ネイビーブルーに恋をして

バーキン片手に靖國神社

主力戦闘機「F/A-18」の稼働率?〜在日米海軍基地見学記

2017-03-08 | アメリカ

さて、在日米海軍基地の見学ツァー、ブリーフィングが終わりました。
いよいよ、滑走路に出て飛行エリアを見学です。

ところで、基地見学にあたってはわたしたちはくどいくらいに

「写真を撮ってはいけないところは前もって言ってくれ」

と米軍側に念を押してありました。
ところが、蓋を開けてみれば航空機の写真も滑走路もOK、
航空機のコクピットもOKならわざわざ蓋を開けてエンジンを見せてくれ、
それを撮るのもOKといった具合で全く拍子抜けしてしまいました。

まあ、ロナルドレーガンにどれくらい航空機が勤務しているかなんて 
隠していることでもないし、基地公開の時には航空機の写真も許されるし。
意外だったのは自衛隊機の駐機している部分を撮らないように、
といわれたことだったでしょうか。
同行した防衛省関係者によると

「自衛隊の方がそういうことに関しては色々と厳しいです」 

ということでした。

そういえば今日までの間に、ホーネットに関してはこんなニュースもありました。


厚木のFA18、6割飛べず? 在日米軍、東京新聞の「憶測」記事に遺憾表明

東京新聞は2月17日付朝刊で
「厚木の米軍機FA18 6割飛べず? 部品なし修理不能 米専門紙惨状掲載」
と題する記事を掲載した。
これに対し、在日米海軍司令部(神奈川県横須賀市)は23日、
「記事には多くの憶測が含まれており、日本国民の皆様の誤解を招き、
誤った情報を与える恐れがある」として見解を発表。

艦載機が厚木航空基地に配備されている第5空母航空団は
「常に日本を防衛する即応態勢にある」と説明し、
「米海軍に事実やコメントを求めることなく
東京新聞がこのような憶測を掲載されたことは残念」
と遺憾を表明した。

同司令部の広報部長も日本報道検証機構の取材に応じ、
厚木に配備されたFA18戦闘攻撃機のうち約30機が稼働できないという憶測は
「誤りです」(false)と明言した。

記事の後半では、この問題が在日米軍に与える影響について
「62%が稼働不能という数字を神奈川県の横須賀基地を事実上の母港とする
原子力空母『ロナルド・レーガン』の艦載機が配備された厚木基地にあてはめると、
FA18は約五十機のうち約三十機が稼働できないということになる。
圧倒的な航空攻撃力を誇る空母機能の半減を意味し、
日本防衛に資するはずの米軍の戦力に疑問符がつく。
飛行時間の不足は事故に直結するおそれもある」
と記していた。

記事には、米海軍や専門家に取材した形跡はなかった。
ただ、市民団体が昨年11月から今年1月までFA18の飛行状況を調べた結果から
「稼働する機体が少ないことを裏付ける結果になっている」
と自らの推測の妥当性を印象づけていた。

 

おいおい、つまり東京新聞は市民団体に基地周辺で監視させて、飛行が少ないとか言ってるわけかい。
この季節、アメリカ人はクリスマス休暇というものがあってだな(略) 

 

在日米軍はこの憶測で書かれた悪意の記事に反論し、

「第5空母航空団が完全に任務遂行可能であり続け、空母ロナルド・レーガンの艦上から展開し、
地域に安全と安定を提供し、常に日本を防衛する即応態勢にある」

と強調したということです。

というわけで、我々はちゃんとホーネットが滑走路に並んで、
即応体制にあるということを確認してまいりましたので、ここで写真をあげることも
おそらく向こうの望むことであろうと思い、取り上げることにしました。

もし米軍からのクレームが来たらこの日のエントリは取り下げますので、
突然消えたらそうだったんだなとご理解ください。

(と、いつも見切り発車するわたしであった) 

 

 

 

滑走路始め航空機を見学するために、車で別棟に移動すると、
そこには海上迷彩服の偉い人(飛行隊の司令)が説明とエスコートのために待っていました。 

移動中に通り過ぎたコーナーには空港にあるような金属探知ゲートが。
横には手荷物をチェックする台があり、全く空港の待合室と同じです。

直接アメリカと航空機が行き来しているってことですか?
それともハワイ経由かな?

パスポートのチェックはどこで誰がするんだろうとか、
それは日本側の入国管理なんだろうとか、考え出したら疑問だらけです。

障子をあしらった日本情緒あふれる部屋に通されました。
ここから一歩外に出ればそこはエプロンです。

例えばアメリカ本国や日本の要人が基地に来て見学する時には、
この待合室で待機して基地司令の説明を受けるそうです。

開設以来ここで撮られた白黒写真が飾ってありました。
調理人二人が持っているのはわかりにくいですが

「基地開設一周年」

と書かれ、基地のマークをあしらったケーキです。
ということは1946年に撮られたものということでしょうか。

それにしても、こんなに立てても下に落ちないケーキって一体。 

 

'DISTINGUISHED' という言葉を使うからには、
待合室といっても特別な、そう、「貴賓室」という位置付けです。

「ほー、ということはわたしたち特別扱いってことですか」

と同行の誰かがいうと、打てば響くように米軍の偉い人、

「もちろんです。我々はみなさんを特別に歓迎しておりますから」

「お・も・て・な・し」の心は在日米軍にもすっかり浸透しております。

国旗以外はなんだか全くわかりませんでした。
アメリカ海軍と基地のフラッグかと思われます。 

外に出るとそこにはホーネットの列線が!

