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残念な新型アウトバック  小排気量だけがエコなのか?

2014年11月05日 09時00分00秒 | 雷日記
こんにちは、落雷抑制システムズの松本です。

スバルのアウトバックに乗り続けて10年。新型を期待していたのですが、ガッカリでした。新型車はボディが大きくなったのにエンジンは2500cc自然吸気の175馬力。少し前に出た「レボーグ」は「アウトバック」より小ぶりなボディに2000cc 直噴ターボで300馬力。 小さなボディの弟分の方がエンジンは強力なのです。 アウトバックにも3000ccは米国では発表していますが、日本では遠慮しているのです。エコの時代に3000ccの車などそぐわないと言うのですが、外国には、3000ccどころか6000ccを超えるものまで堂々と販売されていて、3000cc位で遠慮することは無いのです。エコの尺度が排気量と言うのは思い違いですし、それならなぜ米国では販売しているのか?

今までの3000ccのアウトバックの後継が全く無くなってしまったのも同じです。まあ、スバルと言う小さなセグメントのこのような話はどうでも良い事ですが、日本の車メーカーのすることはスケールが小さすぎます。 エンジンを小ぶりにすればそれでエコと思い違いをしているようです。これはエコと言うより「精神の貧困」と言うべきものです。車には遊び心が最も必要なのです。

それと比べると、ドイツの某メーカ、恐ろしくスケールの大きな事をしているのです。ドイツは機械だけでなく化学でも世界の先端で、風力発電で利用して水を電気分解し、それで得た水素と二酸化炭素からメタンを作り、このメタンとガソリンの両方で走る車を作っているのです。風力の様な一定しないエネルギーを電気のまま貯め込むとすると、この大規模なバッテリーは相当高価になります。風力で発電した電気エネルギーを水素に変換してしまえば、水素と言う形で保存できます。これを水素のまま使うより二酸化炭素と共にメタンに変えてしまえば、メタンの方が体積当たりのエネルギーは3倍になるのです。しかも扱いが簡単になると言う事で、車にはガソリンタンクとメタンガスのタンクの両方が備えられ、エンジンはどちらの燃料も使えるのです。これは二酸化炭素は排出しますが、回収し、再利用するので循環するだけです。

自然エネルギーと言う不安定なエネルギーを水素に変え、更にメタンを合成すると言うのは、流石、第二次大戦中も人造ガソリンで頑張った国だけの事はあります。将来の燃料をどうするのか? 原発が動いていれば、夜間のベース電源を利用した電気自動車の選択もありますが、それが期待できない現在、電気自動車と言えども、自前の発電機を搭載し、そのエンジンはメタンで動かすとか、脱石油をどの様な形で実現していくかは選択肢が沢山あります。それを果敢にも車メーカが推し進めているのですから、日本のメーカの視野の狭さ、行動力の無さが気になります。自動車メーカにも化学者が必要で、化学者と共にメタンの生成からメタンガス・スタンドまでの大きな青写真を具現化できる人材も必要で、これは従来の自動車メーカの枠を超えた部分です。ドイツでは車メーカがそこまでやっているのです。

スバルの場合、いずれ日本でも3000ccを出すことでしょうが、それまでには今までの3000ccユーザは他に流れてしまい、戻って来た時には誰もいないと言うことになるでしょう。しかし、こんなことは小さな事でどうでも良いかもしれません。エンジンを小ぶりにすればそれでエコだと思っているようではダメです。電気自動車は排気ガスを出さないからエコだ。これもダメです。 どうやって電気を得ているかまで遡って考えねばなりません。自動車産業は、今やエネルギー政策と共に車の動力源をどうするかを考え、実用試験を始めるべきです。

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