三木奎吾の住宅探訪記 2nd

北海道の住宅メディア人が住まいの過去・現在・未来を探索します。
(旧タイトル:性能とデザイン いい家大研究)

自然採光の明と暗

2014年11月05日 05時38分56秒 | Weblog


写真は先般ブログで触れた「伊達市総合体育館」であります。
ことしの「北海道建築賞・奨励賞」を受けた建物です。
連休初日にカミさんと見学して来ました。
設計者・海藤さんによるプレゼンでもポイントとされていた
ハイサイドライト的な屋根部分横の採光を実際に見てみたくて
ドライブがてら行ってきた次第であります。
上部から下部に向かって引き絞られたような屋根形状で
鋭角的な部分にポリカーボネートの開口部が取られている。
断熱的な配慮もされて、しかも自然な採光が室内に取り入れられるということで
省エネ的にも、照明費用の削減にも繋がるデザイン的手法と思える。
ただ、プレゼンでも、室内での競技時には
この開口部にカーテンを閉めて照明を点灯していると話されていた。
まぁ理由は推測できるのですが、やや残念とも思っていた。
で、実際に見てみたくなったのですね。
省エネ的工夫としては、地元で採れる森林木材資源から作られる
ペレットによる暖房なども施されていて、配慮されている。
で、くだんの開口部採光であります。
ちょうどバレーボールの大会が行われていて、
案の定、カーテンが閉められて煌々とした照明が点灯していた。
まぁ、常識的に見て、スポーツ競技施設としては
有利不利がそれによって発生しないように、自然採光だけに頼るのは難しい。
競技中の上部空間が、明度の異なる視界環境になっていれば
「一瞬、ボールを見失う」というようなこともありえる。
そういう条件設定を避けるためには、均一性が担保出来やすい
照明に依存せざるを得ない、というのも了解可能。
まぁしかし、そうだとしてもそれ以外の利用用途の時もあるわけだから
自然採光がダメだとも言えない。
結果としてカーテンによる採光条件のコントロールもやむを得ない。
やはり現実と対話しながらの建築である以上、折り合いということも
不可欠なことになってくる。そんな印象を持ちました。
しかし地域のランドマーク性としての建築として見たとき、
この建物、やっぱりユニークな存在感で迫ってくる。
ながく伊達のシンボル的な存在として親しまれていって欲しいと念願します。

さて、きのうは青森での打合せで往復。
青森市内での「取材」もあったので、一昨日出発で
クルマで行って青函間をフェリーに乗る予定が
思わぬ暴風・高波ということでフェリーを避けて函館ー青森は汽車で往復。
青森ではレンタカーであちこち取材となりました。
遠距離の往復でしたが、運転は交代しながらだったので、助かりました。
しかしやや疲労気味ではあります。
連休明けの仕事段取り、年末に向かって大車輪が続いていきます。
ゆっくりと、しかしスピード感を持ってがんばっていきたいです。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする