先日、東京で業界関係のセミナーがあって、
マスコミ業界の動向を概観する機会に恵まれました。
図は、日本の状況を表したものですが、
世界的に、フリーペーパーが大きく伸張しています。
スウェーデン発祥の、都市交通駅のラックスタンドから無料で供給される
日刊ニュースメディア「METRO」が、世界21カ国で総数800万部超の
マンモスメディアに成長してきています。
世界的には似たモデルも含めて2100万部発行されているそうです。
そもそも、欧米では新聞を宅配するという習慣はないなかで、
これまでは、駅など人が移動する機会を捉えて
スタンド販売で新聞メディアが販売されてきた経緯があります。
こうした状況に対して、フリー新聞がほぼ同様な流通手段で、
配布されていけば、そちらに流れていくのは理の当然。
流通に配慮して、交通機関の運営会社の1ページ広告を
これも無料で提供する、という手を使っているのですね。
ところが、日本ではこの「METRO」は上陸の気配がない。
日本でニュース配信を行っている通信社が
「絶対にニュース配信をしない」と、宣言しているという現実があります。
韓国も自由主義国であるはずですが、
メディアや報道に対して国の管理が厳しい国で、なかなか自由ではない。
中国はもちろん、体制が体制なので、自由には行かない。
どうも、アジアの主要国家では、障碍が多いようです。
ただ、日本の状況は、なんとも「日本的」。
業界的で談合的な社会の体質表現だ、といわれても仕方ないような現実。
日本でフリー新聞が成立するとすれば、既存メディアが変化する
という形式が予想される、ということのようです。
インターネットは、検索型に進んでいくなかで、
紙のメディアの一覧性、携帯性の高さなどで生き残っては行くのでしょうが、
しばらくは混乱した状況が続いていくものなのかも知れません。
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