三木奎吾の住宅探訪記 2nd

北海道の住宅メディア人が住まいの過去・現在・未来を探索します。
(旧タイトル:性能とデザイン いい家大研究)

オール電化住宅アンケート

2006年07月21日 05時07分21秒 | Weblog
きょうから27日までの期間限定で、
わたしどもリプランHPで、オール電化住宅についてのアンケート調査を実施しています。
住宅設備に一大変化をもたらしてきたのが、近年のオール電化。
リプランでは、ごく初期の北海道電力さんの取り組み開始以来、
誌面でこのオール電化住宅を取材し、
ユーザーにとってのメリットや改善すべきポイントなどの情報を告知してきました。
当時は、北欧でけっこう普及しているシステム、程度の認識でした。
ただし、高断熱高気密住宅になっていけば、
家の中で燃焼がないシステムの優位性は高い、というポイントはあったと思います。
もう15年以上前ですね。たしか・・・。
「なんでも電気でできるようになったら、人間だらけるんでないかい」
「はぁ?」
「いや、電気で自動ドアで玄関に入って、自動で照明や暖冷房が立ち上がって、
自動で炊事も出来て・・・、っていうようなんでしょ?」
というような、今から考えると笑えるような反応もありました。
はじめて耳にすると、そういう反応も確かにありかと(笑)。
当時の認識で言えば、やはり深夜電力って言うモノが
利用されないままになっている。それを利用することで
社会全体で考えても、無駄をなくせるのだ、
というポイントが、大きい要素だったと考えています。
これはいまでも、基本的なオール電化のメリットであることはかわりありません。
最大利用時の出力量にあわせて送電しなければならない
電気の宿命から考えて、社会的にそれを生かす、というポイントは
社会全体でエネルギーの効率を考えたら、ベターな選択。

いまや、ユニークな住宅設備システムに成長してきたと思いますが、
ここでさらにユーザー目線で、もっとよりよいシステムになるように、
みなさんからの「本音のご意見」を聞く機会を設けてみた次第なのです。
なんと、大盤振る舞い(って、おい大げさだよ)にも、
アンケートに答えていただいたみなさんには、500円の図書カードをプレゼントしています!
なにとぞ、正直な、本音をお聞かせ下さい。
もちろん、いまオール電化に住んでいなくても別に構いません。
アンケートページは下のリンク先です。
(リンク表示されていない場合は、恐縮ですが、コピー・ペーストしてください)

http://www.replan.ne.jp/henq/

ということで、きょうはみなさんへのお願いでした。
写真は15年前くらいの、リプランオール電化別冊特集号です。
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北朝鮮問題と小泉後継

2006年07月20日 05時31分39秒 | Weblog

今朝の朝日新聞に面白い記事が掲載されていた。
小泉首相が、ブッシュに北朝鮮問題で意見を言った、という記事だ。
その部分を要旨として抜粋すると、

小泉首相が米朝直接対話促す 日米首脳会談で
 「直接対話しないと進まない」――。小泉首相がブッシュ米大統領との会談で、北朝鮮の核・ミサイル問題解決に向け、高いレベルでの米朝直接対話を促していたことが18日わかった。日朝国交正常化を目指して2度訪朝し、なお「対話」にこだわる首相の賭けだったが、大統領は慎重姿勢を崩さなかった。
 首相が米朝直接対話を呼びかけたのは、6月29日の首脳会談やその後の電話協議。複数の日本政府関係者によると、首相は会談で自身が2度訪朝したことに触れ、大統領に「北朝鮮は米国との対話を望んでいる。北朝鮮のような国は、首脳間で直接対話しないと物事が進まない」と指摘した。
 さらに首相は「北朝鮮問題を解決できるのは中国よりも米国だ」との考えを示したうえで、「拉致問題解決のためにも核・ミサイル問題を前進させることが重要だ」と強調。米国が高いレベルで北朝鮮と直接協議に踏み切る必要があるとの認識を大統領に伝えた。
 これに対し、大統領は「私に正面から(米国の方針に)反対意見を言った首脳はあなただけだ」と述べた。そのうえで「検討する」などと応じたものの、首脳会談やその後の会話では「直接対話に応じれば、北朝鮮の術中にはまることになる」との懸念を伝え、慎重姿勢を崩さなかった。

