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海軍コーヒー~護衛艦「さみだれ」乗艦記

2012-07-02 | 自衛隊

本文に入る前に少し気になったことがあったので報告です。
以前「返事が無かった」というコメントを頂いて、送ったはずのコメントが消えたことに気づいた
という事件がありましたが、また昨日、「コメントに返事が無い」というメールを頂いてしまいました。
またもや頂いたはずのコメントがどこかに消えてしまった模様です。
特定の漢字(新しいという字とか)が弾かれるのかもしれない、と言うのがその方の推理です。
もしかして今まで「コメントしたのに返事が無かった」ということがあった方、
何度も申し上げているようにエリス中尉はコメントには必ず目を通して、基本的に返事しますので、
消えてしまったという可能性もまたご考慮くださるとありがたいです・・・って、
全く何を言わせるんだgooメールは(怒)


さて本文。

せっかく男前の自衛官二人ですが、ブルース・ブラザーズ風にサングラスをかけていただきました。
広報の仕事をしている自衛官だから、公人扱いしても良かったのかもしれませんが、一応ね。
それにしても、お二人とも、半袖から見えている腕のたくましいこと・・・・。
特に右側の青年、カッター漕ぎで鍛え上げられたばかり、ってかんじの腕ですね。

左はこの護衛艦「さみだれ」艦長のH二佐。
二佐とは中佐のことで、憧れの艦長になれるのもこの二佐からです。



この艦長の帽子を見ると、ひさしに飾りがついているでしょう?
これは通称「スクランブルド・エッグ」(色と形ですね)というそうで、二佐から上の制帽につきます。
個人的にエリス中尉は、このスクランブルド・エッグはあまり好きではありません。
旧軍の軍帽には無かったからというそれだけの理由ですが。

幹部自衛官は、この地位までは(速さに差はありますが)全員昇進できるそうです。

右の洗いたてのような?爽やかな好青年は、肩章から見るとエンスンです。
旧軍時代から学校を卒業し、候補生を経て最初に任官するのがこの三尉(旧軍少尉)。
艦の中では、「士配置」につき、士官としての訓練が始まったばかり。
この「士配置」は「サムライ配置」と読むそうで、「水雷士」「機関士」などのこと。

この人は、晴れて幹部になったものの、生活全てこれ勉強、の真っ最中といったところです。
我々の情報は、前もって彼らに伝わっていたらしく、彼は最後に
「僕も(あなたがたと)同じ地域のなんですよ」とこれも爽やかに話しかけてきました。
これから経験と知識を身につけ、立派な幹部になってください。


さて、護衛艦が入港中の任務は三つあります。
それは、

一、整備
二、補給
三、広報

の三つ。
一つ目の整備については、前々回「外壁を塗装しようとする人」の写真を挙げましたが、
他にもこんな光景を目撃。



休日も黙々と一人で砲身を手入れする水兵さん。
「さみだれ」艦内は、どこもかしこもピカピカに磨きあげられ、ちりひとつありませんでした。

そして、三つ目の「広報」、これに注目。
整備、補給と並ぶくらい大切な任務が、この広報であることに、今さらながら驚きました。
日曜日に護衛艦を一般公開しているのも「サービス」ではなく自衛隊の「任務」であったとは。

ですから見学者のある日は、艦内いたるところに一般人用の説明パネルが並べられるというわけ。



このほか、「機関室の仕事」なんてパネルもあったのですが、
その数ある写真の中からエリス中尉が皆さまのために一枚セレクトしたのが、これ。



今に始まったことではありませんが、ぶれていて済みません。

「防火指揮所で応急訓練を指揮する応急長」

この、応急長の指さしのポーズ、構えた腰、隊員の躍動感あふれるポーズが素晴らしい。

この後、我々は広い会議室に通されました。
テーブルクロスのかかった(アクリルの滑り止めでカバーしてましたが)長机のある会議室は、
実際に幹部がここで会議をする部屋らしく、正面に大きなプロジェクタがあります。



各自のテーブルに置かれた「さみだれ」「と「海上自衛隊」のパンフレット。
我々が席に着いてから、自衛隊の活動についての映像を、艦長自ら解説してくれました。

(これもまた「特別」ってことなんですよね?そうですよね?)

画像切り替えは、冒頭画像のイケメン・エンスンが助手としてパソコンを操作してくれました。
まずは自衛隊の組織についての説明から入ります。

 ここは「呉地方隊」です。

つまり旧軍の「呉鎮守府」でしょ?
なぜ、鎮守府を「地方隊」なんぞというつまらん名称に変えてしまったのか。
「くれちん」「よこちん」「さちん」
この、味わい深い略称も共に消えてしまったとは・・・。

地方隊を「鎮守府」に戻すことを国民の一人として(略)



「さみだれ」が、艦隊の第4護衛隊所属であるという説明。
上から「いせ」「はたかぜ」「さみだれ」「うみぎり」、これらが同隊所属艦です。



高速ターン中の「さみだれ」。
エリス中尉、恥ずかしながら駆逐艦がこんなにも巨大なものだとは正直思っていませんでした。
ですから、その大きさを知ってからこの航跡を見ると、
いかにもの凄いスピードでターンしているか、よくわかります。

そして、このあと映像解説はこの「さみだれ」の国際貢献への参加、
そしてあの大震災での海上自衛隊の救助活動に続くのですが、それはまた別の日に。


今日いちばんお話したかったのが、これ。



我々がテーブルに着き、艦長の説明が始まったとき、なんと!

従兵が、扉の奥からコーヒーを運んできたのです。
この海軍印のついたコーヒーカップを。

コーヒーを運んできたのは、勿論従兵ではなく恰好からおそらく賄いの係だと思われます。
艦長はじめ士官の食事の用意をする人でしょうか。

それはともかく、おそらく東郷司令も山本司令も、コーヒーを飲んだのです。
この桜に錨が金で描かれたコーヒーカップで・・・・・・・。

艦長の説明が続いているのに目の色を変えて写真を撮るエリス中尉。
このカップを何とかして持って帰る方法はないかと、真剣に考えた瞬間でした。

「特別見学」のどこが特別なのか、いまいちわからないままここまで来ましたが、
ここで初めて「さすがに皆コーヒーまでは出してもらっていないのでは?」と、気づきました。
つまりこのコーヒーカップが「特別の印」?

護衛艦の艦長はじめ幹部は、入港中も艦をカラにすることは決してありませんので、
彼らはフネの中で食事をします。
我々が見学を終わって護衛艦の並ぶ桟橋を歩いていると、どこからともなくいい匂いが・・・。
肉じゃがかな?
美味しいと評判の護衛艦のレシピを、ぜひ一度味わってみたい!

いつか、超特別扱いに出世して、海軍マークのついた食器の並ぶフルコースを、
できれば軍楽隊のBGM付きでいただいてみたい!という野望が、
このときエリス中尉の胸にむくむくと湧きあがってきたのでございます。


「さみだれ」乗艦記、今度こそ本当に最終回に続く。