http://gendai.net/articles/view/syakai/129575
避難が終わってから予測のオソマツ
政府の原子力安全委員会は23日、放射性物質の拡散を予測する「緊急時迅速放射能影響予測ネットワークシステム」(SPEEDI)のデータを公表した。
「SPEEDI」は、日本原子力研究開発機構(旧日本原子力研究所)が設計、開発。現在は文科省の委託を受けた原子力安全技術センターが運用している。原発関連施設や自治体が測定している放射線観測データに気象情報、地形などを加味して危険性を算出する。放射性物質の拡散範囲や量を48時間先まで予測できるとされる。5段階に色分けされた放射線が、原発から少しずつ広がる様子が地図上に表示される仕組みだ。
福島原発の事故でも、性能発揮が期待されたが、国はなかなか公表しなかった。専門家からの批判が集中したので、震災から2週間経った23日、やっとデータの公表を決めたのである。 結果は、北西と南側を中心に原発から30キロを超える地域でも100ミリシーベルトを超える被曝量があることが分かった。試算は12日から24日までずっと屋外にいたと想定。原子力安全委員会の班目委員長は、「非常に厳しい条件で算出した。屋内退避の拡大の必要はない」と言っていたが、こうしたシミュレーションは、ドイツや米エネルギー省がとっくに公表している。
「それに今回は、東電が設置したモニタリングポスト(MP)が地震で故障して使えなくなり、放射線に関するデータが入手できない状況が発生した。緊急事態の対応拠点となる福島・大熊町の『原子力災害対策センター(オフサイトセンター)』でも電気系統が壊れて機能不全に陥りました。そのため、正確なデータ収集ができず、予測もままならない状況になったのです」(経済ジャーナリスト)
原子力安全委員会は「これまでは(機器の故障などで)データが集まらなかった」(総務課)と認め、「公表時期は未定」と言っていた。肝心の時に役立たず、ようやく出してきたものも、避難した後で役に立たなかった。ホント、税金の無駄遣いだ。原発問題に取り組む環境団体「たんぽぽ舎」の柳田真共同代表はこう言った。「公表されるデータの中には、数値を過小評価し、意図的に加工したり、解釈されたりするケースもあります。4年前の新潟県中越沖地震で柏崎刈羽原発に事故が起きた際、公表された放射能モニターの数値は普通だったが、近くにあった桜の木の花びらが突然散ったため、異常が判明しました。福島原発の事故ではいまだに炉内の水圧、気圧、温度などがすぐに明確に示されません。公表数値がどこまで信用できる『生データ』なのか。そうしたチェックも必要です」
「SPEEDI」が予測を更新する頃には、日本全国に汚染が広がっていそうだ。
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SPEEDIパンフレットダウンロード
文部科学省では、国、地方公共団体等の防災関係者を対象に教育研修を実施する他、本システムを理解していただくためにパンフレット等を用意しております。http://www.bousai.ne.jp/vis/torikumi/030103.html
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政府の原子力安全委員会は23日、放射性物質の拡散を予測する「緊急時迅速放射能影響予測ネットワークシステム」(SPEEDI)のデータを公表した。
「SPEEDI」は、日本原子力研究開発機構(旧日本原子力研究所)が設計、開発。現在は文科省の委託を受けた原子力安全技術センターが運用している。原発関連施設や自治体が測定している放射線観測データに気象情報、地形などを加味して危険性を算出する。放射性物質の拡散範囲や量を48時間先まで予測できるとされる。5段階に色分けされた放射線が、原発から少しずつ広がる様子が地図上に表示される仕組みだ。
福島原発の事故でも、性能発揮が期待されたが、国はなかなか公表しなかった。専門家からの批判が集中したので、震災から2週間経った23日、やっとデータの公表を決めたのである。 結果は、北西と南側を中心に原発から30キロを超える地域でも100ミリシーベルトを超える被曝量があることが分かった。試算は12日から24日までずっと屋外にいたと想定。原子力安全委員会の班目委員長は、「非常に厳しい条件で算出した。屋内退避の拡大の必要はない」と言っていたが、こうしたシミュレーションは、ドイツや米エネルギー省がとっくに公表している。
「それに今回は、東電が設置したモニタリングポスト(MP)が地震で故障して使えなくなり、放射線に関するデータが入手できない状況が発生した。緊急事態の対応拠点となる福島・大熊町の『原子力災害対策センター(オフサイトセンター)』でも電気系統が壊れて機能不全に陥りました。そのため、正確なデータ収集ができず、予測もままならない状況になったのです」(経済ジャーナリスト)
原子力安全委員会は「これまでは(機器の故障などで)データが集まらなかった」(総務課)と認め、「公表時期は未定」と言っていた。肝心の時に役立たず、ようやく出してきたものも、避難した後で役に立たなかった。ホント、税金の無駄遣いだ。原発問題に取り組む環境団体「たんぽぽ舎」の柳田真共同代表はこう言った。「公表されるデータの中には、数値を過小評価し、意図的に加工したり、解釈されたりするケースもあります。4年前の新潟県中越沖地震で柏崎刈羽原発に事故が起きた際、公表された放射能モニターの数値は普通だったが、近くにあった桜の木の花びらが突然散ったため、異常が判明しました。福島原発の事故ではいまだに炉内の水圧、気圧、温度などがすぐに明確に示されません。公表数値がどこまで信用できる『生データ』なのか。そうしたチェックも必要です」
「SPEEDI」が予測を更新する頃には、日本全国に汚染が広がっていそうだ。
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