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御神木の保護 と 超大型クローラ・クレーン

2020年06月24日 09時00分00秒 | 雷日記
こんにちは。  落雷抑制の松本です。

 神神社などにある高さ40m近くにもなる杉やヒノキの御神木。 これらを落雷から保護したいという要求があります。 高さ40mを超える柱もありますが、かなり高価でその基礎も大変な工事になります。 40mの人工的な柱を支えるには約7mの深さまで基礎工事が必要で、そのような工事をするための場所があるとも限りません。 柱で一番身近なのは、電柱ですが、その高さは、多くが14m程度です。 その3倍の高さを想像すると、40mと言うのはかなりの高さです。

 そのように高い柱を建柱するよりは、御神木自体に避雷針を抱かせてしまおうというアイデアですが、樹木の先端は細いですから重量物を支持することは無理で、PDCE避雷針を取付ける支持体を軽くせねばなりません。 通常は金属製のパイプですが、これをCFRP(炭素繊維で強化されたプラスチック)で作りました。 全国各地の現場まで運ぶには、短いものをつなぐ必要がありますが、全長14mの CFRPパイプの重量は約10kg程度で、先端のPDCE-Baby という小型のPDCEと合計しても13kg以下ですから、御神木にとって大きな負担にはなりません。 避雷導線も必要で、これも上から下ろしてきますが、要所要所で幹で重量を支えます。

 これとほぼ同時に高さ160mと言う巨大なクローラ・クレーンの話もいただきました。 160mといえば、ほぼ東京タワーの半分の高さ、第一展望台まで届く高さです。 そのように長いブームを陸上で運搬することはできませんから、当然、短いものを現場で組み立てるのですが、スゴイと思うのは、そのブームの一番下でブームの重量を支える部分です。 クレーンですから、ブームの自重だけでなく、吊り下げるものの重量も支えなければなりません。そのような土台はクローラ(別名:キャタピラ)で移動もできるのです。 クローラを支える地面も全ての重量を支えるのですから、軟弱ではだめで、クローラが移動する部分は地下数メートルまで固めた上に敷き鉄板を敷き、その上を移動します。

 建築物のみならず、御神木、超大型クローラクレーン、FPSO船(石油精製プラントを備えた大型船)、巡視船、風力発電施設、など色々な用途への引合いを頂きますが、中にはPDCEでは無理な場合もあり、別のソリューションを提供します。 毎日のように変化に富んだ要求を頂いて面白いのですが、その多岐に渡る分野で、自分の側のPDCEの事だけでなく、相手側の事情も良く理解しなければなりませんから、色々な用途に巡り会うたびにノウハウが増えていきます。 私の雑学が発揮できる場面も多く、この仕事の幅の広さを楽しんでいます。 そのように色々な場面でお使いいただき、今月末で、今までに設置した総数が2500台を超えます。

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