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軍艦島〜護衛艦「あきづき」体験航海

2017-03-01 | 自衛隊

「あきづき」体験航海記に戻ります。

一般公開の日にはどこにでも潜り込む人間対策に、こんな風に立ち入り制限します。
確かに、これをしていなかったらわたしも入らずにいられたか自信ありません。 

「あきづき」型に乗るのは初めてなので、武装も紹介しておきましょう。
3連装短魚雷発射管です。 

国産の68式 HOS-301の改良型で、現地の説明にはMk.32と制式が書かれていました。

舷側はステルスシールドになっており、
使用時はこのシールドを開いて、発射管を斜め45度にして
あとは「テー!」とやります。(多分)

魚雷は精密機器なので、特製のキャニスターに収納されて保管されています。 

 

こちらはその近くにある自走式デコイ。
これは今まで見た護衛艦にはなかったような気がします。
(あったかもしれませんがわかりません)

4連装のランチャーが右舷側だけに一つ装備されています。
 

使用方法。
魚雷と一緒で、これも旋回させて「テー!」とやります。(多分)

「デコイ」と言っているのは、より接近した敵魚雷に対して使用され、
その際音響を発生させながら敵魚雷を欺瞞、誘引して、
自艦から離れたところまで誘導し、そこで誘爆させるからです。

頭いい〜!

溺者救助訓練用の人形もしっかりチェック。
他の艦に比べるととっても脚が長くてスタイル抜群、モデル体型です。 

画竜点睛と言いますが、溺者人形には何処の艦のものも必ず
油性マジックで顔が描き込まれます。
簡単なところではへのへのもへじの顔の時もあります。
そして必ず名前がついています。 

彼女(多分)の名前は近辺に隊員がいなかったので確認できませんでした。 

こちらVLS垂直発射機の発射装置。
ここには32セルがあります。

このタイプが今の海自の護衛艦の標準装備と言っていいでしょう。

セルのある台の側面にあった VLS弾庫。
とっての類が全くないのですが、どうやって開け閉めするんでしょう。 

回廊の一部で見つけた「海水吸入箱」のプレート。
海水吸入箱なんて初めて聞いた言葉です。

船舶は、主機関を初めとする各種搭載機器等の冷却に海水を使用するので、
船外の海水を船内に取り入れる海水吸入箱(シーチェスト)があります。

海水吸入箱は、船底外板あるいは喫水線下の船側、外板に接して設けられた
「箱」で、
船底外板、あるいは船側外板に開口する海水入口から
海水を導入して取り入れる役目をします。
そうして取り入れられた海水はポンプで冷却対象の機器に送給されるというわけ。

問題はこの写真のどこにも箱らしきものがなく、プレートがあるのが
船底でも喫水線下でもないことですが・・・。
 

 

さて、「あきづき」乗艦について艦長からお知らせいただいた情報に

「当日は艦上から軍艦島が見える航路を航行します」

とあり、今まで噂の軍艦島を見たことがなかったわたしは
当日軍艦島が見えてくるのを大変楽しみにしておりました。

速射砲の動的展示が終わった時、 VLSセルの写真を撮りましたところ、
(高いところにあるのでカメラを持ち上げて) 

んん?向こうに見える島影は・・・・?

見たことがないわたしでもわかる、これはあの軍艦島ではありませんか。
いやー、本当にコンパクトな島ですわ。
こんなところに人がひしめき合い学校や遊戯場まであったなんて信じられない。

「軍艦島ですよね、あれ」

もしかしたら艦内ではその旨放送があったのかもしれませんが、
わたしたちはずっと外にいたので、なんの心の準備もなくいきなり遭遇した形です。 

カメラを望遠レンズに取り替えて島を撮りました。

島の周囲を取り囲む防波堤が、一つの島をまるで軍艦のように見せています。
島の中央の小高いところには給水塔や灯台の形もまだはっきり確認できます。

近年世界遺産に指定され、長崎港からはいくつものクルーズが出ていますが、
2009年からは島への上陸が天候など条件付きで可能となりました。

アップした写真をさらに一部拡大してみます。
こりゃすごい。

廃墟や古い建物が大好きなわたしには垂涎の眺めです。
兼ねてからTOに行こうよと言われていたのですが、
これは是非一度上陸してみたくなりました。

ところで、端島が世界遺産に、というニュースは皆さんもお聞きになったと思いますが、
あれ、「軍艦島が世界遺産」というよりは

軍艦島を構成遺産に含む「明治日本の産業革命遺産 製鉄・製鋼、造船、石炭産業」

が世界遺産に指定されたというのが正確なところです。

 

