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木材・石炭・シェールガス 文明史が語るエネルギーの未来  石井 彰  PHP新書  

2018年10月03日 09時00分00秒 | 雷日記
こんにちは。 落雷抑制の松本です。

「「世論」の逆が概ね正しい」とは、尊敬する西部先生のお言葉ですが、昨今の「自然エネルギー」狂想曲に胡散臭さを感じていましたが、本書はその胡散臭さを見事に説明しています。 

18世紀の産業革命以前は、人類は100%再生可能エネルギーのみを使用してきた。しかし、エネルギー密度が低いという再生可能エネルギーの原理的な限界、供給量の限界、効率の限界によって、世界の人口やその生活水準、平均寿命は現在と比べものにならない位低かったのです。木材を燃やすしかなかった時代、森林は伐採で自然環境が破壊され、そこから人類を解放したのがエネルギー密度の高い石炭であり、取扱いの便利な石油であり、次に原子力というのがエネルギーの歴史的な流れで、それにより電気が身近に使え、これは各国の経済状況のみならず平均寿命まで改善してきたのです。

エネルギーの利用と環境破壊は原理的にどうにも両立できず、多少の技術革新ではどうにもならない。自然エネルギーではエネルギー密度が低く、それで膨大な人口を支えることはできなず、化石燃料はいずれ枯渇し、二酸化炭素排出という「業」から逃れられないし、原子力も放射能汚染という原理的宿命を「業」として持つ。100点満点の解決法などないのです。「我が家は太陽光発電で自立し、余剰分は売電までしている」と胸を張ったところで、価格的には他人まで巻き込んだトリックの上で成り立つだけの話で、いずれ廃棄処分にせねばならない太陽光発電パネルの廃棄物処理まで考えれば、決して100%の完全な回答ではありません。

地球環境の破壊という点では、二酸化炭素による温暖化だけでなく、経済活動による森林面積の大幅消失、化学物質・毒物汚染、生物資源の絶滅、砂漠化による水資源の枯渇など、色々ある中で、温暖化ガスだけの問題ではないのですが、ここだけに焦点が集まり、再生可能エネルギーが新しい時代への「革命」や技術の「革新」などでなく、中世以前への回帰、復古運動の一種なのです。

エネルギー密度の高い物をより安全に使用する事こそが、文明の発達であり、潤沢な電気があってこその電気自動車なのです。 その潤沢な電気を如何に安全に、地球への環境負荷を抑えて作るか。。イデオロギー、感情論を抑えて判断すべきで、年間数万人の自殺者が出る社会の経済状況が悪化すればさらにこの数も増えます。 原子力関連の事故で亡くなった人の数は圧倒的に少なく、過去の怠慢による事故の結果を未来に延長するのは馬鹿げているのです。 日本の非常に高い人口密度、人口の多さ、エネルギー需要の高さ、国土の地形、気象状況、位置条件など、世界の主要国で再生可能エネルギーを導入するには最も恵まれない条件にあることを理解しなければなりません。

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