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周囲100mから電荷を集めているのか?  という質問への答え

2024年03月08日 09時00分00秒 | 雷日記

こんにちは。落雷抑制の松本です。

 弊社に、保護範囲100mの中から電荷を集めているのか❔という問い合わせをいただきました。 「そのような事は、ございません。」 というか、そのような現象をを測定することなど不可能であると回答しました。 自然現象を説明する中でこういう、100mなどという分かり易い数字を見たら用心すべきなのは、

1)自然界で100mというキリのよい数字で自然現象が発生するなど、まあ、あり得ない事です。 日本では10進法のメートル法に慣れていますが、米国ではインチだ、フィートだ、ヤードだと「メートル」などと言う言葉は聞きませんし、例えば円周率【π】なども3.1415926535897932384526433795628...ですし、自然対数の底も e=2.71828182845904523536028747135266249775724709369995… と人間の社会生活に合わせた切りの良い10の倍数などで発生することはあり得ません。 自然界は、我々の社会生活になど迎合しません。自然現象がが耳に心地よい100mで発生するなどと聞いたら「ダウト!」と思った方が正解です。 弊社も保護範囲に100mを使っていますが、これは安全率読み込んで丸めた数字ですので、この場合にはきりのよい100mと言っています。

2)また、測定技術からして、スカラーを測定するのが限界で、「集まる」のような、動き、方向性を持つ測定は不可能です。それも地表という2次元の世界だけでなく、上空まで含めた3次元での世界での測定など、できない事なのです。

弊社は、できない事をしたかのように説明することはしないように心がけています。 こういう耳障りの良い事をでっちあげるのは、御自分では測定を試みた事もない方の白昼夢のようなものです。 これが本当の事であるか否かは、「どの様に測定したのか?」を問い合わせてみる事です。

落雷抑制の技術が浸透するにつれ、その原理であるとか、効果について一般の方々の興味がわいてくるのは非常に良いことで、ありがたく思います。そう言う時に、不可能な測定をしたかのように説明するなどしてはいけないことです。 正しく理解していただく事で科学的なリテラシーの向上に少しでもお役に立てれば幸いです。  

 

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