ということのようだ。
まず、最大のこの記事のポイントは、なぜこういう情報が
この時点でリークされるのか、という点だろうと思う。
この記事を見れば、日米同盟という意味が、実質を伴っていると感じられる。
たぶん、ブッシュにいま、直接モノを言える関係を日本は確かに持っている。
完全に政権側にとって有利な情報のリークだ。
という風にはすぐに受け取ると考えられる。そしてそれの告知、という意味合いは
小泉がもうすぐ退陣する、というポイントから考えると
禅譲路線の安倍周辺による情報操作、という線が一番強いのかも知れない。
きょうのもうひとつの記事に、福田の不出馬がアドバルーンとして
揚げられていることと重ね合わせると、
どうも、当たらずとも遠からず、なのではないか。
さらに中国との関係でも、靖国の分祀論に対して中国側の好意的な反応が出てもいる。

花道としての小泉のサミットが一段落して
どうも権力闘争が本格的に開戦した、という感じを抱く、きょうの情報の出具合。
日本の権力闘争は、こういう新聞を使っての
情報操作がだいたい、趨勢を決してきている。
北朝鮮問題は、どうも日本の中長期的な国家のありようを
考えるきっかけとなりそうだ。
少なくとも、安倍周辺は、そういうように利用する動きを強めるのだろう。
どうも、この間の動きは北朝鮮も含めて
決定的に安倍に有利に働いてきているのだろう。
さて、安倍、という選択で、
日本は、中国とアメリカと、どういう関係の中に進むのか?
糸の切れたタコのような、いまの北朝鮮の
多分、「体制危機」の状況のなかで、
どうも否応なく、日本の国家戦略、というポイントが
東アジア情勢の緊迫とともに、具体的な俎上に上がってきた段階なのでしょう。

写真はカミさんの実家の菜園のイチゴ。記事とは無関係です(汗)
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屋上の使い方

2006年07月19日 05時00分49秒 | Weblog

写真は北海道でも一番古くに
コンクリートブロックの2重積みで建てられた住宅を
上に向かって増築して、3階建て(一部ロフトもあり)としたリフォームの家です。
既存の建物は総2階のシンプルなボックスで
断熱も建物自体の熱容量を活かす外断熱工法です。
リフォームではこの断熱層の連続をしっかり計りながら
木造で増築して、出入りのための木製階段を
大胆な大きさで造作して、全体デザインに特徴を出しています。

で、面白かったのが3階ロフトに面して
屋上が作られ、植栽が周囲に回されて
気持ちのいい空が楽しめるスペースになっていること。
北海道の家って、屋根が特徴的なんです。
まぁ日本海側の地域でとくにそうなんですが、
雪の問題が大問題で、多くの解決手段として
雪を載せておく、無落雪が選択されるのです。
そうすると、デザイン的にどう考えても、難しい部分がある。
本州地域に場合は、ふつう寄せ棟を架ければ、
あとは考えなくてもいいのですが、
そこらへんが頭を悩ませるところなんですね。
そういうなかで、この家ではむしろ積極的な形で
屋上空間の利用の方向を考えています。
たしかに、3階分の高さから見ると、風景は一変して
まったく普段の生活では味わえないような
「札幌暮らし」が視界に飛び込んできて新鮮。
過日も、札幌の西部の円山地区にある設計事務所の屋上が
ジャズコンサート会場になってしまっていて
丸天井の心地よさを満喫しました。

せっかくフラットな屋根を作らざるを得ないのだから、
こういった、積極的な利用を仕掛けても面白いなぁ、と。
使い手によっては、屋上庭園にして、一生懸命「屋上緑化」に
取り組んでくれるかも知れない。
そんな「楽しめる屋上緑化」って、
デザイン的な制約を、逆に利用してしまうという意味で
伝統的な束縛が少ない、札幌っぽい考え方ではないでしょうか。
いかがでしょうか?ね。
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06学生の匠大賞決定

