ネイビーブルーに恋をして

バーキン片手に靖國神社

サンフランシスコの一日

2022-09-09 | アメリカ

MKの大学院入学のために、西海岸にやってきました。
間にコロナ禍があったため、実に3年ぶりのベイエリアです。

着いて早々に、かつて住んでいたサンフランシスコに行くことにしました。

MKがバックパックの買い替えのためにセレクトした店があり、
さらに、日本酒専門店、お茶の専門店にも行ってみたい!
ということで、車で30分ほど走って市内に到着です。

■ピークデザインのバックパック



まず、バックパックを購入するためヘイズエリアへ。

ここはシンフォニーホールやジャズ音楽院があって、
アーティスティックな人たちが集まる活気のある界隈です。

お洒落なお店が並ぶ一角に、オリジナルのカメラバッグ専門店があります。


peak designというこのブランドは、日本でも商品購入可。
売りはバックパック型のカメラバッグです。

「2010年、アメリカのキックスターターで資金募集を成功させ、
一躍その名を世界の写真業界に轟かせた」


という企業で、カメラマンである 創業者が、
アウトドアでの撮影時の不満を解消するための画期的なものだとか。

「スキーをしながら写真を撮りたいと思ったとき、止まり、
ストックを地面に刺し、バックパックのストラップをはずし、降ろし、
カメラを取り出す。撮り終わったらその逆…
毎回そんなことはしていられなかった。
撮りたいと思った瞬間はあっという間に去ってしまう」

彼はその経験から、いつでもすぐに簡単にカメラにアクセスでき、
かつ安全にそれを持ち運ぶ方法を考え、デザインし、製品化しました。

peak design

こちらで買うと、日本の代理店よりはもちろん安価です。

軽くて中には仕切りがあり、レンズなどを入れるのに便利。
MKは軽さと完全防水と仕切りの多さでこれを選んだようです。
実際に見て、グレーのバックパックが気に入ってお買い上げ。

昔、中高生くらいの時にもう少しルーズな形の
オリジナルバックパックを買ったTIMBACKの本店は、
偶然この向かいにありました。

Timbackはもういいの?と聞くと、MKは「卒業した」と答えました。


■ 日本酒専門店 TRUE SAKE



さて、次はTOとMKの希望で、日本酒専門店、
TRUE SAKEへ。



「True Sake」はピークデザインの道を隔てて向かい側。
アメリカ国内唯一の本格的な日本酒専門店です。

日本からお酒を送るのが大変なので、ここから何度かアメリカ国内に
(お礼とかMKのお祝い用とかで)お酒を送ってもらったことがありますが、
実店舗に行ったのは、もちろんこれが初めてです。

わたしはお酒を飲まない飲めない体質なので、
二人が選ぶのをぼーっと横で見ていただけですが、結局、
「作」 ZAKU ざく 穂乃智 ほのとも
というお酒をを購入したようです。



「ZAKU」は、世界一おいしい日本酒を決める、
世界最大の日本酒コンペティション「SAKE COMPETITION」にて
第1位に輝いた、三重県 清水清三郎商店の定番純米酒です。




買い物を済ませて車に戻ろうとすると、街角に
「かき氷(シェーブドアイス)の店 NAYA」というお店がありました。

ジャパニーズカレーというメニューもあったので日系の店かと思ったら、
かき氷は日本風ではなく・・どこだろう?とにかく南国風です。

まずこの「氷」ですが、水を凍らしたものではなく、
なんだか物凄くふあふあしていて甘いのです。

「なんだこれ・・・甘い」

「練乳凍らしてるのかな」


何かわからないままに三人で美味しく食べてしまいました。
後で調べたら、練乳混じりのかき氷は台湾風なんだそうです。


■ SONG TEAでお茶の葉購入

さて、次はピッツバーグで贔屓にしていたコーヒー専門店、
「コンステレーション」のクリフとエイミーおすすめの、
お茶専門店、SONG TEAのあるサッター通りへ。


「コンステレーション」で、わたしたちは時々
コーヒー以外のお茶なども楽しんでいたのですが、特に気に入ったのが

「佛手 ブッダズパーム(仏の手のひら)」

という紅茶のように甘い美味しい台湾烏龍茶でした。

彼らに、それを仕入れている店がサンフランシスコにあると聞いて、
ぜひ行ってみようと前々から言っていたのです。



するとその前の教会から見たことのない民族衣装の人たちが
大量に出てきたので、思わずなんだろうとそちらに注目したら、
教会には「マセドニア・バプテストチャーチ」とあります。

