漁業経済学者のひとりごと in 小浜

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カニ漁船乗船記

2008年07月18日 17時27分42秒 | Weblog
私が乗ったズワイガニ漁船は35feetとかなりの小型船でした。
日本の沿岸漁船を想像して頂ければ,そんな感じです。
普段に比べると波は穏やかだったそうですが,かなりゆれました。
私は船酔いしない自分の体質に感謝しました。

夜中の22:00出港,途中でシャーベット状の氷を仕入れて
いざ,漁場へ。

操舵を担当するのは,JimとJimの兄で,
乗組員はJimの兄の息子(Dan 18歳)。
この3人で通常は操業します。今回は役立たずの私が加わりました。

漁場までは,4時間程度(41マイルだとのこと)かかります。
その間,操舵を担当する2人は交代で休憩しますが,
私とDanは,ずっと休むことになりました。

が,休むスペースは非常に小さく(2.5畳くらい?)
そこにベンチみたいなのがしつらえてあって,
マットレスみたいなのが置いてあるだけ。
私は体が小さくて良かったなあと思いつつ,
しかし2時間くらいで目が覚めてしまいました。

日が昇って最初の操業開始です。
Jimがウィンチでカニカゴを引っ張り上げ,
Jima兄とDanがカゴを開けます。

するとズワイガニが,どばぁーと船上に水揚げされます。
大漁とのことでした。

Jim兄がカゴに次の餌(韓国船が獲ったイカ)を仕掛けて
船の端に片付ける傍らで,
JimとDanがカニをパンに並べて行きます。
サイズ規制とミズガニ規制があって,
小さいカニとミズガニの所持・水揚げが禁止されているので,
そういうのは海に戻して行きます。(捨てている様にも見えましたが・・)
ちなみにメスガニも規制されていますが,全く混穫されていませんでした。

全てのカゴ(50個)の水揚げが終わると,
船倉にカニを詰め込みます。
不思議に思ったのは,日本ではカニは必ず裏返しに置くのですが,
(これは品質保持のためです)
カナダでは全部,表を上にして積んでいました。
後でJimに聞くと,特に理由はなく,積みやすいからとのことでした。

船倉には,先に仕入れた氷が入っていて,
氷とカニを層状に詰めている様でした。

次にカニカゴを仕掛けます。
Jimが船を走らせて,タイミングよくJim兄がカゴを海に投げ入れます。
Danは投げ入れるカゴの準備をしてJim兄に手渡します。

これで一操業が終わります。約3時間。

私は何をしていたか・・
ずっとビデオを撮影し,写真を撮っておりました。

次の操業まで2時間くらいあるので,みんな一休み。
私は疲れ切ってケーキを1つ食べることができただけでした。
トイレの問題があるので,水はこの日の操業終了まで100mlも飲みませんでした。
おむつは1回変えたきり。
(Jimがそのためのスペースを作ってくれたので使わないと悪いと思って)
他の人たちが紅茶を飲んだりしているのを羨ましく見ていました。

3回目の操業が終わったところで,
ゆでガニをJimが作ってくれました。最高に美味しかった!

さて,次の操業の開始です。
全部で4回の操業を行いました。
6000lb(2.8トン)の水揚げがあったそうです。

そして次の航海で全部のクォータを獲ったということで,
今年のズワイガニ漁業は終漁しました。

家に帰ったのは翌々日の午前2:00で,
とにかくのどが渇いていたので紅茶を2杯飲み,
Jimの奥さんが作っておいてくれた夕食を少し食べました。

午前3:00就寝。そして3時間後に起床・・続きは次のブログで。
コメント
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