漁業経済学者のひとりごと in 小浜

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書いた物は残る

2010年12月21日 21時36分34秒 | Weblog
大学院生の頃,
東海大学の林先生という方の所に
ミナミマグロの保存管理のことを伺いに訪れたことがあります。

お名前しか知らなかったのですが,
お会いすると結構なお年でした。
間もなく定年だとお聞きしたと思います。

私がミナミマグロのことを伺うと
「私の研究生活でこれと言うものは2つしかしていないけれど,
 ミナミマグロの件は,そのうちの1つだ」
とおっしゃいました。(・・もちろんご謙遜)

で,「その論文が載った雑誌は引っ越しを繰り返すうちに
どこかへ行ってしまった」と言われたので
「それは残念ですね・・」と言うと
「水産関係の図書館に行けばどこにでもあるから,そうでもないよ」
とおっしゃいました。

かっこいい・・と思うと同時に
私が書いているあんな文章やこんな文章も
残って行くんだな,しっかり書かなくては・・
などと思ったりもしました。

今日,取り出してきた「北転船」の論文は
自分でも不出来だと思って,泣きながら書き上げたものです。
(事情があって,どうしても提出しなくてはならなかったので)
執筆している時に
「これは不出来な論文と自覚出来るなら良い」と
励ましてもらったのも良い思い出です。

北転船

2010年12月21日 20時34分07秒 | Weblog
今日,とある新聞社の記者さんから電話がかかって来ました。
「北転船」について教えて欲しいとのこと。
私が10年前に書いた論文を基に
探し出して来て下さったのです。
(論文は国会図書館で見つけられたとのこと・・)

私自身,北転船の研究は,その論文を1本書いただけで
やめてしまったので,何の役にも立てませんでした・・
やめた理由は,あまりにもデータがとれなかったからです。
論文を書いたこと自体忘れかけていました。

で,
早速だから読み返してみました。
まぁ,論文として優秀な部類とは言えないでしょうが(たぶん)
随所に当時私がこだわっていた「制度」というものへの
考察が見られ
そのまわりくどい言い回しは,「若いなぁ」と感じました。

折しも,ちょうど「制度の分析」をテーマにした論文
(これも10年近く前)を読み直していて
そのくどさにクラクラしています。
でも,ズワイガニがどうたらこうたらよりも
自分らしさが出ていたかもしれない・・とも思います。