三木奎吾の住宅探訪記 2nd

北海道の住宅メディア人が住まいの過去・現在・未来を探索します。
(旧タイトル:性能とデザイン いい家大研究)

【インテリア選択はその人の「暮らし方」表現】

2019年04月16日 06時55分51秒 | Weblog
家の「見方」がチョー重要。家を見て
「こういう空間でこのように暮らしたいのだ」と見定められるか?・・・

きのうは鎌田紀彦先生の最新の住宅断熱手法について、でしたが
活発な意見交換が相次いで、わたしのブログ読者の傾向が明瞭でした(笑)。
どっちかといえば、住宅建築のプロのみなさんが中心。
なんですが、ユーザーのみなさんも同じ言語空間ではないけれど
「なんとなく」伝わってくるものを感じられるようです。
考えてみれば、わたし自身も自宅を建築した頃、
住宅雑誌はすでに発行していたのですが、まぁたしかに
「プロのひとたちが活発に意見を交わしている論点」というのは、
大きな「よりどころ」ではあったように思います。
ただしそこは「頼む立場」として、自分自身の感受性世界が判断の基本。
せっかくの自分が払っていくお金に関しての決定なので、
プロの先端的論戦を「わきまえた」上で、独自の判断をしたいと考えた。
結局は感受性の大きな選択のひとつとして、自分の世界を
一生に一度だけ、自分で選択できるのが住宅建築の機会だと思ったのですね。
当然だと思います。
そういった「技術論議」に参加したりして意見を戦わせるのは
建て主としての価値感とはまた違いがある。
そういうやり取りの中で、方向としての大きな技術傾向の中から、
自分に似合った感受性を探し出してみたくなる。
そういうときに「たくさんのイメージ」を見る,比較対照する、
っていうようなことは、無意識に行っていくものだと思います。
実際の空間を体験するということが基本ではあるけれど、
それには「もれなく営業行為がついてくる(笑)」のには閉口させられる。
ReplanやWEBマガジンなどで「よきものを見る目を養う」ことが不可欠。

住宅の実物を見る、というのがやはり基本でしょう。
わたしたちReplanでは、基本的にユーザー目線で住宅を伝えたいと
そう考えて誌面を構成しています。
実際の肌に伝わってくるような「空間の雰囲気」を表現したい。
作り手と施主さんの家づくりの対話の様子がいちばんのポイントだと。
で、インテリアを構成している要素の組み合わせ感覚、
そういった「よすが」から、作り手の感受性を見定めることが大切。
写真の住宅は岩手のビルダー、D-LIFEさんのオープンハウスから。
床壁天井とキッチン、さらにそこで選択されているテーブル・椅子
などの空間構成要素が一瞬にして伝わってきます。
この家は、施主さんが完成引き渡し前に公開を許諾した建物。
このような空間構成をある建て主とD-LIFEさんは
現実に打ち合わせしながら、実現させてきたワケです。
わたし的には、黒っぽいけれど木目も表現された床材・天井材と
キッチン・テーブルの色合いという背景のなかで、
いちばん人間の行動感覚に近しい「椅子」が目に付いた。
座卓面は透明な素材によるプラスチックなんですね。
それに対して、背景と連なっていく脚にはスチールが採用されている。
「そうか、こういう背景のなかでこのような意識で暮らしたいのだ」
っていうようなことが「伝わってくる」。
なんと呼ぶかは別として、現代の中でこういうふうに過ごしたいという
そういったホンネの欲求をそこに感じるのですね。
もちろん、そういう暮らし方がどのような「温熱環境」のなかで
実現しているのか、というのは要チェックの最たるものではある。
ただ、ユーザー側としてこういった「暮らしの感受性」について
多くの事例を体験しながら、きちんと自分を見つめることは重要ですね。
家の「見方」って、チョー重要だと最近強く気付かされる・・・。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする