三木奎吾の住宅探訪記 2nd

北海道の住宅メディア人が住まいの過去・現在・未来を探索します。
(旧タイトル:性能とデザイン いい家大研究)

明治期の沖縄の家

2006年07月04日 10時50分36秒 | Weblog

本日より、ブログのアップは午前中、できれば9時前くらいに
というようにしたいと思います。
早朝アップに慣れていましたが、やや無理がかかるものですから、ご了解を。

さて、ふたたび沖縄の家にテーマ、戻りたいと思います。
いま現在の沖縄の家を特徴づけている「赤瓦屋根」というのは
琉球王国の時代には一般庶民には許されていなかったものなのだそうです。
明治22年になって、そうした建築規制が解かれ、
以降、一般民家にも赤瓦屋根が出現するようになったのだとか。
写真で紹介する家は、そういった時期の沖縄住宅。
茅葺きから、こういう瓦葺きにするというのは
「立派な家を建てる」という夢を視覚的にわかりやすく表現していたのですね。
庇は南側と東側に大きく取られ、
日射遮蔽や雨の侵入を防ぐ役割を果たしています。
それと、近代的な住宅らしく台所と主屋が一体に建てられています。
それだけ大型の棟を建てられるようになったのですね。
実際、この家は床面積も他の古民家と比較して大きいです。
2間続きの和室は奥が晴れの間で、手前は仏間。
沖縄の住まいでは、仏壇に特徴があるようで、ほぼ同じデザインですね。

和室の裏側には、日常使いの板の間が連なっています。
土間の台所に面しては、大きな板の間があって
家族の日常生活はここがメーンステージだったのでしょう。
土間は大変広く、農家住宅らしいたっぷりの作業スペースが確保されています。
こういう古民家を歩いてみると
間取りであるとか、配置計画というのはほぼ全国同じ。
基本的なシェルターとしての日本人の住まいのかたちは見えてきます。
ひるがえって、現代建てられている住宅というものは
こういう基本に加えて、「個性表現」とでも呼べる要素が大きくなっているのでしょう。
さて、どういう家がほんとうに安らげるのか、
歩いてみれば見るほど、考えさせられますね。
コメント
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