Table with Colors 2015年6月は…
















「香港の夏は暑いから覚悟して」と言われてはいましたが、なんと今年の6月の香港は100年に一度の暑さだったそうで、道理でものすごい湿気と焼け焦げるような陽射し。そんな香港から戻った東京は梅雨とはいえ、なんて爽やかなんでしょう。

今年は冷夏らしいので、そのせいもあるのかもしれませんね。一番暑い8月にはセミナーもお休みになるので、そんな時に役立てていただきたいと、今回は一足早く夏に向けた和食メニューをご紹介しました。



お食事は、夏バテ防止でまずは甘く美味しいトマトをひんやりと冷やしたアミューズで。

今回のセッティングではひいおばあちゃまから受け継いだ器を使ってみました。大したものではないのでしょうが、昔のものはなんだかほっこりと優しい気持ちにさせてくれます。曽祖父はかなりお酒が好きだったようで、私たち家族は下戸なのにもかかわらず、うちにはたくさんのおちょこやとっくりなどお酒の器があります。それらは、昔はずいぶんと大勢のお客様を招いてお食事会をしたりしていたんだろうなと想像させてくれます。今回は梅干しやだし汁でマリネしたトマトを盛ってみました。



今回のメインは冷やし素麺。最初はつけ汁で、と思っていましたが、予想外に人数が多くなってしまったので、急遽、冷やし中華のようにひとつの器に、薄焼き卵、みょうが、しそ、しいたけ、えび、きゅうりなどの様々な食材を盛る形式に。最後にさくらんぼうを。

ワンプレート・ディッシュと同じで具材をたくさん用意しておけば、お好みで好きな食材を好きなだけ選んでいただくこともできて楽しいです。ガラスの器は涼感を増してくれます。人数が増えて器がたりないので、いくつか黒い漆の器にも盛りましたが、器の色が違うと同じ食材でも色の映え方が異なり、それを比べて見るのも面白いです。大きさが同じようなお互いに合う別々の器を幾つか揃えていると取り混ぜて使えて便利です。

お素麺用の薬味は北欧の食器にいれて。北欧の食器と和食器は不思議とよく合います。お互い、ナチュラルでシンプル、機能的でなんとなく人の温もりを感じるからでしょうか。

お素麺も具沢山ですが、すこしタンパク質も欲しいので、鶏の唐揚げを。外はさっくり、中はふんわり上げるための秘訣をご紹介。鶏の胸肉に含まれるイミダペプチドという成分は疲労回復効果があると医学的に証明されているそうなので、夏バテしやすい時期には色々な調理法で採りたいですね。

今回のメニューは、どちらもベーシックなメニューですが、ところどころ面白ポイントを加えたところ、「目からウロコでした!」というお声をいただきました。見るからに珍しいお料理もいいですが、普段お家で食べる、誰もが好きなベーシックメニューをちょっと工夫をこらして楽しくいただくのもいいですよね。


今回のテーブルセッティングは初夏の奥入瀬の沢のせせらぎをイメージしてつくりました。奥入瀬は小学校の卒業旅行に行ったので、もうほとんど想像の世界。最近は香港と東京の行き来でなかなか時間がとれませんが、いつかまた行きたいなと思いながら。シダやコケがひっそり、こっそり、しっとりと生えた沢の近くの木陰で、沢の音を聞きながら、きらきらした水面を見ながらお昼ごはんをいただいているイメージで作りました。


アジアンタムやアスパラガスの葉を、せせらぎの上にかかる木々の枝のように交差させて生けると、自分がまるで小人になったかのような気分、テーブルの上に小さな森ができあがりました。それだけでも十分綺麗ですが、今回はインプレッションの庭でも綺麗に咲いている、クレマチス、沢に咲いていそうなサラセニア(食虫植物の一種)やベルテッセンをプラス。そして香り高いクチナシはお食事の邪魔にならないくらい、ほんの数輪をこっそり潜ませました。

ちょうどセミナーの2日間はお天気も良く、爽やかな風が吹いていて、窓からはいってきた風にアジアンタムやアスパラガスの葉がさわさわ、そよそよと揺れてそれは美しく癒される時間となりました。



デザートも和の甘味でまとめて。今回は夏に食べたくなる冷やし抹茶白玉ぜんざいを。こういうシンプルなお菓子はそれぞれの材料によって味が変わりますので、餡の甘さ、お茶、寒天や白玉の硬さなど、細かいところにこだわると、一層おいしいものに仕上がります。

アイスクリームはお気に入りの新潟特産のミルクアイスを。アイスクリームももちろん手作りでもいいですが、お取り寄せで珍しいものをご紹介するのも会話も弾み、お客様も後々の参考になって面白いと思います。

たとえ梅雨で外が雨だとしても、わざとすこし薄暗くして、雨の森の中にいるようなイメージでお食事をいただくのもなかなかいいのではないかな、と思います。








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