「マセドニア・・・マケドニア・・?どこのことだっけ?」

マケドニア文明というとギリシャ的なイメージがあるから、
あの辺の人たちなのかしら。

しかし、やっぱりアメリカっていろんな人種が暮らしているんだなあ。


SONG TEAでは、烏龍茶「佛手」の他に、
人参茶、マシュマロ茶、などのノンカフェインセットを買いました。

MKがお茶を飲むための急須と湯呑みが欲しいと言っていましたが、
ここで扱っている陶器は作家ものなのでお値段に手が出ず。

「どこに行ったらあるかな」

「やっぱりジャパンタウンでしょう!」



■ ジャパンタウン

ということで、この後ジャパンタウンに車を停め、昔からある
ジャパンタウンの荒物屋さん、「SOKO」(倉庫)に行きました。


SOKOで湯呑み3個と急須を買いました。
湯呑みの模様の処理が日本で売っているものにはない雑さですが、
これはアメリカだから仕方ない・・・のかな。


この日ジャパンタウンに行ってびっくりしたことは、
普通のモールにはあり得ないようなその人の多さ。
今まで何度もここに来たことがありましたが、
こんなに人が溢れかえっているのを見るのは初めてです。

日本人にとっては扱っている商品はともかく、その佇まいも
実に昭和な感じの臭みみたいなのがあって、
決して居て心地の良い空間というものではないのですが、
どこに行っても金太郎飴のように判で押したようなアメリカのモールに
飽きた人たちにとっては、たまには来てみたいところかもしれません。

それにしても、この日は人大杉。
一体ジャパンタウンに何があった。

「もしかしたら鬼滅の刃のヒットとか関係あるかな」

「鬼滅とは限らないけど、まあ、日本のアニメとか文化に
興味を持つ人が前より増えたってことなんじゃないかな」




なぜか突如現れる大阪城。
訪れている人の人種は圧倒的に東洋系が多いのですが、
これが皆日系とは思えないんだよなー・・・。



文化祭のデコレーションみたいなこのチープ感よ。



夕ご飯にはここでうどんを食べようということになりました。

お店の入り口には名前を登録するiPad状のものがあり、受付は無人。
時間が来た時に前に戻っていれば案内してくれるという仕組みです。

雰囲気は昭和ですが、この辺は普通にハイテク日本です。(意味不明)

しかし、予約時間に店の前に全員が揃っていなければ入れてくれません。
後から一人くるから、という言い訳は一切できない厳しい掟でした。
(TOが時間に帰ってこなかったのでしばらく入れなかった)

で、頼んだうどんですが・・まあ普通か、ちょっとその下くらいかな。
30分も待って食べる価値があったかというと、もちろんそれはありません。

ここがアメリカだから我慢して食べてやるというレベルでした。


MKが頼んだカレーうどんの方が美味しそうです。

■サンフランシスコ北西岸



今回サンフランシスコに来て、とても残念なニュースを知りました。

映画「1941」の冒頭で、三船敏郎艦長の日本の伊号潜水艦が浮上し、
その時に潜望鏡に全裸の女性が捕まっていたシーンで有名な(有名かな)
サンフランシスコの右肩部分海岸にあった絶景レストラン、

「The Cliff House」

が、2020年12月31日に閉店していたのです。

理由はやはりCOVID-19による影響ですが、
家主である国立公園管理局(NPS)が長期リースを遅らせたせいです。

ただ、サンフランシスコの象徴的な建物であり、場所なので、
サンフランシスコ監督委員会はNPSに対し、テナントを探す一方で
レストランの業者をすぐに見つけるように促す決議案を可決しました。

