三木奎吾の住宅探訪記 2nd

北海道の住宅メディア人が住まいの過去・現在・未来を探索します。
(旧タイトル:性能とデザイン いい家大研究)

【長時間に耐える疲れない運転マナーを】

2018年10月20日 08時29分49秒 | Weblog
わたしは小学生のころ10才上の兄の運転するクルマに同乗して以来、
クルマとの付き合いは約60年近くになる。
18才の運転免許取得可能年齢になったら即取得しました。
で、学生時代には運転手のアルバイトをずっと続けていた。
大学卒業後勤めることになった会社では、入社試験代わりに出張に同行して
社長の運転手を務めていたりもした。
慣れていたので、「安全運転で行きますので、よろしくお願いします!」と
物怖じもせず社長にきっぱり宣言してからハンドルを握った。
まぁなんとなく自己主張せずにハンドルを握ったりして
助手席にいる上司に気を遣ったりすることがあるとキケンだと思ったワケですが、
運転すると言うことは「命を預かる」ことでもあるので、
それくらいの自己宣言することは安全上の必要があると思いました。

そんな若いときからの運転歴ですが、
たぶん戦後の社会で多くの人が同じような経験をしてきたことでしょう。
そんなクルマ運転への空気のようなフツー感覚があって、
仕事でも移動することが前提になる仕事の作り方に
まったく抵抗がないというか、ごく自然にそのような選択をしてきている。
たいへん広域な北海道とか、東北全域といった事業サイズでメディアを構想し
相当大きな移動スパンを前提にして事業を考えてきた。
という次第で、クルマの運転に対して強い疲労感は持たなかった。
ある時期までは1日移動距離500-600kmというのは苦にしていなかった。
ところが、50代はじめのあるとき、
東北道・長者原PA手前でアタマがふらふらしてきた。
どうやら貧血っぽい症状があらわれて、高速運転ができなくなった。
20-30km程度の運転がやっとで、ようやくたどりついた長者原PAで仮眠した後、
すぐ近くの東横インにチェックインして倒れ込むように休んだ。
それ以来、1日走行距離の限界を400km程度と算定して、
それ以上の長距離・長時間運転は避けるようにしています。
今回、仙台から一番遠くではむつまで走ったのですが、
この距離が大体400km程度になる。ギリギリとは思ったのですが、
やはり前述のような経験があるので、時間が遅くなってきたこともあって
300kmを超えるようになってからは、PAで周辺ホテルを探したりしていました。
こういう体験はトラウマのように自分を追い詰めてきますね。
まぁなかなかホテルが見つからず、なんとか、仙台まで到着もして
問題はなかったのですが、やはり年なので、ゆとりのあるスケジューリングをと
反省しております。ちょっと長すぎ・・・。
でも久しぶりの長距離運転しているウチに、
ようやく「疲れない走り方」を思い出してきていた。
それは、トラックとペースを合わせて後続していく、というもの。
大体長距離運転がフツーのかれらは、スピード選択も間違いが無いし、
きちんと休憩もしっかり取っていますね。
おかげさまで、帰りの仙台までは比較的ラクに運転しておりました。
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【地域工務店にニューウェーブ時代】

2018年10月19日 09時00分01秒 | Weblog
わたしは北海道が生み出した「高断熱高気密」という日本の「住宅革新」の
その最前線での胎動をウォッチして、ユーザー視点として
この動向がすばらしいと確信し啓蒙的な内容も心がけて住宅情報を発信しています。
こうした北海道での住宅革新の動きはさまざまなカタチでいま、
全国の家づくりをも大きく変革してきていると思います。
これまで「温暖地」ではこうした高断熱高気密技術に対して否定的な態度で接する
一定の傾向が存在してきました。
基本的には「気密なんて息苦しい」「自然素材の方がユーザーニーズが高い」
みたいな意味不明な流れが確実に存在していた。
こういった高断熱高気密技術への無理解・誤解を対置するという傾向は
しかし、いま大きく音を立てて崩壊しつつあると思います。
ユーザーは確実に高断熱高気密技術が生み出す「いごこち」品質を正確に感得し、
その圧倒的メリットを、はじめは徐々にやがて奔流のようになって求めてきている。

