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オスプレイ   その2

2012年07月05日 09時00分00秒 | 雷日記
こんにちは、落雷抑制システムズの松本です。

このブログ、昨夜の「ニュースステーション」に先を越されてしまいました。このブログを用意したのは先週末でしたが、タイミング悪かったですね。もっと、早めにだすべきでした。。。

オスプレイが厄介者のように報道されています。バランスを失って墜落する映像が繰り返し使用されますが、あの映像は開発途上の事故であり、現在はあのレベルでの事故ではないハズです。オスプレイには次の2機種があります。この2機種の構造はほぼ同じですが、用途が異なります。

CV-22 空軍  捜索救難用  事故率 13.47回(飛行10万時間当たりの事故回数)
MV-22 海兵隊 輸送用    事故率 1.43回

事故の多いのは空軍のCV-22で、これは特殊作戦に使用されるためのもので、例えば不時着したパイロットや機体から脱出したパイロットを敵地の中で探し出して救出するミッションで、敵に発見されないように超低空で侵入し山肌をぬって飛行します。どんなに安全な航空機を使用したとしても危険と隣合わせの仕事です。一方、MV-22は、民間の旅客機のようにただ物資・人員輸送だけですから、MV-22の事故率は1.43回と低く、これは海兵隊の全ての航空機の事故率2.4回よりも低い値です。

この2機種をオスプレイだからということで一緒にしたら間違いです。CV-22の事故率の高さは機体そのものが原因ではなくてミッションによるものなのです。運用評価は既に2005年に終了し、それから7年も経過していますから、かなり習熟しているはずです。にもかかわらず、開発初期の事故映像を繰り返し、まるで欠陥機の如く印象付けるのは何か意図あっての事のように見えます。これが公正な報道と言えるでしょうか?「Widow maker」(未亡人製造機)とは、ジョーク好きの米国人のよく使う言葉で、過去にそう呼ばれた飛行機は多々ありました。オスプレイだけではありません。しかし、それを克服してきました。

現在使用中のCH-46ヘリなど初飛行が1964年ですから、これはかなりの老兵で、これをそのまま使用している事故率の方が高くなる心配があります。飛行機の事故率は、運航したての最初の頃と、寿命が間近になった最終期で高くなりますから、これから事故率がより低くなるのはMV22、事故率が高まるのは現用のCH-46 です。新しい技術には常にハードルがあり、技術的なハードルは乗り越えられても人々からの偏見というハードルは越えるのが難しことがあります。「オスプレイが事故を起こしたらだれが責任を取るのですか」と、森本防衛大臣に対し問答無用の拒絶をしていた沖縄県知事/宜野湾市長/岩国市長さんたち、今後、CH-46の老朽化が原因で事故が発生したら新しい機種への変更に反対した責任はどう取るのでしょうか?住民の方の感情的な反対は理解できますが、知事や市長は、住民との感情的な一体感より、一歩下がって全体を俯瞰することが必要ではないでしょうか。

CH-46 も MV-22 も両方とも無い事を願っている方々には、意味の無い話しではありますが、単なる機械と見て、今後20年間使用する時の危険率からすれば、オスプレイを選ぶ方が理にかなっているかと思います。まあ、ただの飛行機オタクの戯言ですが、固定翼の航空機が垂直離陸をするというのは航空機の歴史からすればこれは素晴らしいことでして、私はオスプレイの発展を期待しています。


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