JOINT CONCERT Mariella Devia & Giuseppe Filianoti







今年は少し早めに秋の気配が訪れているようですね。
それでも蒸し暑い昨日の夕暮れ時から、サントリーホールで La Voce主催の「JOINT CONCERT Mariella Devia & Giuseppe Filianoti」が開催され、楽しみに伺いました。

何度も日本を訪れ、日本も大好きな2人のイタリア人オペラ歌手、完璧なテクニックと豊かな表現力を併せ持つソプラノ、マリエッラ・デヴィーアと、若く瑞々しい歌声と確かな演技力が人気のテノール、ジュゼッペ・フィリアノーティによるコンサートです。東京フィルハーモニー交響楽団とともに2人の魅力を存分に引き出したのは指揮のステファノ・ランザーニ。曲目は皆で相談してきめるそう。今回は実力派の2人だけあって、プッチーニの名曲の数々はもちろん、日本では難しすぎてなかなか直に聴くことの出来ない曲目も多数登場し、オペラファンは大喜びしていました。

繊細でありながら豊かで確かな、美しい歌声は、まるで秘密の花園でゆりかごで揺られているかのような気持ちのよさ。会場には色とりどりの涼しげな夏の花々が庭園のように活け込まれており、マリエッラ達が歌いだすと照明が木々を照らしその葉影がホールの天井に映し出され、一瞬にして、彼女達が奏でる幻想の世界に私達聴衆をいざないます。マリエッラのプリントのタイトなドレスもとても素敵でした。まさに五感をさまざまな面から刺激され、ひとときの華やかな夏の夜の夢のようで素晴らしいリフレッシュになりました。気持ちが満たされ、涼しく静かに落ち着き、とても爽やかな気持ちで会場を後にしました。