そういった大きな革新の流れのなかで、
日本各地で地域工務店の「地域一番店」型のニューウェーブが現れ始めている。
この技術革新がはじまり、大きく市場環境が変わった北海道では
地域工務店が高級住宅でも大手ハウスメーカーとまったく互角以上の勢いで
市場を席巻し、市場の7割を占める状況になっているけれど、
日本各地でも、こうした動向がかいま見えるようになって来た。
写真は、青森県・むつ市で注目を集めている菊池組さんの最新住宅事例。
伝統的社寺建築にルーツを持つ地域の老舗企業だけれど、
こうした高断熱高気密の技術革新の流れに積極的に身を投じて
さらに全国の家づくりの企業群と技術・デザイン交流を積極的に図って
まさに「地域一番店」という位置に評価されるような存在になってきている。
こちらの住宅では、基本的に高断熱高気密技術が背骨を支えながら、
しかし、ユーザーの「高品位」空間志向に対して
さまざまな手法、素材探究、デザイン提案で
逸品生産的な注文住宅らしい丹念な住宅の仕上がりになっている。
基本性能、ディテールの選択、仕上げ表現の奥深さなど、
イマドキの感度の高い住宅ユーザーの志向に応える家づくりをしている。
しかも、圧倒的に「若い」(笑)。
わたしどもReplanは、北海道から始まって全国各地で雑誌+WEBを通した
「地域住宅発信」をしていますが、こうしたニューウェーブが確実に芽吹いている。
「いごこち品質」をコントロールできる技術を持ち、なお、
ユーザーの暮らしの高品位化欲求に応えられる地域の優良な作り手を
大いに情報発信で掘り起こし、地域に深く伝えていきたいと考えています。
なお、この住宅の詳細についてはReplan青森、12月発売号でご紹介する予定です。
ぜひ、雑誌+WEBでご覧ください。
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【本州最北端シティ・むつで食す海峡サーモン】

2018年10月18日 06時49分00秒 | Weblog
きのうは朝、青森県三沢市を出発して一路、最北端のむつ市へ。
面談案件が2件あったのですが、
しかしむつ市はもっとも「近隣」といえる都市・三沢からでも
ゆうに2時間ほどはクルマを走らせる必要がある。
なかなか青森県内でも独特の地域特性で
そこそこに関係づけられるのは県庁所在地・青森市くらいで、
八戸といった県南地域とは、まったく隔絶感がある。
むしろ、このむつからクルマを1時間走らせれば津軽海峡に出て大間に至る。
そこからはフェリーが函館までの航路が1時間ほどであるので、
青森に行くのも函館に行くのもそれほどの違いが無い。
そちらの方に地域的近隣感があるようにも感じられます。
わたしも来たのは今回で4回目くらいになるでしょうか。

で、仕事のことはそれとして(笑)
訪問させていただいた菊池組・菊池さんにご案内いただいた食事であります。
「アグレアーブル」さんというお店。洋風料理店ですね。
前菜でもこいつがナマっぽく出てきていたのですが、
メインのスパゲティでも真ん中にドーンと「横断」して出てきた(笑)。
まさに両岸、北海道と青森県を仕分ける津軽海峡のサーモンであります。
サケの食文化は津軽海峡を挟んでのこの両岸地域で盛んだけれど、
そこはやはり圧倒的に情報量で北海道が本場感がある。
そういう世評に対して「ちょっと待った」という「横断」ぶり(笑)。
大間のサケも忘れられたら困るぜ、という主張が
このイタリアン料理には精一杯表現されているかのようです。
で、サケという名前を使わずに「海峡サーモン」という
まったく独自のネーミングで勝負してきた。おお、であります。
こういう「勝負感」は応えられませんね、全力で舌で味わわせていただきました。
ナマっぽい方もしっとりとした食感であって、しかも
さわやかな風合いが口の中いっぱいに広がってくる。
一方、こちらのスパゲティの上のヤツはナマっぽい色合いなのに
中はしっかりと火が通っていて、サケの肉身がほどよくほぐれてくる。
日本人がサケを大好きなのは、たぶん北への憧れがまずあって、
そしてこのきれいさっぱりと肉身が小気味よくほぐれるのが心象にここちよいのでは。
写真で見るとサーモンの上の方から来た人間ですが、
どうも完全に1本取られた美味でありました。
きっぱり、津軽海峡サーモンの本場の称号は下北半島に譲りたいと思います。
おいしかったです、菊池さん、ごちそうさまでした。
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【中世建築職人仕事の絵画ルポが好き(笑)】

2018年10月17日 05時45分25秒 | Weblog


先日も触れたのですが、
竹中大工道具館でずっと見ていたいと思わされるのは、写真のような
「中世職人仕事図」のような絵画ルポルタージュものです。
日本には大和絵の伝統としてなのか、
カリカチュア的な表現領域がずっとあると思います。
たぶん鳥獣戯画を嚆矢とする表現領域なのだと思います。
日本が世界に誇る「マンガ」文化は、こういった表現領域が
その優れた直感的表現力で世界性を帯び始めているあらわれでしょう。
わたし的には、こういった表現と出会うと、ずっと対話していたくなる。
そこに描かれた職人さんたちの思いとかも、
単純な線画表現だからこそ逆に、ありありとしたリアリズムでつたわってくる。
木造建築工事の微細な部分もしっかりと観察して
また、それに立ち向かう人間の力感もすばらしく表現されている。
大体が、表現視点は日本の伝統でやや上空的な場所から、
ひょっっとしたら、全体を観察するのに近くに立っていた樹木上に上って
そこから仔細に表現者は観察し続けていたのかも知れません。
こういうやや斜め上空から、全体をパノラマ的に表現するというのは、
日本の絵画表現で非常に多用されていると思います。
日本絵画の極限的表現である「金屏風絵」の大きなテーマである
洛中洛外図においても、たぶん、東寺の塔から見晴らした視点が
大きく見て取れると言われていますね。
たぶんそういった「古典」が手本として継承されてきて
表現の多数派を占めてきたのだろうと推測します。

今日、わたしどもは写真表現というカタチで雑誌やWEBで
ほぼ毎日のように住宅建築とその暮らしようを「表現」し続けている。
そのような同じ目的的視線をこういった表現から教えられる。
無上に楽しくもあり、また、きわめて職業的興味も共有しているという
そういった親近感がハンパなく感じられるという次第なのです。
表現された人々、描いた人々、双方への想像力のふくらみが
ハンパなく拡張し続けております(笑)。
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【高速ICとAEONで青森ライフスタイルが一変?】

2018年10月16日 06時27分09秒 | Weblog
今回出張では日曜日に青森に入って、青森県内を走っています。
青森という街は一時、コンパクトシティ志向の都市計画でやっていると
そのようにアナウンスされていましたが、JRの新幹線駅が結局は
在来の「青森駅」から離れた田園地帯に建てられて、
その後、この青森駅前の「1等地」の駅前ビルが買い手がつかないという
悲鳴のような中心街地下低落傾向が浮き彫りになっていた。
駅前の市が関与する商業ビルも慢性的な経営難とされてきた。
コンパクトシティというお題目はいいけれど、実態としては都市計画のビジョンが
希薄な状況に追い込まれていったのだと思います。
その間隙を縫うかのように、都市交通体系の大変革が高速道路によってもたらされた。
旧来の交通体系では、国道4号線と国道7号線が合流した大幹線道路が
すべての基幹交通幹線として大動脈だったのが、
この市域南部寄りの高速道路が、事実上取って変わるかのような勢い。
かく言うわたしも、国道の慢性的渋滞から青森へのアクセスでは
圧倒的に高速利用が多い。
で、こういったクルマ社会型の都市更新に敏感に反応するAEONが
広大な高速IC周辺の市内浜田地区を再開発してきた。
住宅関係でも、このAEON周辺にモデルハウス・住宅展示場が集中している。
地方中心都市の若い住民にとっては、
既得権益層を形成している旧来型「中心街」には、魅力が感じられず、
イマドキの擬制的な「最先端的」都市ライフスタイル機能を求めて
このような「新興シティ」の方に吸引されていく傾向が強いのだと思います。
そういった「新興シティ」では、ほぼ全国企業の「よく見る」ロゴ看板が立ち並ぶ。
独占的大資本ビジネスが大きな区画を占領して睥睨している。
中心都市とはいえ生活する人間意識は「地方」である見方からは、
こういうロゴ看板群の方が「地方老舗」を標榜する旧中心街区よりも洗練的と感じる。
いまの情報独占的資本主義では、こういう光景は地方を忘れられるイメージを持つ。
「鄙を忘れられる一瞬の<都>的光景」のパワーを感じられるのでしょう。
いまの消費者心理の奥底にこういうイメージは沈殿的に存在するのではないか。