2006年07月18日 05時56分29秒 | Weblog

先日ご報告した通り、
今年度のJRN主催・学生の匠リフォームコンクールの
大賞受賞作品が決定しました。
北海道職業能力開発大学校 建築科2年・速水千枝さんチームの作品です。
写真下が既存の住宅の様子です。
このプランでは、既存の三角屋根形状を無落雪に変更。
また、出入り口の位置を、いままでの写真手前側から
写真左側側面の真ん中にギャラリー入り口として
大きく変更。プランとしては玄関は奥になっているのですが、
審査員一同、付則意見として玄関位置はこの真ん中がふさわしいと考えています。

このようにエントランスの位置を変更することで、
この建物が目指す、老後の絵画創作活動の拠点、というイメージが
しっかり形として表現されました。
ことしの応募プランの中でも、この基本的なプランニングで
この作品が際だって特徴的で、ユニークだったポイントです。
ほとんどの応募作品が、自由度の大きな在来工法という
メリットを生かし切れずに、既存の内部配置と大差のない
プランニングであったのに比較して
この作品のコンセプトは、たいへん明確であり、
一目瞭然に建築の意図を表現していると言えます。
大きく開口する建物真ん中部分は、
作品の展示スペースとして、2層分の吹き抜け階段スペースであり
同時に絵画を展示するギャラリースペースでもあります。
吹き抜けに面した中2階には絵画の来客用の応接もあり
また反対側には、吹き抜けに面して書斎的なコーナーもあります。

審査員一同の付則意見も踏まえ、また細かい部分での
プラン変更も加えられる予定なのですが、
これからこのプランを元に、詳細な実施プランを煮詰めていくことになります。
施主さんは決定後も毎日、このプランの模型を
家族で見に来ていて、夢も膨らんでいるようです。
きのうの祝日も、休日出勤で仕事していたら、
息子さんと奥さんが、「ちょっと見ていいですか?」と訪ねてきていました。
多くの学生さんたちのこの1ヶ月間ほどの知恵と汗の結晶のような
この「代表」プランが、これから現実のものとなっていきます。

すでに施主さんは引っ越しも準備万端整っています。
期待感に満ちた、楽しげな様子が
こちらにも伝わってきて、ワクワクします。
よいプランが完成し、またよいリフォーム工事をなるように、祈念してやみません。
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なに、沖縄フェアぁ?

2006年07月17日 04時32分47秒 | Weblog

知らなかった。 おととい何気なくセブンイレブンに入ったら
「沖縄フェア」ということで、いろいろな雑貨が売られていました。
沖縄大好きわが家、この夏も娘に会いに
家族旅行を計画していますが、
これはもっけの幸い、と多めに商品を買って
「きっと、沖縄旅行もあるはず」とクジに坊主がチャレンジ。
あとでよく聞いたら、その場で旅行は当たったりしないのだそうで、
はずれ券、何枚かで応募できて、あとは抽選と言うことだそうですね。
最近はキャンペーンも、いろいろな消費者の声で
なるべくたくさん当たりを出さねばならないので
1等賞だけ豪華に、パーッと、というわけにはいかなくなっています。
実際、700円買い物ごとに抽選1回ですが
2回分、買い物して、さっそく当たりが出て、あまりいらない飲み物が
あたってしまいました(汗)。いいんだか、どうなんだか?
翌日も700円分1枚で、当たりが出ちゃって・・・、欲しいのは
沖縄旅行応募のための「はずれ」なんですけどね。(笑)
折から、沖縄ブームなんだそうで、
こりゃぁ、セブンイレブンは売上は上がりそうですね。
でも、わが家の当たり具合からすると、
総額のキャンペーン費用は莫大な感じですね。

以下、このキャンペーンの案内文を転載。
「セブン-イレブンで沖縄気分を満喫!!
沖縄県後援 「沖縄フェア」 を開催!
~7/15(土)より8カテゴリー46アイテムの商品を店内一斉展開~
 セブン&アイHLDGS.傘下の株式会社セブン-イレブン・ジャパンは、日本屈指のリゾート地「沖縄」をテーマにした商品を展開する「沖縄フェア」を2006年7月15日(土)から全国のセブン-イレブン(2006年6月末現在11,322店)で実施いたします。
今回のフェアは「沖縄」というひとつのテーマのもと、沖縄への観光需要が高まるこの時期に、南国沖縄ならではのフルーツや特産品等をさまざまな商品に原材料として使用し、沖縄の魅力あふれる商品を発売するものです。商品数は合計46アイテムとなり、食品から雑貨までカテゴリーも多岐にわたります。沖縄の地元原材料を使用したオリジナル商品を数多く展開し、沖縄県から正式な後援を受け、店内全体で売場演出をするフェアとなっております。
また、お買い上げ700円(税込)ごとの抽選クジにより、沖縄旅行等をはじめとするオリジナル賞品が2100万名様以上に当たるキャンペーンも実施いたします。」

