世界中で和食がブームなんだそうですね。
それって、ごく当たり前だと思うのです。
絶対に和食は、世界最強にすばらしいソウルフードだと思う。
先日宮城県南部を歩いた折に
建築家・針生承一さんが設計した「齋理屋敷」を見学したのですが、
そこは、江戸期に栄えたコメを中心にした商家で
多数の奉公人を抱えた総合商社のようだった家ですが、
その奉公人たちに出した食事をベースに
ランチなどの食事を楽しめる和風食堂も併設している。
そこで、食べた「定食」であります。
品書きだけを見て頼んだのですが、
出てきた和食定食の彩りの美しさ、味わいの細やかさ、
食材の多様性に、ウットリとさせられた次第であります。
メニューを書いてみると
主食は、近隣の山で採取したイメージのキノコの炊き込みご飯。
三陸にも近いので、牡蠣のフライがメインディッシュ。付け合わせに軽いサラダ。
やや酸味の感じられる古漬けと青野菜の和え物。
そしてたっぷりの野菜類と豚肉とのコンビネーションの味噌味の温野菜汁。
さらに芋をベースに果物や干しぶどうなどを混ぜ込んだ
デザートのような逸品も付いていた。
温野菜汁と主食のご飯の味わいバランスがたいへん馴染み、
牡蠣フライや、野菜類の醸し出すハーモニーがたまらない。
そして、風味と甘味が深く感じられるデザートまで、
目もこころも口も、よろこびに満たされておりました。
しかもこれで850円という値段。
人のゆく、裏に道あり花の山、という句が浮かんできてうれしかった。
まぁ、年齢によっては、やや力強さに欠けると思われる場合もあるでしょうが、
わたしのような年齢になってくると
このような懇ろな作られようの食事に、こころが動く。
たいして期待していないときに、不意打ちのように心のこもった食事をいただくと
ほんとうに「あり難い」幸せを感じてしまう。
1日、いや、それからずっと、なんとなくうれしい気分が続いています。