日中首脳会談が正式に発表された。
特段の前提条件はつかなかった実質では、日本側の粘り勝ちだけれど、
4項目の文書が開示され、尖閣問題が表記されたという意味では
中国側でも、一定の名は取れたという決着でしょう。
外交交渉なんて、そういったもの。実が取れたことは大きい。
アメリカ中間選挙で共和党が勝利して
また、きょう発表されていたアメリカの世論調査で
アジアにおける「重要なパートナーは?」という問いへの答で
前年とは一変して、日本が中国よりも
ダブルスコアに近い逆転の結果が出るなどの米国内世論があった。
これまでの流れから米中関係のきしみが大きくなって来て
中国側から、対日関係改善の動きが出てきたということ。
東アジアの政治情勢は、アメリカというプレゼンスを抜きにしては
語ることができないのだという現実が見える。
そのアメリカでのオバマ政権の完全なレームダックが明瞭になって来て
次を展望した動きが出てくるのは必然。
中国はオバマ政権を組みしやすしと見て、さまざまな仕掛けをしてきたが、
ここはいったん、矛を収めるしかないという判断だと思います。
会談では、ここまでの線の枠内でしか進展はないでしょう。
安倍政権は、次のアメリカの政権が、たとえクリントンになったとしても
より共和党の影響力が強まることを見越して
いわばかつてのレーガンのようなスタンスを対中韓政策の面で
日本の外交姿勢として取ってきた。
先の安倍訪米時に、クリントンが安倍と対談し、
女性の社会進出を共同アピールするなど、
先方も安倍政権を利用したくなるほどに、国際的評価はあるのでしょう。
一方で、韓国の朴槿恵政権は、
民主党の枝野幹事長の一行の表敬訪問をすらはねつけた。
枝野さん、革マルとの関係指摘されて微妙な立ち位置だけれど、
この局面で産経元支局長の軟禁的状況について
まっとうな政治家的態度を示したのは、なかなかな政治センスとも言える。
このへんは革マルの冷徹な姿勢にも通じるのだろうか(笑)。
あ、ちょっと脱線。
で、朴槿恵さん、国際的にやや窮地だと思うのですが、どうするのか。
たぶんアメリカとしては、
日韓関係で韓国の肩を持って、いいことはさほどない。
中国はアメリカの動向をにらんで、さっさと路線修正した。
さてどうするつもりなのか?
この局面では、対日関係改善に動くしかカードはないと思うのですが
そのように冷静に対応できるのかどうか、注目です。
<写真は、深まる秋の紅葉、表示順と時間経過は逆転しています。>