三木奎吾の住宅探訪記 2nd

北海道の住宅メディア人が住まいの過去・現在・未来を探索します。
(旧タイトル:性能とデザイン いい家大研究)

鎌田紀彦先生の最新実験住宅見学

2014年10月06日 06時51分15秒 | Weblog


出張から帰ってきての翌日、
新住協北海道事務局からのお誘いがあったので、
鎌田紀彦先生の北海道内での最新の実験住宅見学に行ってきました。
実験住宅の目的は、

Q1.0住宅では、床下の土問コン下に全面断熱を施工することとしたいが、
コスト上昇が避けられない。そのため、基礎の工法合理化を図り
コストダウンにより全面断熱の費用を捻出することとした。
東北の災害復興の住宅建設に際して、土工の絶対的不足から
住宅建設のブレーキになっているとの声があり、
基礎型枠工事の合理化が求められてもいる。
<鎌田先生の当日配付資料より抜粋>

このような問題意識からの最新の実験住宅。
とはいっても、ごらんの通りの基礎についての発表です。
それも重力計算とか、地耐力計算などの専門的な数字が飛び交っていて
詳細な内容については、じっくり撮影したビデオや資料に当たらなければ
要約は難しい内容でした。
基礎の進化、性能向上とコストのバランスについて
その指標数字を詳細に検討しながら、
どのようなアプローチがもっとも最適であるかについての試行といえるでしょう。
その検討プロセスを聞いていていつも感じるのは、まさに実戦的ということ。
こういった研究姿勢を持っている方は、まことに得がたく、ありがたい。
鎌田紀彦先生が住宅建築研究者として
全国の工務店、実践者に強い影響力を持っているのは
つねに現場的な合理化を念頭に置いている、こうした研究姿勢が大きい。
木造の在来工法の革新が大きな先生のフィールドですが
切っても切り離せないコンクリート基礎工事についても
丹念に解剖を試みている様は、ひしひしと伝わってきます。
設計者や施工者はある程度、経験とカンで
よりよい工法を選択する部分があると思いますが、
研究者としては、どんな部分でも科学的に解明する必要がある。

先生はことし、長年住まわれた室蘭市を離れて
仙台に移転されると言うことですが、
寒冷地住宅、北海道での住宅建築研究において、
果たされてきた功績の大きさはまことに測りがたいものがあります。
今後も、新住協の活動をメインとして行かれるということ。
さらなる研究活動の深まりに期待したいと思っています。
コメント
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