サッカールーの何でもござれ

サッカーとオーストラリアに関するサッカールーのエッセイです

サポーターの暴力行為

2014-01-03 13:10:52 | Weblog
Jリーグでもたまにあるが、サポどうしの衝突でクラブがリーグから制裁を受けることがある。ヨーロッパなどではもっと過激である。Aリーグでもウエスタン・シドニー・ワンダラーズのサポ、特にウルトラスの連中の評判が悪い。ホームでの試合後に対戦相手のサポとパブなどで衝突して警察のご厄介になることもよくあるし、ホームでの試合には警察の警備がけっこう厳重になりつつある。それでもスタジアム内は民間の警備員が立っているだけで、ワンダラーズのホームゲームには小さい子供もお年寄りもかなり多いので、まあ牧歌的ではある。クラブ創設2シーズン目ではあるが、いまや会員16500人というリーグ一番の人気クラブである。

しかしウルトラスのお行儀は悪い。それがかなり度を越してきた。12月28日のメルボルンでのメルボルン・ヴィクトリー戦の試合前にメルボルン市内の路上でサポどうしが衝突して、かなり暴動のような雰囲気だった。この暴力行為に対してリーグは両クラブに対して現在の勝ち点から3ポイントを減点するという制裁を発表した。まだクラブからの反論を待っている段階だが、多分そうなるように見える。

サポの書き込みを読んでいると彼らの最大の疑問は、試合前のスタジアム外での暴力行為は警察の取り締まり対象であって、クラブに責任はなくクラブに制裁を科すのはおかしいということだ。サポどうしの衝突はある程度予想がついたので、警備を強化していれば大きな騒ぎにならずに済んだという主張である。

一見もっともなように聞こえるがそうだろうか?

そもそも暴力行為を引き起こしたウルトラスはクラブを応援するという共通項で結び合っているわけで、クラブから認知されない、あるいはスタジアムへの入場禁止などの予防措置をしていれば、暴力行為は防げたかもしれない。それに一般人からみれば暴力集団とでも呼ぶべき集団をかもし出したのはクラブである。

昨シーズンの始まり頃にワンダラーズのホームゲームを観戦してまず驚いたことはウルトラスの異様な盛り上がりだった。シドニーにはシドニーFCという別のクラブがあるが、そこのウルトラスはさほど過激ではないし、ゴスフォードというシドニー北方車で1時間半くらいにある田舎町にセントラル・コースト・マリナーズのウルトラスは子供が中心のようなものだ。

Aリーグができて10年ほどであるが、前身のナショナル・サッカー・リーグはかなりエスニック色が強いクラブが多く、サポ同士で必ず人種間衝突があった。だからオーストラリアでは代表を除けばサッカークラブはユーゴ系、イタリア系、ギリシャ系などの移民のクラブと認識されていた。

ワンダラーズのウルトラスがどの程度エスニック色があるのか分からないが、少なくとも子供連れやお年寄りのサポとは全く違う連中だということは人目で分かる。

今回のリーグからの制裁を契機にしてワンダラーズのクラブフロントは、ウルトラスの危険分子を排除すべきだ。

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