これは義姉の長女、P子ちゃん生後6ヶ月ごろの写真。
この頃、私は夫と婚約して、ここの家に挨拶に来ていた。
夫に少々ぎょっとする報告を聴かされた。
ヨーロッパには、なぜだかまだわからないのだが、名前をいくつも付ける習慣がある。
P子ちゃんもP子のほかに2つの名前を持っている。
その一つ目は彼女のひいおばあさんの名前、オルガ。このオルガさん、義父のお母さんで、1970年代に60歳代で亡くなっている。
で、もうひとつ、私の名前、を付けた。
ええ~!
どうして~!?
私はうろたえた。
婚約はしたけど、結婚するかどうか、まだわからないじゃないか!
当時、私の実家の状況、夫の転職など、難題があった。
また、夫本人も転職騒ぎでかなり精神的に参っていて、小さいどうでもいいことでも私に当たるようになっていて「こんな弱い人で、大丈夫なのか・・・」と真剣に婚約破棄を考えていたものだ。
P子ちゃんは自分の名前の由来について、質問するだろう。
「オルガはひいおばあちゃんよ」
義姉は答えるだろう。
P子「じゃあ、”りす”はだれ?」
義姉「ああ、ハーゼ叔父さんの日本人の婚約者だったのだけど、逃げられたのよ~」
こんな会話がなされるのを想像しつつ、不安になった。
そんな余計な名前、本人がかわいそうだ!
公的なあらゆる書類に叔父の逃げられた女の名前が付きまとうのだ。
ドイツは名前の変更手続きは面倒なのだろうか、心配だ、かわいそうに、P子!
と、当時とそれから数年はわたしは心を痛めたが(もしかして、義姉も不安だったかもしれない)無事に嫁に来たので、この問題はひとまず終わった。
まあ、離婚の可能性も絶対ないともいえないが、離婚率50パーセントのドイツ、
「叔父の離婚した女の名前」
をもっていたところでさして問題はなかろう。
「叔父の逃げられた女の名前」より上等だ~!
P子ちゃんの両親は法律上の婚姻関係はなく、ヨーロッパ流行の事実婚である。
詳しい仕組みは知らないが、P子ちゃんの名前はこうなのだそうだ。
P子 オルガ リス お父さんの姓 お母さんの姓
・・・・
なんと、オスカルさまより長々しい名前・・・
名前に負けず、いい子に育ってちょうだい、
私の名前も持っていることだし~
下は、先日P子ちゃんに描いてもらったもの。
P子ちゃん、ただいま6歳と半年・・・
日本の標準の子供のよりかなり稚拙なような~
がんばれ、P子!