ということ。
なんか、沖縄旅行が当たるなんてことより、
沖縄便の飛行機がもっと一杯になるだけ、という感じが強いですね。
でもまぁ、沖縄に思いが強くなってきているわが家としては
何となく、わがことのようにうれしくも感じる
キャンペーンですね。まぁ、商売はうまい、かな。
「沖縄県」とセブンイレブン。
ですが、やっぱ、写真の「さんぴん茶」がこっちでも飲めるのは
うれしいです。ここ2日、買って飲んでいます。やみつき!
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夏の休日

2006年07月16日 05時16分18秒 | Weblog

3連休ですね。
北海道もおかげさまで曇天だけれど
夏らしい蒸し暑さを楽しめています。
この時期の定番は、仁木町でのさくらんぼ狩り。
ことしは6月があまり天気よくなかったので、どうなのか?
でもここんとこ暑さも続いているので、期待して行ってみた次第。
出来具合は、まずまずかなぁ。
例年もう少し、甘みが強かった感じがするけれど
でも、なるべく甘みの強い木を探し求めて、
「さくらんぼ山」と名付けられた山のてっぺん近くまで上っていきました。
あれがいいかな、これかな、
と楽しく探し求めて、最後はおなかがパンパンに張ってくるほど。
帰り道、案の定、家族がはぐれて、
ケータイで居場所確認。なんとはるか下の方まで降りていっていたので、
車でお迎えしておりました。
食い意地は、下山しながらも続いていたので、
ついつい道がわかんなくなっちゃったんですね。(笑)

そのあと、車で来る途中に気になっていた、
小樽市内の住吉神社のお祭りに行って参りました。
夏らしく、最近はやりの浴衣姿の娘さんたちが多くて
たいへん華やいだ雰囲気でいいですね。
わが家の坊主は、「射的」のコツをテレビで仕入れた、とかで
都合、1400円、使わされましたが、
戦果は、残念賞のこんにゃくあめみたいなのと、ちょろQが各1個。
って、オイ、父さんにやらせろ、ってなったら、被害はもっと拡大間違いナシなので
賢明に、そうそうに撤退いたしました。
ぜひ北朝鮮も見習って欲しいものです。
って、ジョークには、イマイチならないですね。(笑)

北海道もこの時期らしい、湿度の高い暑さで
天国に一番近い島、って思えるこの頃。
親子水入らずで、楽しく過ごさせていただいている北の休日でした。
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学生の匠リフォームコンクール選考

2006年07月15日 04時51分25秒 | Weblog

昨日14日、午後から06学生の匠リフォームコンクールの審査が行われました。
応募作品は全30作品。
どの作品もそれぞれ学生さんの取り組んできた思いが
ひしひしと伝わってくるような力作ぞろい。
審査委員長、JIA北海道支部長・圓山 彬雄さんから
審査についての方向性や方法が提示された後、
作品のチェック、候補作品の絞り込み
それぞれの作品の検討、論議などが活発に展開いたしました。
ことしの建て主さんは、模型を展示しているリプラン社屋から
住まいがほど近いということもあり、
延べ3日間、毎日長時間にわたってすべての作品を
大変慎重にチェックされていました。
ご夫婦で、いろいろに話し合われながら、
学生さんたちの熱意を真っ正面から受け止めていただけたと思います。
わたしも、時間の許す限り作品をチェックしましたが、
正直、どの作品からも
伝わってくる思いが感じられ、その部分では
本当に楽しい思いをさせていただけました。
短い1ヶ月という期間で、模型まで丹念に仕上げてくれた
多くの学生さんたちに、こころからエールを送りたいと思います。
本当にありがとうございました。