たまたま都市全体を一気に俯瞰するように駆け歩いたので、
そのような光景を目の当たりにし、また気付かされた次第。
たまたま青森は、こういった体感が可能な都市サイズにあるのでしょうね。
住宅業界的に見ても、こういった市場心理というものがどう反映されるのか、
非常に興味深い部分だと思っています。
しかし、こういう新興シティの醸す雰囲気に若い世代が引き込まれている実態は
周辺にぴったりと張り付いている住宅企業群を見れば一目瞭然。
かれらのライフスタイルを想像すれば、土日に車利用でAEONに行き、
そこからほど近い場所立地の住宅展示場で住宅メーカーと打ち合わせる、
という行動パターンも透けて見えてくる。
現代社会のある種の典型的な表情をいまさらながら、強く印象させられた。
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【日本人の木造素地へのメンタリティ】

2018年10月15日 08時21分56秒 | Weblog


最近、まったくのデザインで打ちのめされていた場であります。
竹中大工道具館という博物館の存在は、よく訪れる関西圏、中国地方訪問で
いつもトップランクで見たい存在だったのですが、
なにせ、神戸のど真ん中に位置していて、
「今度時間にゆとりがあるときに・・・」にずっとなってしまっていて、
こういう存在とはなかなか邂逅することがないのですね。
でも今回は、海の京町家、伊根の舟屋群ですっかり時間を食ってしまって、
大急ぎで神戸空港付近に帰ってきたら、少し1時間くらいは時間があった。
こういう「ちょっとした時間」というのが、便利な場所にある施設には重要。
で、落ち合ったスタッフといっしょに見学して来た次第。

ま、いろいろな気付きが得られて勉強になった。
竹中工務店さんは、初期の設計主幹のような存在の藤井厚二氏の私邸
「聴竹居」が有名ですが、東大の研究者と古木造建築の構造研究にあたるなど、
木造の研究では屈指のパトロン企業のようです。
この展示施設でも法隆寺宮大工の棟梁・西岡常一さんや小川三夫さんなどの
事跡の展示がメインで展示されるなどしていました。
会場には多くの建築工学部系の学生さんたちとおぼしき団体来場者も多かった。
という展示の一角に、茶室の展示があったのですが、
それがなんと、骨組み素地。構造がそのまま仕上がりという展示があったのです。
「う〜む」。一本、完全に取られた感。
なんとか受け身は取ったつもりでしたが、こういうツボをわきまえている、
伝統木造構法の世界の奥行きを完膚なきまでに知らされた。
たしかに「竹小舞」などを見ていたら、それですでに仕上げだと
そう感覚させられる世界がありますね。
それを拡大させていけば、たしかに骨組みだけの美観は、圧倒的な迫力。
よく木造住宅の建て主でとくに男性は、構造が出来上がった段階で
極上の満足感に浸ってしまって、「もうこれでいいから・・・」と
口走る人もいるとされます(笑)。
それを奥さんが必死に押さえて「あんたなに言ってるのよ」と諭す(笑)。
こういう「良くあるパターン」のそのまんま、なのであります。
この茶室構造は当然,室内に展示されているので、
「雨露をしのぐ」必要が無いことで、このような美観が実現した。

わたしはブロックで家を建てた人間ですが、
さりとてこういう美観がきらいでは全くないし、またブロック素地の壁を
そのまま愛している人間でもあるので、こういうのには親近感がハンパない。
しかしこの空間にしばしたむろしながら、
高断熱高気密で進化した北海道の住宅建築は、このような展示をするとして、
いったいどんな「デザイン的仕掛け」が可能なのか、
竹中に対抗して、たとえば清水建設さんあたりをターゲットにして
「高断熱高気密技術館」というようなものを構想したいと、
個人的な妄想世界に浸っておりました・・・。
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【ガソリン車バッテリー電源で家電使用のJAF実験】