公園管理局はそれを受諾したので、次に来た時には
素敵なレストランがオープンしてくれていることを祈ります。


レストランがオープンしていないと、車を停めるのだけは楽ですが。


この日はいい波が来ているらしく、たくさんの詩人か馬鹿か、
あるいはその両方が、波間に浮かんでいるのが見えました。


■ ゴールデンゲートビーチ



サンフランシスコに来たら一度は行かねばならぬ。
それがゴールデンゲートビーチのクリッシーフィールドです。

ジャパンタウンとは別の日、散歩を目的にやってきました。



アルカトラズも健在。



日差しは強いですが、空気が冷たいので本機の散歩には絶好の日和です。
歩きながらバードウォッチングも楽しめます。



ヒッチコックの「めまい」のシーンにも登場する岸壁の鎖。
これは、人のためというより車が飛び込むのを防止しています。

経年劣化で鎖どめにレイヤーケーキのような層が現れていますが、
これってそろそろ車が突っ込んだら倒れるんじゃないだろうか。



その昔、この建物、パレスオブファインアーツの横に
サンフランシスコの科学館があって、サマーキャンプに参加したものです。

この一角は、1915年サンフランシスコ万国博覧会の用地として
土地を埋め立て平坦にし、この壮麗な建物もそこに建造されました。

科学館はその後フィッシャーマンズワーフの並びの埠頭に移転しました。


■残念だったミッション地区のディムサム



レストラン探しは主にMKの検索能力とカンに頼ることが多く、
それは概ね成功していつも美味しいご飯を食べているこの頃ですが、
この時行ったミッション地区は、レストラン以前に、
街が少し物騒なところなので、それがちょっと問題でした。

どう物騒かというと、ホームレスがやたら多く、その結果、
街角を一人で歩くのは無理、という雰囲気です。
おそらく夜になったらもっとやばいことも起こっていそうな気配が。

サンフランシスコはホームレスが路上で楽に生息できる気候なので、
その結果、ダウンタウンの目抜き通りを一筋外れると、
昼間でも女性一人では怖いくらいそこここに人が座り込んでいます。

問題は、夏場は雨が降らないので一帯が物凄い臭いになることですが、
ミッション地区繁華街もそういう地域の一つです。



この時の中華点心は、確かにとてもおいしかったでのすが、
トイレに行くとgの死骸が転がっていたり、最初に通されたテーブルも
真横に子供用のハイチェアが積み重ねてあったり、
それが嫌で外のテーブルにしてもらうと、下水臭い空気が漂ってきたりと、
まるで中国本土の食堂のような猥雑さが、わたしには今ひとつでした。



■ かつて住んだ地区モールの変貌



昔住んでいたストーンズタウンという街の横には、
閉店した大型本屋のあるモールがありましたが、今回横を通りかかると
ここになんとWhole Foods Marketができているので、驚きました。

かつてこの隣に住んでいた時は、サンフランシスコ中心に二つしかなく、
わたしは買い物のたびにそこまで車を走らせていたのですが、
もしその頃ここにあればどんなに楽だったことか。



おそらくここは、メイシーズか何か、
大型デパートがあった場所で、異常に店内が広々しています。



そしてもっと驚いたことに、モールの一角に丸亀製麺が登場していました。

うどん県香川とはなんの関係もないという丸亀製麺、
そして香川の人には滅法評判が悪いという丸亀製麺ですが、
サンフランシスコなんぞに出店するまでグローバル化していたとは。

香川の人は決して行かないでしょうが、わたしたちは行ってしまいました。



カウンターを進みながら基本のうどんにトッピングを足す方法は
日本国内と同じシステム。

やはりお客さんはアジア系が多いように思われます。



で、肉うどんを食べてみました。
まあ、ジャパンタウンよりは美味しい気がしましたが・・・
そもそも丸亀製麺で食べたことが2度しかないわたしには
評価のしようがなく・・・というかちょっと辛めで辛かったです。
(からめでつらかったと読んでください)

■ やよい軒@ヒルズデール

実際、アメリカで食べた日本食で美味しかったことはほとんどありません。

日本人だから何かと粗が目に付くし、当然ながら点数も辛くなるし、
アメリカ人にはわからない小細工も容易に見抜けてしまうしで、
行ってはみたものの、いつも期待を裏切られるのが常です。

ラーメン店だけはなかなかのレベルのところが多いような気がしますが、
それはラーメンという料理の素材が地域を選ばないからでしょう。

そして、失望するかもしれないと思いながら、
パロアルト店に引き続き、またしても行ってしまった、やよい軒。



お昼を大分過ぎた時間で、店内はガラガラでした。
注文はパロアルト店と同じiPadで選ぶ方法でしたが、
ここではお運びもロボットがしてくれるシステムを導入していました。

このロボットの横をウェイターが付き添って歩いてきて、
テーブルに料理を置くと、ロボットは帰っていきます。

ウェイターの腰には優しい技術かもしれんね。



サバ塩焼き定食を頼んでみました。
副菜が少なすぎ!そして辛い!
どうしてアメリカの日本食はどれもこれも味つけが濃いのか。



緑の餃子も、日本の食堂で出るものと寸分変わりない味でした。
(美味しかったとは言っていない)



結論:日本人はアメリカの日本食に期待してはいけない。
決して。


続く。