飛耳長目 「一灯照隅」「行雲流水」

「一隅を照らすもので 私はありたい」
「雲が行くが如く、水が流れる如く」

楽をして人と仲良くなれるか

2023年07月08日 13時47分39秒 | 学級経営
努力をしないで何かを成し遂げることができるだろうか。
我慢をしないで、目標を達成することができるだろうか。
自己の成長なしに、よりより生活をおくることができるだろうか。
答えは、否である。

楽をして何かをえられることは極めて少ない。
子どもたちの人間関係を同じことが言える。
何ら自分で努力したり、成長したりすることなしに友だちに認めてもらおうとしている。
もちろんありのままの子供の姿は美しい。
それは、無邪気という純真さであったり、自分では意識しないで何か集中したりする姿だ。
しかし、小学校における同年代の子供同士が、楽をしてよい友達関係を築くことは難しい。
ある意味、学級という集団は同年齢集団で構成された特殊な環境だ。
やがて、子どもたちも社会に出れば、異年齢集団の中で生きていくことになる。
学生が社会人になってまず戸惑うことは、すべて自分よりも年上の集団や組織に中に放り込まれるということ。
しかも、その年齢差は40歳近い。
自分の親よりも年の多い人間と上手くやっていかなければならない。

学級の中で友だちから人望のある子や仲間から信頼の厚い子には共通点がある。
それは次のような表れが見られるということ。

1 自分から友だちに声をかけている。
2 誰に対しても基本的に態度を変えない。
3 あいさつがしっかりできる。
4 笑顔が多い。
5 人が困っているときに助けてあげることができる。
6 人を待たせることが少ない。
7 素直に自分の過ちを謝ることができる。
8 嫌なことがあっても我慢することができる。
9 人のことをよくほめている。また、応援している。
10 人のうわさ話や人を評価するような話はしない。
11 人の趣味をけなさず大切にしている。自分と趣味が違ってもけなさい。
12 安心領域からでることができる。何かに挑戦して失敗を怖れず、自己変革を図っている。

まだ、考えていけばたくさんある。
これらのことはけっこう大変なことだ。
自分が声をかけるにも勇気がいる。
好き嫌いなく、平等に人に接すことも意識しなければできない。
しかし、それができる子がいる。
その子は、小さい頃から家庭では親から、学校では教師から繰り返し、このような価値観の大切を言われ、そのことを実行してきた。
だから、意識せずにできるようになった。
習慣になったことはつらいとか、疲れるとか、そういう感情は湧いてこない。
だから、今できている子もはじめは苦労してこれらのことを獲得していったのである。
決して、生まれつきとか、楽をして身につけてきたわけではない。

人間の成長のために絶対に必要な素養は、素直であるということ。
これは、時代を経ても変わらない普遍的な性質である。
素直な子は、ある意味得をしているのである。
もちろん、全然できていない子も失望することはない。
今から、頑張っていけば少しずつ身に付いていく。

子どもたち伝える必要がある。
楽をして人と仲良くなろうと思っていてもそんな都合のいい話はないということを知っておいてほしいことを。

saitani