2018年10月14日 07時02分12秒 | Weblog


きのうの続篇です。
北総研で取材の「寒冷地住宅停電状況」非常時での対応作戦。
お伝えしたように、クルマバッテリーからの宅内への給電についてまで
事前の取材内容を超えた内容でしたが、わたしのブログをご覧いただいてか、
ていねいに調査いただいてJAFの発表資料を示していただけました。
災害時対応でクルマ発電に注目というユーザーニーズは高まっているようで、
JAFでのこの「テスト」結果発表は2018年2月7日とされていました。
きわめて最新のデータとして示されている。イマドキ最前線のよう・・・。
普段まったく使用することがないだろう専用の「発電機」には、
停電対策としては、一般住宅・ユーザー的にはやはり実用性は高くなさそうで、
それよりも普段からその機能を有効に利用できるクルマが
災害時に安全保障装置になってくれることが、望ましいと思われます。
関連してですが、東日本大震災時に首都圏では灯油ポットストーブがバカ売れし、
その後、当然灯油販売が大きく伸びると業界は期待したのに
実際にはまったくといっていいほど売れなかったとされています。
「災害のその時だけ」という使用途のものは、保存したとしても肝心の時
本当に利用されるかどうか、難しいと思われます。
ちなみにたまたま今年4月に引っ越したので、今回の地震・ブラックアウトでは
東日本のときカミさんの実家からもらった「災害保存食」をついに食べた(笑)。
たまたま引っ越しで再発見しなければ、完全スルーだったでしょうね。
やはり災害対応は普段から使っているモノの緊急利用がベストでしょう。
で、JAFのテスト趣旨は以下の通り。
「電気自動車(EV)やプラグインハイブリッド車(PHV)が災害時の電源供給として
注目されている。駆動用の大容量バッテリーを積み、ACコンセントも装備するため、
家電を長時間使うことができると言われている。
そこで、ハイブリッド車(HV)や一般的な車を含め、
車のバッテリーで家電がどの程度使えるのかを検証した」ということ。
「テスト車は下写真の4台(左から電気自動車(EV)、プラグインハイブリッド車(PHV)、
ハイブリッド車(HV)、一般的なガソリン車とした。」
いまのところはEVはとくに寒冷地では霜取り運転時
過酷なほど走行距離ダウンがあるとされ、普及はイマイチでしょう。
冬道走行も考えると北海道では4WD・ガソリン車が多いことが容易に想像できる。
テストでは「EV、PHV、HVには1,500Wまでの電気製品が使えるACコンセントが
装備されているが、一般ガソリン車には大容量バッテリーとACコンセントが
装備されていないため、車のDC電源をAC電源に変換するインバーター
(定格出力1,000W)を、バッテリーに直接つないで(おお!、これこれ!)
写真の家電製品が使用できるのかを検証した」ということ。

で、結果ですが、1枚目の写真の通り。
なかなかに微妙な実験結果になっていました。
この普通のガソリン車はスズキのSWIFTというクルマで、1000-1400ccの
エンジン仕様で小型車に属するタイプでしょうね。
結果では100Wまでの家電品ではまったく問題なく動作している。
しかし、400Wと800Wの「電気ストーブ」では△印で
「使用できるが、短時間でバッテリー上がりの可能性アリ」とされていた。
ただ、この実験テストではクルマのエンジンはかけていない状態。
で、以下の図・写真はわが家の冷蔵庫の諸元データです。

こちらは180Wと表示されています。
この冷蔵庫に9.6の地震ブラックアウト時には同等クラス車両のフィットから
シガレットコンセント経由で試しに給電させてみたのです。
不安定ではあったけれど、まったく使えないということはなかった。
で、暖房の灯油ボイラー諸元データで必須電力は250W。微妙であります。
車種によってバッテリーの性能には違いがあり、その情報はメーカーに聞くしかない。
しかし想定外の利用方法でありメーカー責任云々もあると思うので
ありのままの情報を得られるとも思われませんね。
あくまで自己責任の範囲内で「実証実験」してみるしかなさそうです。
また車載バッテリーそのものをより大容量のモノに変えるというのも、
作戦としてはあり得るところでしょう。
この場合は、その単体バッテリーの性能は可視化されている。
こうしたバッテリーは比較的廉価で販売もされている。こういう調査も必要ですね。

