飛耳長目 「一灯照隅」「行雲流水」

「一隅を照らすもので 私はありたい」
「雲が行くが如く、水が流れる如く」

いじりといじめ

2023年10月06日 07時33分33秒 | 道徳科
子どもたちの人間関係は学級経営においてとても大切なことは担任なら誰しも理解できる。
学級内のトラブルは、人間関係が原因だ。
すべてここに起因すると言ってもいい。
では、その人間関係を良好に保ち、トラブルを回避するにはどうしたら良いのか。

まず、子どもたちに常々こんな話をする。
しかも繰り返し。

友達と仲良くやっていくことはとても大切なことはみんな理解していると思います。
しかし、ただ一緒に生活しているだけではトラブルは避けることができません。
そのコツを教えます。

友達トラブル未然防止
1 物の貸し借りはしない
2 陰口を本人に伝えない
3 そもそも陰口を言わない
4 じゃれ合いから喧嘩になることがある
5 友達の前で内緒話をしない

このことに気をつけるだけでも深刻なトラブルは回避できる。

4年生の道徳に「いじりといじめ」という題材がある。
子どもたちの身近な問題であり、実際にどの学級でも起こりうる事だ。
むしろ必ず起こると考えていたほうがいい。

発問
自分がされていやなことは他人にしない。
このことは正しいか。
正しいと思う人は◯、正しくないと思う人は✗とノートに書きます。

全員◯と答えるだろう。

発問
自分がされていやなことは他人にしない。
これは正しいのですね。
では、自分がいやだと感じなければ、他人に何もしてもよいのですか。
良い ◯
良くない ✗

このへんな多少意見が分かれるかもしれない。
自分がいやと感じなければいいと主張する子もいるだろうし、自分が平気でも人が嫌がることはしないと考えるこ子もいるだろう。

以前の価値観では、自分がされていやなことはしないという考え方で通用したが、今は違う。
価値観が多様化して、一元化されていないからだ。
たとえば、あだ名で呼ばれることを気にしない子もいるが、気にする子もいる。
自分のものを触れても気にしない子もいるが、気にする子もいる。

現代では、子どもたちに話をするときには、少なくとも自分がされていやなことはしないのはもちろんだが、自分がされていいことも、常に他人の心情に寄り添い、想像しながら行動すべきだと、ここまで指導をしておく必要がある。

発問
自分が人に言われたり、されたりして嫌な気持ちになることがどんなことがありますか。

・陰口を言う
・暴力を振るわれる
・仲間はずれにされる
・時間を守ってくれない
・呼び捨てにされる
・トカゲを飼っていると気持ち悪いと言われる
・犬や猫が嫌いだというと変だと言われる
・ピーマンや人参が大好きだと言うと変だと言われる

発問
同じことをされたり、言われても嫌だと感じる人もいれば、嫌だと特に感じない人もいます。
それはなぜだと思いますか。

・価値観が違うから
・育ってきた環境が違うから
・人によって好みが違うから
・人によって考え方が違うから

発問
自分は呼び捨てにされてもなんとも思わないから、自分は人のことを呼び捨てにするという友達がいます。
あなたはこの意見に納得できますか。

□納得できる
・反対意見の人数が少ないないのなら呼び捨てにされても我慢すべき

□納得できない
・一人でも嫌な思いをするなら言ってはいけない
・自分本位ではなく他人本位でなくてはならない

発問
いじりといじめの違いには、人間関係が大きく影響します。
どんな人間関係の違いがありますか。
いじりは◯◯だけど、いじめは◯◯な関係というようにノートに書きます。

・いじりには相手に対する思いやる気持ちがあるけど、いじりに思いやりはない
・いじりには信頼関係があるけど、いじめには信頼はない
・いじりには相手を持ち上げようとする意識があるけど、いじめにはない
・いじりは同じことを相手にできるけど、いじめは一方的になる
・いじりは平等関係でいじるけど、いじめは上下関係でおきる

発問
いいいじり、悪いいじりはあると思いますか。

・ある
人間関係ができていればいいじり
・ない
いじりはすべていじめに通じる

説明
健全はいじりとは次のような条件にあてはまるものです。
1 互いが対等である。
2 互いにやりとりの同意している。義務感ではなく、積極的に同意している。
3 互いが互いに自発的に尊重している。信頼関係、リスペクトしている。

発問
では、この条件をあてはめてふたつのいじりを比べてみよう。
1 芸人さんのいじり
①芸能人として対等関係にある。
②事前に打ち合わせ等をして同意した上でやっている。
③芸人同士で信頼している。

2 教室内でのいじり
①互いが対等とは言えない人間関係が読み取れる
②相手の同意は得ていない。偶発的な出来事。
③信頼関係があるとは思えずバカに日常的にバカにしていることが想像できる。

発問
では、確認しますが悪いいじりとは何ですか。
1 いじる側がいじられる側を見下している。上下関係にある。
2 いじられる側が、孤立したり、本当はやりたくないにもかかわらずされている。
3 信頼関係が欠如している。

発問
よいいじりと悪いいじりがあると言いましたが、本当によいいじりはありますか。
ある、ないと書いてその理由を発表します。
【ある】
・仲良くなればいじることはコミュニケーションのひとつとなる。
・本人も納得していればよいいじりとなる。

【ない】
・いじりは常にいじめに発展する危険性がある。
・人間関係は変化するので、最初は信頼関係があってもなくなることもある。
・集団の人間関係は同一ではないので、いじっていい人といじってはいけない人が教室内に存在する以上、基本的にいじりは禁止。

発問
では、最後に不当ないじりを受けたときにどう対応すればいいと思いますか。
・相手と距離をとって生活する。
・不当な扱いをうけたときには断固として拒否する。
・堂々と乗っかることもある意味一つの方法。
・いじられないような雰囲気を教室内につくる。

saitani



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