また、この審査には主催のJRNのメンバーのみなさんや
報道のHBCテレビさんなど多数のみなさんがお越しいただけました。
毎年、HBCさんはこのコンクールの模様を番組で紹介していただいています。
ことしもプロセスに沿って、撮影取材していただけるようです。
工事が完成する11月くらいには
テレビで、この模様もご紹介いただけると思います。

写真は、活発な論議がクライマックスを迎え、
ことしの工事基本プランになる「JRN大賞」が決定した瞬間です。
応募していただいた作品や、受賞した作品などについて
このブログの場で、これからご紹介していく予定です。
ことしで3回目の開催ですが、
このコンクール、全国的に見ても希有なもの。
建築の世界が若い人たちに、その魅力をわかりやすくアピールする
貴重な機会でもあると思います。
なんとか関係者一同でがんばって、
長く続けていきたいものだと考えています。
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地政的な位置と国家戦略

2006年07月14日 05時57分08秒 | Weblog

国連安保理事会決議の動きが流動的なようだ。
こういう外交をうまくやるということについては
日本はあまり経験値も積んでいないし、似合いもしない。
また国連での結果については、勝利も敗北というものもないだろうと思う。
結果としては今回の外交交渉で
対北朝鮮への日本の強硬な姿勢は、そのままでは
国際的なコンセンサスには至らなかったということだ。
ただし、日本全体として、総意として今回の強硬路線に取り組んだともいえない。
結局日本も含め、どこの国もすべて譲歩しての結論になるだろうと思われる。
中国・ロシアにとっても、譲れない権益が
北朝鮮にはあるだろうなかで、とにかくも「非難決議」の方向になったことは
そういった意味でも、ほどよい結論が得られた、ということかもしれない。

今後の日本の外交の基軸として、
どういったスタンスが必要になるのか、いわゆる「国家戦略」論議が必要だけれど、
キーワードは対中国の関係。
歴史的にこのことは、日本という国の誕生以来、繰り返されてきたともいえる。
司馬遼太郎さんは「本来中国は、いまのヨーロッパのように多くの国家に分かれて存在すべき地域だ」
と分析していました。
ちょうど写真の地図でみれば、ヨーロッパがひとつの国になったようなのが
中国という国だという考えです。
そして、中華思想という、他国から見ればきわめて専横的な考えを
歴史的に奉じている国なんですね。
歴史の中では、中国に強大な権力が生まれることで
そもそもその影響から、日本という地域に国家らしきものが形成されたともいえる。
文化の側面では、言葉自体もわれわれは輸入してきたし、
国家という概念自体すら、輸入してきたといえる。
そういう長い歴史時間があって、欧米に支配された近代の歴史が
直近にあり、その時代には日本も欧米列強と同様な
利権争奪の対象として、中国を侵略したという事実があるわけです。
そして、中国革命という政治的な立ち直りから、経済の現代化プロセスを経て
こんにちの中国という存在が浮かび上がってきているのがいまの現実。

歴史的にも、日本は常に中国を意識せざるを得なかった。
ただ、東西冷戦までは、対米従属だけをやっていればよかったので
直近の現代史では、比較的に中国の存在は小さかったとはいえる。
しかし、こうした歴史的な流れも把握しながら、
いまの時代では、ふたたび対中国の国家スタンスを
定めざるを得なくなってきているのですね。
地図を見ていると、EU統合の中でのイギリスのスタンスって、考えてみれば
日本と似たような部分があるとも考えられます。

さてさて、巨大な隣人国家というのは、付き合いが難しい。
対米というのが、日本の外交の前提になるのはとても自然だと考えますが、
そのなかで、中国との距離感やつきあい方は
大変デリケート。どうやっていくのがいいのか、まだ
日本のスタンスは、国内コンセンサス自体がないのが現実なんですね。
ここがキーポイントなんですが、ね。
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元気な沖縄の駄菓子

2006年07月13日 05時43分06秒 | Weblog

写真は那覇国際通りの中小路でのもの。
とあるお菓子屋さんでの光景です。
よく見えにくいかも知れませんが、全国メーカーも
地元メーカーも、満艦飾の沖縄がため、という感じで壮観です。