というような「電気の安全保障作戦」現在状況であります。
本日からは、しかし東北地域への出張であります。
調査活動は継続して行いますが、進展は20日以降になると思います。
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【頼れる北海道住宅のシンクタンク・北総研】

2018年10月13日 07時34分16秒 | Weblog
かねてから今回の地震・ブラックアウトについての
北海道で予想される冬期極限状況での「サバイバル」について、
一般ユーザーへの知識の啓蒙のため取材を北海道総合研究機構・
建築本部・「北総研」に申し入れていた取材に伺いました。
わたしどもが申し入れていた取材内容は概略以下の通り。

■冬場に停電が起きた場合、
 どのように暖房手段を確保すればいいのか?
■冬場に停電が起きた場合の、北海道内の住宅性能レベル別での対応方法は?
高断熱高気密住宅と、そうではない住宅の「低温時保温時間性能」の違いと
対応の明示化は可能か?
■停電に備えるための家づくりでの工夫には、どんなことがあるか?
■高断熱・高気密住宅で、開放型のストーブを使う際の注意点
(どんなリスクがあるかも含め)
■太陽光発電パネル設置住宅における蓄電システムの有用性と課題
■蓄電システムが有用であるとすると、ZEHは停電および災害に強いと言えるかどうか
■太陽光以外の再生可能エネルギーの現状について
(使い勝手やコストなどトータルで みたときに、本当に一般市民の住宅や暮らしに
 とって有効なのか?→FIT終了の2019年問題も踏まえ)

というようなことで、鈴木大隆所長と高倉政寛主査のおふたりが
取材対応していただけました。
それぞれの案件については逐条で今後、ReplanWEBマガジンで記事として
アップしていき、その深掘り詳細版を次号Replan北海道版で掲載の予定です。
しかし面談時にはこの取材申し入れ内容を超えて
わたしのいま取り組んでいる「停電時、クルマバッテリーからの充電、
その暖房システムへの起動電力供給」についても
さまざまな情報提供をいただきました。
やはりわたし程度の文系脳で考えられるようなことは研究職のみなさんには
先刻お見通しのことと、深く納得させられました。
こうした「住まい」に関わる研究・シンクタンクを地域独自に持っていることは、
北海道にとって、大変大きなアドバンテージだと痛感させられます。
わたしどもは、こうしたバックグランドを活かしてユーザーへの情報拡散に
務めていかなければならないと再確認させられました。
あす以降、気付きの大きかったことを順次、発表していきたいと思います。
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【地震に強い家づくり〜アース21構造セミナー】

2018年10月12日 07時34分35秒 | Weblog


一昨日からアース21札幌例会。
一昨日には現場見学会として弊社社屋も公開されました。
その一行、人数が53人以上ということでよくわからないくらいの大人数。
建物の説明については施工のヨシケン・吉田専務も同行されていたので、
おおむねはお任せしていましたが、一応の「おもてなし」も用意。

ということで、昨日は今回例会のメーンである「構造学習」講演。
最近うち続いている災害列島ニッポンということで、
いま東奔西走の大活躍をされているM's構造設計の佐藤実さんの講演です。
ちょうど今回は、胆振中部地震直後ということで、たいへんタイムリー。
構造というのはとくにユーザー側からすればなかなか不可視の部分。
講演でも佐藤さんから話されていましたが、
一般ユーザーには「価値判断」がきわめて難しい領域だと思います。
結果として、国の定めた基準がほぼ唯一の判断基準になってくる。
で、いわゆる「耐震等級」というレベルが定められている。
これが1から3までレベル分けされている。
1では「大地震から家族のいのちを守ります」とされている。
建築基準法が定めた「耐震性能」となっています。
それに対して3では、建築基準法の1.5倍の耐震性能があるとされている。
約100万円程度のコストアップが見込まれている。
〜これだけの情報を聞けば、3にしたとしても1.5倍か、それなのに
100万円もコストアップする、というように判断するのもある意味自然。
あるかどうか、まったく不明な地震に対しての備えとしては、
耐震等級1でまぁまぁ十分ではないかという判断をしてもおかしくはない。
ところが、この1では、大地震で「いのちは守れるけれど、そのあとは
その家に住み続けることが著しく困難であるという結果になることが多い。
いのちは助かったけれど、建物は大きく変形しそのままでは暮らせなくなる。
ローンも抱えて、その返済ものしかかってきて、賃貸住宅に住むしかない。
そういう地震に遭って、そのあとユーザーに「いのちが助かって良かったですね」
と声掛けすることは許されないとされていた。
まさか、命は助かるけれど住めない家になるとは思わなかった、と。
もちろん3レベルであっても、完全に変形が生じないと言い切ることはできないけれど、
少なくとも熊本地震で被災した益城町にある耐震等級3の家では
該当する16棟の住宅ではみなさんそのまま暮らしているという。

