怠慢主婦 ドイツで同居 

日本食を食べなくなり義両親のしもべと化し、すでに何年になるだろう。遠い目しながら今日も行き抜いてやるぞっ

私利私欲

2008年09月13日 | 風景
2,3年前だったろうか、NHKの番組でエネルギー問題か何かのテーマで、ドイツの風力発電の様子をみたことがある。

50歳くらいのビール腹のおじさんが一千万円かけて作ったという風力発電機を前に、取材に答えていた。
「うれしいですよ~、これで稼げると思うと~」
個人が作った電気を、電力会社が買い取る、ということで急速にドイツでは広まっている、ということだった。
先日、実家に電話したときも、再び同じような番組をやっていたようで、日本でドイツのこんな状況は皆知っていることとなっているのだろう。




これは家のポストに入っていた広告。
太陽光発電機の宣伝だ。
うちは先月に取り付け済みなのに(こちらにその記事)チラシ配りのバイトの子供は屋根まで見ないで一心不乱に配っていたのか知らん。

中心あたりの3行の宣伝文句がおもしろい。
電気代節約
お金を稼ぐことができる。
おまけに環境にいい。

「おまけに」というのは少々私の感情がこもった訳なのだが、あながち外れてはいないと思う。
一般消費者は「環境のため」にではなく、いろいろ計算して自分が特になる、と結論が出ると、購入を決定するようだ。
少なくとも、義父母はそうだ。
彼らの口から「節約・節制」の言葉は出ても、「地球を守ろう」という意見は一回も聞いたことは無い。

太陽光発電機を設置してから義父は毎日「今日はいくら稼いだか」を記録しているようである。
「雨天でも20パーセント稼動している~
と、うれしそうに家族に報告しているのを見ると、日本の「ドイツ環境先進国信望者」たちが哀れに思えてくるものだ。

ところで、ここ周辺は内陸で良い風がないせいか、日本のテレビで紹介されるような白くて大きい風力発電機はめったに無い。
ここから、ミュンヘンに向かう高速道路から一基みたことがあるだけだった。

2週間ほど前、普段行かない別の集落に向かって散歩していると、肉眼では確認しづらいはるかかなたの森の端に白い巨塔が。

う~ん、発電機か・・・
双眼鏡を持ち歩くことは無いが、カメラは持ち歩く私。
画像サイズを最大にして、発電機がうっすらと見えるあたりを撮影して、拡大してみると・・・・



やった!
見つけたぞ~
ちょっとした投資で稼ごうという意欲満々のドイツ人がここにもいたことがうれしい。
(いや、1000万円はちょっと、勇気がいるか・・・)



それにしても、人里はなれた野原の中。
広大な土地の所有者か?

ペットボトルの保証金もそうなのだが、人は利益が無いと動きにくいと思う。
「地球環境のため」
などというなんだか情に訴えるようなやり方では人々はついていかない。

「こんなふうに得をします」
って、やったほうが効果があって、ドイツはそれを証明しているのだと思う。

日本のスーパーのレジ袋の代わりのスタンプ20個で100円の商品、っての、好きだったな。



ちょっとテーマから外れるけど、これは近所の家具屋の広告。
右の5ユーロの割引商品はなんと、蚊帳。
ここにはめったに蚊なんていないのだけど・・・
(むしろ、布団の中にはダニがいることがある、と知った私・・・とほほ
少なくとも、殺虫剤を使うよりは人の健康に影響しないだろうな。
数年前に喘息を患った私、蚊帳を見るとそんな発想をしてしまう。