いろいろな地方を訪れることが多いのですが
いま、日本の地方で、元気よく地方らしさを発散している
というところはなかなかありません。
北海道では、石炭で栄えた昔日の「炭都」夕張市が
事実上、倒産ということになりました。
地方の独自な発展というきれいごとを言っても
足下から、産業の空洞化、過疎化が音を立てて進行しています。
地方都市では、目抜き通りがシャッター街になっているし
過疎化の進行で、いろいろなサービス業も地方では成り立たなくなって、
北海道では、「地元でこどもを産む」こともできない
という自治体が増えているのが現実。
こういう事態って、このままどんどん進行して
行き着くところまで行くしか、ないんでしょうかね?
先日の秋田でのこどもの殺人事件なんかでも
加害者と被害者の住んでいた
あの「新興住宅地」の空洞感は切実だった気がします。
公共としては、いろいろに手を打って
ああした開発行為を行って人口増加をはかったのでしょうが、
そこではけっしてコミュニティが形成されることはなく
「住民のこころの安全」という最低限のインフラも整備できていなかった。

そんな日本の地方の中の一番星が
沖縄のような気がします。
こういう満艦飾に、誇らしく沖縄であることを
堂々と、日本に対して主張している感じがして
まことに楽しい。
全国メーカーにも、沖縄では独自ブランドを作らなければ
商売できない、と思わせるほどのパワーがあるということですよね。
もちろん、観光が力強い産業だという背景はあるにせよ、
ほかの日本の地方は、この沖縄の元気のよさを
もう少し、研究してみてもいいのではないでしょうかね?
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学生の匠コンクール応募締め切り

2006年07月12日 05時19分32秒 | Weblog

月曜日10日が、ことしの「学生の匠リフォームコンクール」の応募締め切り。
当社2階のオープンスペースに全部で28ほどの応募作品が集まりました。
まだ、締め切り消印有効分があるかもしれないのですが、
まぁ、一応これが応募状況ということになると思います。
ことしは今までと比べると、やや少ない応募かも知れません。
学生さんたちへの周知の点で、今後改善点があると思われます。
それと、やはり時間的には厳しい日程ということはあるかも知れませんね。
約1ヶ月の間に、設計プランを煮詰め、設計趣旨をまとめあげ
さらにプレゼンボードを作成した上に、模型も制作するのですから
かなりヘビー級の作業と集中力が必要でしょう。

展示できましたと、ご案内したところ、さっそく
審査委員長の圓山 彬雄さんや、施主さんなど
多くのみなさんが、事前審査のために来られました。
設計主旨を理解し、その意図と
実際の提案プランの内容を吟味する、という作業も
けっこう、時間と集中力のいる作業です。
でも、せっかくの多くの学生さんたちの時間と熱意の込められた作品です。
丹念に審査して参ります。

そんななか、ある地元大手住宅ビルダーの社長さんが
ひょっこりと現れました。なんの事前連絡もなく飛び入りでびっくり。
「あれ、○○さん、どうされました?」
「いや、じつは息子が応募したと聞いたので、見てみたいと・・・」
ということ。
聞いてみると、息子さんはプロのサーファーになる、ということで
ほとんど体育会系の学生だったのが、最近、建築系の学校に通っていて
はじめて、こういうコンペに応募してみたということ。
息子さんの応募作品にじっと目を凝らしていました。
丹念に設計趣旨や模型を眺め続けて、
いろいろ、設計要件などの質問もこちらに投げかけてきます。
帰り際、「家ではろくに話もすることもないもので・・・」と
語られておりました。
まぁ、そうでしょうね。
でも、自分の進んできた道に、息子が興味を持ち、
こういうコンペにも出てみようと行動する、というのは
親として、口には出せないでしょうけれど、
いろいろ思いのあふれるようなことなのだと思います。
後ろ姿が、いいお父さん、という雰囲気でした。

でも、そういう情実はいっさい通用いたしませんので、
その点は、しっかりさせておきます。(笑)
さて、これから14日の審査まで、しっかり作品を見ていきたいと思います。
・・・とても楽しい時間です。
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