怠慢主婦 ドイツで同居 

日本食を食べなくなり義両親のしもべと化し、すでに何年になるだろう。遠い目しながら今日も行き抜いてやるぞっ

野蛮な食卓

2015年06月01日 | 頑張って食べる
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夫がいる週末の昼食。

一番上はシュペッツレ。これは夫用。いつもはスパゲティなのに、義母は混ぜるのにちからが必要なシュペッツレをわざわざ彼だけのためにこしらえたんだ。おじさんになっても息子は息子、かわいんだろうなぁ~。
その下の鍋は鶏肉のカレー。義母愛用の何十年も使っているカレー粉入れに、私は秘かに日本某有名メーカーのカレー粉を混ぜておいたんだ。すると、義母のへたくそだと思っていたカレーが劇的においしくなった。
以前のブログに「義母のカレーは黄色いホワイトソース」と書いた覚えがある。それくらい不味かったんだ。
義母のカレー技術は決して下手なわけではなく、ここで販売されているカレー粉のレベルが低いだけと判明した。
カレー鍋の右隣は義両親用米飯。この世でもっとも不味い品種の米。袋に入っていて、そのまま茹でられるという便利な製品らしい。茹で上がると、義母はバターと塩で味をつける。
下のサラダは白菜と自家製ルッコラ。庭に植えることを許された今のところ唯一の私の作物だ。

私の皿。黒米入り米飯。鶏肉カレー、サラダ、皿の下方は昨日の残りの野菜の煮物。冷凍野菜をどろどろになるまで煮込むのさー。中華のようなしゃきしゃきの状態に野菜を炒めるのは欧州の伝統料理にはない。
ふと、隣の義母の皿を見ると、鍋が平皿の上に載っていた。

ぎゃー。ワイルドっ。
スープ皿を汚すのはもったいないと思ったのだろう。食卓の皿に鍋をドーンと置くところ、昔々の荒っぽい西洋の食卓の記憶が甦るのだろう。
南米生活で、ホームステイ先の14歳の女の子がナイフが足りないので包丁を持ってきて食卓で使っていたことがあった。南米は欧州からの移民文化で出来上がっている地域だ。遠い先祖が食卓上のでっかい肉塊を素手で掴んで包丁で切っていた記憶がこの14歳にも残っているのだろうと感動したものだ。

「今日は何ケーキを作ろうか」と義母が私たち夫婦に尋ねた。
答えのない私の代わりに夫が蚊の泣くような声でぼそぼそ言ってた。私は聞き取れなかったけれど、義母ケーキに興味ないのでそのままにしておいた。

出来上がったものを見て、うっ、となった。
ケーキじゃあない。私は数週間前からパイ生地に野菜や煮豆をはさんで焼いたものを夫にせっせと食べさせていた。
彼は中身がチーズのそれを食べたかったらしい。私は乳製品の摂取しすぎを回避するためにせっせと野菜や豆を食べさせていたのにぃ・・・
義母は自分の好みのこれを作ることができて大喜びだっただろう。ヨメに勝った、とも思ったかもしれないぞ、ぶっほー