今回の地震に遭遇するまで、実体験としての感覚が正直やや薄かったのですが、
きのうは、こういうお話しがまことにストレートに入ってきました。
ここまで災害が頻発するようになるとは、
戦後の列島地盤安定期に生きてきた人間として、想像も出来なかった。
日本列島の「常態」はむしろ今の状況の方が長かったのではないかと、
そういう強い印象をもって聞いておりました。
いずれにせよ、備えあれば憂いなし、ということそのものですね。
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【冬場暖房安全保障にクルマバッテリー電源】

2018年10月11日 07時19分04秒 | Weblog



いろいろな案件が重なっているのでなかなか進展しませんが、
冬場のブラックアウト再来に備える「暖房安全保障」作戦。
先週には愛車のHONDA-VEZELの点検、確認を行っていました。
HONDAの販売店でクルマからのバッテリー電源からの接続を確認できました。
しばらく写真のような他車への充電接続を経験していなかったので、
ブースターケーブルの接続箇所も不明だったのです。
また、エンジンルームの清掃もまったくしていなかったので、
たいへんお恥ずかしいような状況でした。
とりあえずエンジンルームの清掃点検を行って「見える」化してみた。
プラスとマイナスの接続箇所ですが、プラス側はゴム製カバーで見えていたけど、
マイナス側の接続箇所は不明だったので、HONDAで確認してきたのです。
牛歩の歩みですが、まずはクルマバッテリーからの正弦波インバーターへの
接続方法は確実に確認できたという段階であります。
いまのところ考えている接続の正弦波インバーターは前にも紹介した
2番目の写真のモノ。こちらもいろいろ調べたら、Amazonでも販売していて
56,000円ほどの値付けがされています。
このインバーター接続で、確実にわが家の温水循環床暖房ボイラーが
起動できるのかどうか、再度確認したいと考えています。
3枚目の写真がわが家の温水ボイラーのスペック表示。
なお、この機種の起動時電源が確実か、最終的に確認の上で
インバーターを購入して、さらに起動実験もやってみたいと考えています。
しかし、ユーザー側でこういった自己防衛策を考えなければいけないというのは、
なんとも厳しい状況だなぁと本当に実感させられます。
そもそもこういう暖房安全保障のための出費について
公的なヘルプなども考えて良いのではないでしょうか?
不安定な電気のインフラ状況を放置している社会の現状のなかで、
検討していただけないかと思う次第です。

最近はブラックアウトの影響からか、HONDAさんには
このような問い合わせがさまざまに寄せられているということ。
「ウチはクルマだけではなく、ジェット機をはじめいろいろなものを作っていますよ」
と、紹介されたのがこちら。



「蓄電池LiB-AID E500」というヤツ。
こちらはキャンプ時の電源として想定して販売しているそうですが、
最近は、停電時の非常用電源として問い合わせが寄せられているとされていました。
通常は過程の100Vコンセントに接続させて「蓄電」させておいて
キャンプなどの屋外で電源として使うという用途のようです。
こういうのもアリかも知れませんが、暖房機の電源として考えたときには
利用できる「時間」が限られていることがネック。
今回のブラックアウトは全道で最大3日間だったので、やはりクルマ接続の方が
より汎用性は高いように思われます。
このような用途についての各社の「研究開発」が進展して欲しいと念願します。
なお、あすには「北総研」を取材訪問して、冬場の電源ブラックアウト時の
住宅の側での対応について、いろいろな情報をまとめていきたいと考えています。
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