飛耳長目 「一灯照隅」「行雲流水」

「一隅を照らすもので 私はありたい」
「雲が行くが如く、水が流れる如く」

漢字記憶法

2024年05月27日 05時46分25秒 | 国語科
漢字指導法も人それぞれである。
効果があればどの方法でもかまわないと思う。
しかし、出来ればより効果のある方法を採用した方が子どもたちにとっても教師にとっても望ましいことだ。

ひとつの方法として「つがわ式漢字記憶法」がある。
「どうしてこんなに漢字がかけるの?」
「なんだかよくわからないけど、漢字が書ける」
こんな感想を子どもたちもつとしたら誰でも取り入れたいと思うはずである。

方法は次のようになっている。
「つがわ式漢字記憶法」は津川博義氏が考案した記憶法である。
次のような特徴がある。
1 その漢字を思い出すためのきっかけとなる一部分のみをきっちり覚える。
  その部分に赤〇をつける。
  他は覚えない。

2 繰り返し何度も練習しない。
  〇をつけたら漢字を見ないで、1回書いてみるだけ。

3 忘れてから覚え直すのは大変だから、覚えているうちに繰り返して練習する。
 【漢字学習の鉄則】
 ・練習は忘れる前にする
 ・テストは忘れる前にする
 〇それはなぜかと言うと「エビングハウスの忘却曲線」にそのことが表れている。
  グラフは、横軸が時間、縦軸が節約率になっている。
  この節約率という言葉はあまりきいたことがない。
  節約率というのは、もう1回同じ事を覚えるのにどれくらいの労力を節約できるかという割合を表している。
  例えば、20分後には節約率が58%であったとすると最初の42%の労力で同じ事を覚えることができたということ。
  1時間後には、節約率が44%であったなら、最初の56%の労力で同じ事を覚える事ができたということ。
  1回覚えてしまえば、もう1回覚えなおすのは最初よりも簡単になる。
  最初に覚えてから時間がたてばたつほど覚え直すのに必要な労力が増えていくということ。
  だから先の漢字学習の鉄則が効果的になる。

  もう少し具体的に子どもたちに言う。
  1日後には、節約率が34%である。
  ということは漢字5個を覚えるのに8分かかったとした場合、1日後には5分くらいで覚え直しができるということ。
   8×0.66=5.28
  すると前回と同じ8分練習をするとする。
  新しい漢字を3個覚え、昨日の漢字3個覚え直しができるということになる。

練習方法は次のとおり。

①授業で1時間「つがわ式漢字記憶法」を紹介し、やり方を説明する。
 特に、どんな部分に〇をつけるのかを説明する。
 〇は赤でつけることにする。

②漢字を見て覚えたら、一番覚えにくいところ、間違えやすいところに赤〇をつける。
 ※これが最大のポイントかも。

③赤〇をつけたら、すぐに漢字をかくして右側に練習欄に書いてみる。

④書けたら次の漢字へ進み、書けなかったらもう一度漢字を見て、右端の欄に練習する。

⑤こうして5つの漢字をすべて覚えたら、裏側の左側の欄に、5つの漢字を書いてみる。
 もしも書けなかったら、漢字と〇の部分をもう一度見て覚える。

⑥寝る前に、裏側の真ん中の欄に5つの漢字を書いてみる。
 もしも、書けなかったら、漢字と〇の部分をもう一度見て覚える。

⑦翌日、登校してから書き取りのテストを行う(右端の欄)

⑧間違った漢字を、1回練習して提出する。

saitani

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