ところでその際、日本が脚光を浴びることが何であれ許せない隣の某国が、
これを国ぐるみで妨害してきました。

「日本の帝国支配に関連する世界文化遺産を登録する日本の試み」

を非難するとともにこれに異論を唱え、登録に反対してきたのです。
その後日本は韓国政府とバーター条件(日本も百済遺跡を世界遺産に推薦するという)
で合意するも、韓国側は翌日合意を破棄しなかったことにしてしまい、
日本側が煮え湯を飲まされるという経緯を経たことも、
今では多くの日本人の知るところとなっています。

韓国側の非難の論拠は、朝鮮人が強制連行され苦役についたということでした。
これは徴用と強制労働を意図的に曖昧にし、政治利用したと言わざるを得ません。

その宣伝も子供向けの絵本にまで及び、「恥ずかしい世界遺産」という本では
少年の労働者を長崎の爆心地で労働させ被曝させたと書かれているそうです。

まあしかし、慰安婦問題などを見ても、あれはそういう国だと思っているので
多くの日本人同様わたしにはなんの驚きもありません。

そして得てしてこういう情報を検証せず、彼らのいう通りに伝播するのが
彼らのいうところの「良心的日本人」であるということも。

 

今回、わたしと鉄火お嬢さんが艦上で知り合った参加者の一人がそれでした。
軍艦島の話になった時、 この人は

「上陸したら朝鮮人の墓があった」

「強制連行されてきた朝鮮人だった」

「来るのが嫌だから途中で海に飛び込んで死んだ」

ああ、これが無自覚のデマゴギーというやつだなと思いました。

まず、軍艦島には墓がないというのは有名な話です。
島で人が亡くなったら、上から三つめの写真にも写っている小さな島に
遺体を運び、荼毘に付してそこにある墓地に葬ったのです。

狭い島内に島民の遺体すら葬ることはしていなかったというのに、
朝鮮人の遺体を荼毘にも付さず島に埋めて墓を作ったというのでしょうか。 

そして「強制連行」というのを「徴用」と混同していること。
(韓国の意図的な誤用をこの人は信じているというわけです)
慰安婦の問題もそうですが、軍艦島の炭鉱労働者として、朝鮮人も給与を得ていたこと、
特に戦後は日本人と朝鮮人の子供が学校で机を並べていたことなども
実際の元島民が証言していることなのに・・・・。

そして最後ですが、これなんといっていいのやら。
連れてこられる途中で海に飛び込んだ人間の墓がどうしてここにあるのか?

時と場所と立場を考えなければ、これらを突っ込ませていただきたかったのですが、
その話を聞いていた周りの人間は、もちろん誰も相槌も打たず返事もしませんでした。 

わたしは、そのおじさんを一日エスコートして、何を聞かされても
ハイハイとお説を拝聴しなければいけない自衛官に心から同情した次第です。

ちなみに、このおじさん、下艦する時にわたしと鉄火お嬢さんを
前に行かせてくれたまでは良かったのですが、鉄火お嬢さんが
ラッタル途中で写真を撮っている間それを待って立ち止まると、
後ろから「早く行かんね」といって背中を強く押すということをしてくれました。

繰り返しますが、船から降りるラッタルの途中です。
わたしは旅行用の重いキャリーバッグを手に持っていました。

危ないだろうがあ!(激怒) 

軍艦島の近くにある島だと思うのですが、高島でしょうか。
高島には学校、スーパー、診療所、海水浴場があります。
 


 

最後にはブリッジの下を通過すると聞いていたので、これかと思ったら
右手に見たまま通り過ぎてしまいました。
これは伊王島と三菱重工のある香焼を結ぶ「伊王島大橋」。
橋長876mもあって、歩いて渡ることもできるとか。

調べていたら「恋する灯台No7」とあるので何かと思ったら、 
日本ロマンチスト協会と日本財団「海と日本」の共同企画で、

恋する灯台プロジェクト

灯台を「ふたりの未来を見つめる場所」として定義することで
「ロマンスの聖地」へと再価値化していきます。
日本全国の灯台から、ロマンスの聖地にふさわしい灯台を「恋する灯台」として、
灯台がある地域を「恋する灯台のまち」として認定し、
地域の観光資源としての灯台の価値を見直すことで、
灯台に訪れる老若男女を増やして海への関心を高めていくことを目的とします。

という灯台の7番目にこの伊王島の灯台が指定されているのだとか。
(それにしてもこのHPの文章はなんとかならんのか) 

ちなみにこれは「いおうじま」と読みます。

 

恋する灯台といえば()わたしたちは動的展示の後、
甲板から海を見ながらまったりしていたのですが、
例によって鉄火お嬢さんが甲板にいた隊員とその家族に話しかけ、
しばらく立ち話をしていたところ、(主にお母さんとお嬢が)

なんと!

お母さんによるとこの隊員さんの奥様は、テレビのお見合い番組で
ご縁があって結婚に至ったという方なんだとか。

もしかしたらテレビを見ていた人には覚えのある隊員さんだったのかも。


続く。