尾翼にはテールコードの「NF」が書かれています。
テールコードとは 2つのアルファベットからなり、機が所属する基地と、
部隊マークからなる所属部隊を表す形で構成されています。

「NF」で第5空母航空団を意味します。
なぜNFなのか、 NFが何を意味するのかはわかりませんでした。 
これもアメリカの国認識番号『N』と関係あるのかな? 

空軍のエドワーズ基地は「ED 」とかわかりやすいんですけどね。

このブログでもお話ししたことがありますが、わたしは
岩国の海兵隊基地でレガシー
ホーネットを見せてもらったことがあります。
あのとき案内してくれたドライバーのブラッド(仮名)はもう帰国したかな。

日米通じてわたしが今までお近づきになった唯一の戦闘機パイロットが
このブラッドだったわけですが、彼はとにかく知的でクールで爽やかで、
人当たりも良く社交的でジェントルマン、おまけにイケメンという
ありえないくらいの高スペック・ガイでした。

おかげで以降戦闘機パイロットはみんなこのレベルの人なんだろうと
無条件で思うようになってしまったというくらいです。

ここのドライバーたちも、イケメンかどうかはともかく、技量的には
本国でも高い技術を持った生え抜きばかりだと聞いています。

まだ午前中だったので、飛行訓練が行われているようでした。
こちらのCH-130は何度もタッチアンドゴーを繰返していました。

 

向こうにビーチクラフトのスーパーキングエア
こちらはセスナC-35サイテーション

サイテーションには星のマークが付いていますが、
ちょうど陸軍軍人の男女が歩いていくのを見てもおわかりのように 
当基地で唯一の陸軍が運用する航空機です。

下で見たのはこれだけで、わたしたちは別の入り口から建物に入りました。
立ち止まる雰囲気ではなかったのでこれがなんなのかわからず。

建物の中にはなぜか螺旋階段がありまして、そこを登っていくと
滑走路が一望できる展望フロアがありました。

エプロンに立った時特有の航空燃料の匂いもしてきます。
待合室でわたしたちは一人一組ずつ大型の耳栓を渡され、
建物の外に出る前にこれを装着しました。

そういえば昨年末、当基地の騒音被害を訴え、飛行差し止め並びに
損害賠償を求めた第4次訴訟の上告判決で住民側が逆転敗訴し、
のみならず

「同小法廷は騒音被害による将来分の損害賠償も容認した
2審判決を破棄し、将来分の請求を退けた。」(産経) 

ということです。
米軍艦載機は岩国に移駐するという話もありますが、
それもこの判決に影響しているのでしょうか。 

上から眺めていると牽引車に引っ張られているライノくんが。
こんなお宝シーンが見られるのも基地見学ならではです。

翼が片方だけ立ててありますね。

こちら機体の上で整備中。

 

海上迷彩を着用しているこのメカニックは日本人です。
(もしかしたらアジア系アメリカ人かもしれませんが)

騒音をカバーするためのヘッドホンとゴーグルをつけています。

移動するホーネットには前後左右に一人ずつ人が付いて歩いています。
なんで左だけ翼が立っているのか気にかかる・・。

 

もしかしたらこれ燃料補給中ですかね。

この日はまさかここまで撮らせてもらえるとは思っていなかったので
デジカメだけしか持ってきませんでした。
こちらのシーホークも演習中。

牽引されていたホーネットが定位置についてパイロットが見えました。

機体整備中。
一応のことを考えて、内部にブラーをかけておきました。

他の航空機と比べてグラウンドセーフティピンのついた赤いフラッグ、
「REMOVE BEFORE FLIGHT」 が大きくて長いような気がします。

このフラッグ類は、ドラッグシュート(着陸時のブレーキになるパラシュート)が
開かないようにするためとか、ピトー管や、AOAトランスミッターなどの突起系、
射出座席、爆弾やミサイルなどに付けられています。

これらはプリフライトチェック(飛行点検)の時に整備員が外し、
引き抜いたピンは操縦席の搭乗員に見せるため高く掲げられます。
一旦操縦席に乗ってしまったら外が見えないので、
確実に外したことをこうやって確認するのです。 

翼の上の二人の整備員もお仕事中。
なにやらボトルの類がたくさん置いてありますね。

さて、同行の防衛省の方は、当然ですが基地事情だけでなく
武器航空機に大変詳しい方で、いろいろと説明をしてくださっていましたが、
それに対し合いの手を打つようにいちいち返答を返していたら、

「もう立派なオタクですね」

とひとこと言い放たれ、わたしは狼狽しました。

いかーんっ!

実は昨年の音楽まつりのとき隣に座った男女のうち女性の方が、いわゆる

「自衛隊オタクひけらかし系」

だったのです。
この女性、開場前に並んでいるうちから大きな声で防衛費がどうしたこうした、
と演説を打つがごとき勢いでアピールする人だったのですが、席についても
その勢い一向に衰えず、そのオタク知識(武装系ではなく自衛隊トリビア系)
を相変わらず大きな声でしゃべりまくり。

それはあたかも、若い美人を連れて歩いている不釣り合いなおっさんとか、
ブランド品をこれ見よがしに持つ女性と同類でした。
(その心は、本人が得意なわりに誰も羨ましがったり感心していない)

のみならず、これははっきりいってかなりみっともないというか、
周辺の人に不快感を与える振る舞いだと認識し、

人のふり見て我がふり直せという賢人の言葉をかみしめたばかりなのです。

こんなブログであれこれ書いているわりに、わたしは現実社会では
なにも知らないというふりをしてきました。(実際知らないのも事実だし)
んが、こんな宝の山みたいなシーンに遭遇して、つい舞い上がり、
興奮して必要以上に反応してしまったのでした。

「立派なオタク」

この一言ですっかり我に返ったわたしはその後極力おとなしく、
質問だけをしておりましたとさ。



続く。