三木奎吾の住宅探訪記 2nd

北海道の住宅メディア人が住まいの過去・現在・未来を探索します。
(旧タイトル:性能とデザイン いい家大研究)

【人口減少を叫ぶ地域メディア・秋田探訪】

2016年10月19日 06時58分41秒 | Weblog


きのうから北東北に入っています。
秋田空港から入って、最後は仙台空港から札幌に帰還するというコース。
駆け足ですが、きのうは多くのみなさんとの対話ができました。
で、数人の方から、地元新聞が取り上げていたという
秋田県人口が100万人を割り込むという予測記事のことを聞いた。
そのこと自体はごく当たり前だと思うのですが、
みなさんどうにも受け取り方が受け身で、前途をいかにも悲観する調子。
こういった記事書き飛ばしの影響ということを、
エトランゼ的な視点で考え直すきっかけになりました。

こうした悲観的なものの見方というのは、広く流布していて
あまりにも当然のことですが、
繰り返し語られることに対して、その受け取り方を
われわれ一般人はもっと「耐性」を持つべきではないかと思ったのです。
そういった指摘をいかにも「言論をリードする」みたいな「有力」新聞目線で
まき散らすのは、むしろ怠慢そのもののメディアの姿だと思う。
そういう「放って置いたらこうなる」論はもういいから、
ではどういうふうに見て、どう行動したらいいのかを
言論の中に「主張」として持っていないと、裸の王様そのものだと思う。
「なんの方向性もなく悲観論を言う。王様はアタマの中が素っ裸だ」
人口減少という事態に対し、ではその現状でなにが起こっているのか、
もうすこし観察を詳細にしていかなければいけない。
以前に北海道の戸建住宅着工が10年間に8掛けに減った記事を書いた。
でも同時に、その10年間には、建築の担い手も3割ほど減少した。
ということは、「生き残った建築企業」はその規模を拡大させている。
平均で約5棟が、6棟以上になっていた。
人口減少を悲観してか、単に後継者がいなくてか、
マーケットから自然退場して行く人が多い一方で、
残った企業は、強い企業体質を獲得してきている。
過去10年間に起こったことは、今後の10年間でも起こる確率が高い。
それと、人口減少は先進国ではいま、普遍的に起こっていることであり、
そのことと経済規模の推移は必ずしもパラレルでもないことは、
いまの社会情勢を冷静に見れば明らかだと思う。
歴史的に見ても、人口は増大期があれば停滞期もある。
それは「波動する」ものだと思われるのです。
さらに言えば人口問題は、わたしたち全体にとって「変えられる未来」。
ただ単なる人口現象論を言い立てることに、深く異論を持っています。

下の写真は、飛び込みで訪問した秋田能代の西方設計さん事務所。
西方さんは、秋田だけではなく日本各地を駆け巡って
活動の幅を大きく全国に広げる努力をしてきている。
多くの人が人口減少論で悲観的になっている状況は、
一方で違う考えを持っている人にとっては、
あらたなブルーオーシャンが眼前に表れてきていることでもある。
多様な見方、価値感をいまこそ持つべきなのでしょうね。
コメント
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