怠慢主婦 ドイツで同居 

日本食を食べなくなり義両親のしもべと化し、すでに何年になるだろう。遠い目しながら今日も行き抜いてやるぞっ

レディファースト

2008年07月31日 | 
欧米の男性は「レディファースト」の習慣がある。
と、読んだり聞いたりしていたものだ。
まあ、そうじゃない人もいるだろう、とも思っていた。

で、夫と付き合い始めてから、彼はその、そうじゃない人だとわかった。

一緒に街を歩くとき、どうしても彼のほうが歩くのが速いので、一列になってしまう。
私が後ろに付いて、街を歩くのだ。

彼はかばん類を持つのが好きではない。
買い物をしていて、だんだん荷物が増えると、なぜか、私ばかり大きな袋を抱えることとなる。

大きな荷物を持った小柄なりすが、ほとんど小走りでヨーロッパ人男の後を付いて歩くのだ。
秋葉原や横浜、町田、新宿、いろいろなところを一緒に歩いたものだ。
「なんか、変だぞぉ」
とは思ったものだが、まあ、ここは日本、いいんじゃない、と私は納得していた。

そんな私たちをを見た日本の人々も学んだはずだ。
「欧米人は女を使用人のようにして歩く」
こんな風に書いていると、みっともないことをしたものだ、と反省している。

さて、ドイツ入りしたりす。
夫は相変わらず私より歩くのが速いし、荷物を持つのが嫌いである。

毎週末、私たちはプールに行くのだが、飲み物や弁当、タオルや本などで3,4個のかばんができあがる。
私は当然のようにそれらの荷物を全部持ち、ちっちゃいショルダーバッグを小指にぷらぷら引っ掛けた夫の後に続いて玄関を出ようとした。

「シュトーップ!!」
シュトップ、ってぇ~、それ、ドイツ語ぉ~?なまんないでよぉ~
ス、ストップでしょ、お義母さん~
などと思いながら、振り返ると、仁王立ちの義母が睨んでいる。
ああ、この仁王立ち、やめてくれない~?
怖いんですけどぉ~

「なんで、りすがそんなに荷物を持って、あなたは何にも持たないの?!」
と、義母は夫に叫んだ。

なにやらむにゃむにゃ言い訳した夫は、仕方ない、という表情で私の荷物を少し持った。

義母は私たちが散歩に出かけている様子も観察していたようで、ある日、夫に言った。
「一列にならないで、ちゃんとりすと並んで歩きなさい」
日本での生活スタイルがそのままここでも自然と出てしまい、わたしは夫の後ろを歩くのが癖になってしまっていたのだ。

ほとんど無意識に夫の後ろについて歩く習慣が身に付いてしまったのだから、そう簡単に横に並んで歩けるものではない。
私はすぐに後ろになってしまう。
すると、夫は、
「母に叱られますから、横に来てください」
ううううぅぅぅ~
叱られるから、横に来いってぇ~!?
かなたに見える家の窓から、義母が覗いているのを想像した。
まあ、仕方がない、こんなことぐらいで叱られてもかわいそうだ。
で、夫は少々ゆっくりと歩くようになり、わたしは横にくっついて歩くようになった。

ドアの開閉、コートの着脱、など、記憶にある限りやってもらったことはない。
エレベーターもさっさと夫が乗り、混雑していて小さい私が見えないと、そのまま行ってしまったりする。

今の日本の若い男性が、レディファーストのかけらもないような行動を彼女にしたら、やばいだろうな~。

夫も、私だからよかったものの、他の日本女性と付き合ったら、その人、理解に苦しみ夫に尋ねたかもしれない。
「レディファーストという言葉はドイツにはありませんか?」

今でも相変わらず、うっかりすると私が大荷物を持って、夫の後をふらふらしながら付いて歩くのをやってしまうが、私はそんなに気にしていない。

自分でもわからないのだが、何かほかの部分でレディーファーストされているような部分があるのだと思う。
マナー本に書かれているような具体的な行動様式でなく、ほかの、何か。

ヨーロッパ人もできないレディファースト、日本男児が努力してまでやらなくてもいいのでは?
お姫様扱いされるのは気持ちいいけど、それだけでは長い関係は続かないような気がする私。


写真は、家の中で力尽きてお亡くなりになったハエ。
庭にもたくさんのハエがいる。池にはハエが水を飲みに来ている。
ハエだらけのドイツの夏~




パン屋に蜂が10匹くらいいた。
まるで、お花畑にいるようだった。
蜂たちは、砂糖などが振ってあるパンに一匹一個づつ割り当てられているようだった。
熱心にパンをなめなめしていて、人間の様子など、全然気にしていない。
カメラを持っていたのだが、店員がうろうろしていて、蜂よりわたしを追い払いそうだったので、あきらめた。